画が綺麗なセンシティブ大学物語
まず美麗な絵に惹きつけられました。表紙絵に心を掴まれた方は、本文の絵も美しいのでぜひ読んでみて下さい。そして、物語としても良いものです。 主要人物たちの持っている秘密、そして各々の関係が複雑に絡まり合い生み出されるドラマ。一話冒頭のモノローグから不穏さを感じずにはいられないですが、これらが一体どこへ帰着するのか楽しみで続きが毎回気になります。 ちなみに、筆者の工藤マコトさんは元々『花もて語れ』『夜明けの旅団』の片山ユキヲさんのアシスタントだそうです。表情の良さや感情表現の豊かさなどは通ずるものを感じました。 『からかい上手の高木さん』の山本崇一郎さん、『吾輩の部屋である』の田岡りきさんに続いてチーム片山も素晴らしい人材をどんどん輩出していますね。片山ユキヲさんの師匠である藤田和日郎さんチームからの良い遺伝子が脈々と受け継がれているのを嬉しく思います。
綺麗な絵と「真綿のように優しい秘密」というワードに惹きつけられた。
秘密自体よりも何故秘密を抱えなければならなかったのか、背景が悲しくて優しくてどうしようもなくて、読み続ける理由になった。
和装の美女、関西弁の幼なじみ、人気女性モデル、ピンチを救うイケメン。
キャラクターが強くてわかりやすい4人だからこそ、周囲の人間からは彼らの苦しみや葛藤、千三の言葉を借りれば「えげつない秘密」なんてものは見えにくいのかもしれない。
みんなそれぞれ地獄があって、他人からはわからないように武装して生きている。
そんな地獄捨てちゃえよって安易なことを言うのではなく、真綿のように包み込んで一緒に泣いてくれる優しい作品だと思う。