えびしんじょのようなえっちさ
にんにくをたっぷり効かせたステーキ、溢れんばかりのチーズがのったピザのようなジャンクなエ◯さではない。 まず椀の蓋を開けて、匂いを連れた湯気を楽しみ、出汁をつうっと口に含む。 箸をとり、しんじょを持ち上げ、滴るつゆと共に口へ迎える。 そうして旨みをしっかりと余すことなく感じるのだ。 みたいなことを書きたくなるぐらい感情にくる作品。 小説家のおじさんとミステリアスな美女の出会いから始まる愛の物語、あたたかな絵柄と多めの無言のコマも心地よく、ゆったりじんわりふつふつと楽しませてくれる。 ジャンクなものも大好きだけれども、こういうのもいいなぁと思いました。
きょうのイブニングに載っていた『針鼠』が最高だったので過去作を調べたところ、昨年の読切(前後編)がウェブで公開されていたのでワクワクしながら読みました。
デフォルメされて少年漫画的に脚色されていながらも、しっかりと1450年のイングランドらしさが出ているところがすごいなと思いました。
老若男女が入り乱れるラグビーのような「フットボール」も面白かったですし、5年ぶりにハロルドが戻ってきても、父娘が協力しても結局は西チームに勝てない…という、予想外の展開も良かったです。大抵、読切なら主人公が勝って終わりそうなものですよね。いい意味で裏切られました。
この読切を気にWikipediaで「フットボール」を調べたところ、フットボールとは「得点するために指定された相手陣地のゴールにボールを蹴り込む要素を含むチームスポーツの一群」とのこと。納得…!
本作『中世ヨーロッパのフットボール』、そして新作『針鼠』のように、よしおかちひろ先生には今後も面白い中世歴史漫画を世に送り出してほしいなと思います…!
【あらすじ】