粂田晃宏とおぎぬまXのミステリーが面白くない訳がない!!
モンキーピークの粂田晃宏と29年ぶりの赤塚賞入選で話題になった稀代のギャガーおぎぬまXの最強タッグがお送りするミステリー!! 会社の先輩に殺したいほどの怨みを抱えながらも、この世に完璧な犯罪など存在しないんだからと思いとどまっていたところに「借り物ではなく”貴方だけの復讐”をしましょう」と現れた謎の男ヤミノ。しかし彼の正体は… 笑ゥせぇるすまんオマージュのような話に見えるけど、第1話の時点でそうだと断言しないでおきましょう…。おぎぬまXさんはギャグだけじゃなくてストーリ漫画も斬新なはず!!期待の新連載です。
誰しも一度はThe Beatlesにハマったことがあると思うけれど、この主人公は中二でビートルズに出会って以来、人生全てをビートルズに捧げた『ビーマニ』の山田くん。
「捧げた」というだけあって妻も子もおらず本まで出版し、なんなら「山田会」というビートルズを語る会まで開き、ビートルズファンの間ではちょっとした権威になっている。
そんな山田くんが山田さんと呼ばれるようになる頃に、通称「レベル3※」と呼ばれるビートルズのコピーバンドに勝負を挑まれる。(※お金が取れるレベルのことらしい)
山田は「私は『ビートルズ』で負けたくないんです。絶対に!」と、人生40年間を捧げてきたプライドに懸け勝負を受けるのだが……というあらすじ。
好きなもので真正面から勝負を受ける山田くんと仲間の石田くんの情熱、1カ月間週3で練習する気概…その積み重ねがあったうえでの、当日のライブ会場での山田のセリフは胸に迫るものがあった。
「大切に思えば思うほど、畏れ多くて生半可な気持ちでそれに接することができない」というのは、誰しも共感することができるテーマだと思う。
そして最後の最後に、山田は『愛の深さゆえの畏怖』を乗り越え、新たな決意をすることができた。それは誰にでもできるような簡単なことではなくて、愛を貫き通す勇気「覚悟」を持つ人にだけできる決断だと思う。
これはもう山田でも山田くんでもなく、敬意を込めて山田さんと呼びたい。
お話の全体の雰囲気としては「綺麗な響※」のような印象を受けた(※響のようにその道しか見えない人間だが、響のようにブレーキがぶっ壊れてないの意)。
これはぜひ連載化して、山田とビートルズの出会いからコピーバンドでのし上がるまでを全部描いてほしいです。
【本編WEB掲載】
https://www.futabasha.co.jp/tachiyomi/vtreader.html?pc=1&fd=ac_be-maniyamadaLR
(画像は本編より。揺るぎない山田の決意が熱い…!)