君はコオロギの闘いを観戦したことがあるか

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日本人にはあまり馴染みがないですが、中国ではコオロギ同士を戦わせる「闘蟋」は唐の時代から大人気で、現代でも夢中になっている人が多くいる歴史あるものだそうです。

映画『ラストエンペラー』でも、闘蟋の戦士であるコオロギがラストシーンで紫禁城の玉座から印象的に登場していました。

本作は、まさかのそんな「闘蟋」をテーマにしたマンガ! 改めてマンガの「何でもあり」な懐の深さを感じる作品です。『少年の名は少年の名は』ではイギリスの寄宿学校を、『ギャラクシートラベラーズギャラクシートラベラーズ』では宇宙の旅を描いた渡邉紗代渡邉紗代さんがどうして「闘蟋」に行き着いたのか興味も尽きませんが……

ともあれ、やはり全然知らない世界のお話というのはそれだけで興味深いものです。「闘蟋」という競技に生活や命を賭けている者たち、強いコオロギの見分け方、それを育てて管理する者、実際の蟋蟀同士の迫力溢れる闘いの様子など、この作品でしか見られないシーンが目白押しです。

また、主人公である青年・バービーの悪漢ぶりも本作の特色。バービーには蟋蟀に対するリスペクトなど一切なく金蔓としか思っておらず、「クソ虫」と罵り惨殺します。また、虫だけでなく人間に対しても私利私欲を満たすための道具として利用するだけ利用します。酒と女と金が大好きでありながら、女の子から好意でもらったアイスクリームを悪びれず道に捨てるなどサイコサイコパス的言動のオンパレード。しかしそんな一貫したクズっぷりが不思議と魅力的でもあります。

バービー以外のサブキャラクターたちも魅力的で、香港という都市の猥雑な空気感も見事に表現されている一作です。

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