動物達への想いの深さ
イーハトーヴのふたりの先生 山口八三
動物園で働く獣医師さん達の話。
星野先生は、動物の痛みが自分も分かってしまう身体の持ち主。
津川先生は、かなり塩対応だけど動物愛に溢れるとっても優しい先生。
大人になって動物園に行くと裏で働く方達の努力があってこそ保たれている空間なんだと感じます。
星野先生の能力は一体いつかなんだろうな。
動物は喋れないからこそ、とっても難しい仕事なんだろうと勝手ながら想像します。
正反対の二人の先生たちの動物への深い想いが伝わる漫画かなと思います。
イーハトーヴのふたりの先生
岩手県の動物園に勤める獣医さんのお話。主人公の星野はケガをした動物の痛みがわかる特異体質の持ち主ですが、物語にファンタジーの要素はそれほど無いです。それよりも動物と向き合うとはどういうことかを現実的に学べる漫画だと思いました。ペット医療と違って動物園医療はまだまだ治療法が確立されていないことが多く、獣医さんそれぞれが試行錯誤して治療をしているということを初めて知りました。読むと動物園の印象が変わります。それと同時に星野については急病になった先輩獣医の代わりに赴任してきた津川との人間同士の話も描かれています。津川は人に対して冷血な印象ですが動物達に関わることにはとても熱いです。怒ると津川弁になるなど根っからの悪人ではないことは分かりますが、彼には明かされてない秘密がまだありそうです。表紙の絵が綺麗だなと思って手に取ってみたらとても面白かったです。