欲しい物が手に入らないどうしようもなさ
前作「君の曖昧」がとても印象深かったので月スピに載ってるのを知って、おっ!と思い早速読んでみました。 読み終わって、意味深なタイトルだったのかなと、正直真意は読み取れなかったかもなと思いました。 あの人は持っているのに、自分には手に入らない。欲しいのに手に入らない。思い通りにならない。若いせいなのか、子供だからなのか。 どうしようもないことなのに、どうにかしたいという焦燥感がしんどいくらいに伝わる内容でした。 あの子はこれからも左手の薬指にとらわれて生きてゆくのか…。
持たざる者の辛さや劣等感、どうしても埋まらない気持ちが痛いほど伝わってきました。
主人公とパパがキスする場面のロマンチックにも見える描写と、クライマックスと重く暗い表現のギャップにやられました。
家族は選べないからなぁ……。