あらすじ

闘犬、闘鶏のように、コオロギを闘わせる「闘蟋(とうしつ)」。コオロギには同じ箱に入れるとケンカをして、勝つと高らかに鳴く習性がある。現代・香港の悪童”バービー”はこの賭博で仲間とともに成り上がる!
B/W
闘犬、闘鶏のように、コオロギを闘わせる「闘蟋(とうしつ)」。コオロギには同じ箱に入れるとケンカをして、勝つと高らかに鳴く習性がある。現代・香港の悪童”バービー”はこの賭博で仲間とともに成り上がる!
ギャラクシートラベラーズ

ギャラクシートラベラーズ

宇宙の星々を渡り歩く“トラベラーズ”、ヴィーウィとアスルル。彼らは欲望のままに美女と酒盛りをしたり、まだ見ぬ種族を調査したりとやりたい放題。そんな星々はたいてい問題ごとを抱えているのだが、ヴィーウィとアスルルが去ったあと、そこには必ず幸せの虹がかかるらしい……。荒れた星にはオアシスを生み、失われた民族の誇りを取り戻す。遙かな銀河を舞台に、ヴィーウィの持つ壮大な“世直し”能力がここに炸裂する! 「彼らが通ったあとには芽が吹き、花が咲き、金銀財宝がどっさりと」。宇宙を旅するスペース世直し漫遊記! 300ページオーバーの特厚な単行本でお届けいたします!
少年の名は

少年の名は

舞台はイギリス。とある寄宿学校。ここの卒業生であるキース。やりたいことを見失い、とうとう母校に戻ってきたのだ。そこで出会うのは後輩にあたる少年たち。この出会いはキースと少年たちにどのような変化をもたらすのか――。※作品の表現や演出を考慮して、電子版は一部のページを改変しております。※
B/W
君はコオロギの闘いを観戦したことがあるか
B/W 渡邉紗代
兎来栄寿
兎来栄寿
日本人にはあまり馴染みがないですが、中国ではコオロギ同士を戦わせる「闘蟋」は唐の時代から大人気で、現代でも夢中になっている人が多くいる歴史あるものだそうです。 映画『ラストエンペラー』でも、闘蟋の戦士であるコオロギがラストシーンで紫禁城の玉座から印象的に登場していました。 本作は、まさかのそんな「闘蟋」をテーマにしたマンガ! 改めてマンガの「何でもあり」な懐の深さを感じる作品です。『少年の名は』ではイギリスの寄宿学校を、『ギャラクシートラベラーズ』では宇宙の旅を描いた渡邉紗代さんがどうして「闘蟋」に行き着いたのか興味も尽きませんが…… ともあれ、やはり全然知らない世界のお話というのはそれだけで興味深いものです。「闘蟋」という競技に生活や命を賭けている者たち、強いコオロギの見分け方、それを育てて管理する者、実際の蟋蟀同士の迫力溢れる闘いの様子など、この作品でしか見られないシーンが目白押しです。 また、主人公である青年・バービーの悪漢ぶりも本作の特色。バービーには蟋蟀に対するリスペクトなど一切なく金蔓としか思っておらず、「クソ虫」と罵り惨殺します。また、虫だけでなく人間に対しても私利私欲を満たすための道具として利用するだけ利用します。酒と女と金が大好きでありながら、女の子から好意でもらったアイスクリームを悪びれず道に捨てるなどサイコパス的言動のオンパレード。しかしそんな一貫したクズっぷりが不思議と魅力的でもあります。 バービー以外のサブキャラクターたちも魅力的で、香港という都市の猥雑な空気感も見事に表現されている一作です。