淡々としていて味がある
淡々としてますがこういう漫画こそ面白いんだよなあ〜 コミティア思い出しました。 宇宙の漫画って無から何かアイデア生み出してる感じがして天才だなと思うんですよね…。 主人公が何気に言葉遣い荒っぽいのが良い、メカ可愛い、日常系っぽいのに地球に行ったり葬式とか地味に暗い話から始まるのもいい。 じっくり時間作って読んでほしい漫画です。
宇宙船が今で言うセスナ機ぐらい身近になった世界のお話。機械やプログラミングに妙に長けている主婦・鵯(ひよどり)ソラは、病気で亡くなった夫の遺骨を義母に届けるため宇宙へと旅立った。道中のお供は人工知能を搭載したロボットである息子の宙二郎(ちゅうじろう)。長期渡航を目的として作られた巨大宇宙船、経由するコロニーやテラフォーミングされた星、いつか訪れそうな宇宙時代への期待が膨らむ、近未来サイエンス・フィクション。
webやコミティアで精力的にマンガを発表していた肋骨凹介さんの待望の初単行本です。
端的に言えばSF。ですが、未来の技術を用いながら現代の私たちが日常的に行う営為とまったく地続きの営みを行う姿、最先端の叡智と俗っぽさの融合は多くのSF作品とは違った面白さがあります。
抹香も摘める焼香ロボ、整体や眼鏡屋も入った地球への巡航船、ロボット三原則を越えた将棋AI、「甘酸っぱ鉄冷い」料理etc...
そこかしこに鏤められた数々の興味深いガジェットや設定から、濃密なセンスオブワンダーを受け取ることができます。
「自分の技能は私利私欲のためにしか使わない」と決めている主人公を始めとして登場人物たちは癖のあるキャラばかりで、そんな彼らの掛け合いにも妙味が詰まっています。
そして、1話目からでは想像がつかない展開もあり1冊を読み終えた時の満足感と続きへの期待感は非常に大きなものとなります。
本作も他の作品も含めて今後がとても楽しみです。