怪しい民芸雑貨店「桃木屋」
甲乙つけるもんでもないけど「フライングガール」より好きだったかもしれない。よりおもちゃ箱をひっくり返したようなマンガ的ドタバタ感があって楽しかった。いきなり高校生の主人公とクラスの真面目な委員長が結婚したりとか!それにしてもこの作者さんヤギが好きですよね。「ラタキアの魔女 笠辺哲短編集」も読みたいんだけど電子書籍化されてなくて悲しい。私が巡回する古本屋では一度も見かけたことない。
怪しい民芸雑貨店「桃木屋」の奇妙なグッズやそこに集まる仲間達が巻き起こす騒動を描いた摩訶不思議コメディ。クラス委員長の桃子(ももこ)からバイトを紹介された玉田(たまだ)は、実は桃子のお店である「桃木屋」で働くことに。そこで、しゃべる孫の手やブタ猫おじいちゃんと遭遇した玉田は、ふとした拍子に「生贄の山羊の仮面」をかぶってしまい、ヤギに変身して……!?
この著者の描くものは、設定から展開まで全て予想がつかない。間違いなく唯一無二の漫画。
古物雑貨屋ももきやの娘・桃子と、同級生・玉田くんらが巻き起こす予測不可能なドタバタ日常譚です。
桃子の祖父は太った三毛猫だし、玉田くんは店にあったお面をつけたらヤギ顔になるし、古代エジプトの兵士人形は玉田をアヌビス神と勘違いして覚醒するしで、更に例によって主人公は怪我して流血しがちです。
突飛な世界観なのに登場人物たちは金儲けしてやろうとか、モテまくろうとか、ヒーローになろうとかいう思考は微塵もなく、あくまでも日常を普通に生きているところもいい。
設定もさることながら、言葉選びのセンスも抜群。
はっきり言って名言の宝庫です。