誰しもがテロリストになりうる世界で
「あなたはテロリスト予備軍だ」 突然そんなことを言われたらどう思うでしょうか。頭のおかしな人だ、近寄らないでおこう……そんな風に感じるのではないかと思います。 しかし、本作はこの現代社会においては誰しもがテロリストになる可能性があるという恐ろしい現実を突きつけてくる作品です。実はテロリストの多くは高学歴で社会的信用の高い職業に従事していた人であったり、そもそものテロリストの定義であったりといった事柄が迫力のある筆致で描かれていきます。 「テロリストの根っこは知性の伴わない善意」 というセリフには、非常に考えさせられます。 ノンフィクションの活字の本ではこういった内容のものは多く見かけますが、マンガでこのテーマにしっかり取り組んだ物は珍しいです。一読しておくと、今後の人生で役に立つこともあるかもしれません。