円環のように繋がる壮大な連作短編集
1話の主人公・喜多さんが先生に告白するといういきなりの導入から始まる連作短編集。各話ごとに主人公が移り変わっていき、それが巻を通して読むと円環のように繋がっているという構成がまず見事。また、それぞれの話を見てみると、各話の主人公たちの人生のターニングポイントとなるような場面を切り取って描かれているけど、明確なハッピーエンドともバッドエンドとも描かれていない作品が多い。同じ事象を別視点で描いている部分も多く、受けてによってプラスにもマイナスにも捉えられるということを思い知らされる。そして何より、どんな人にでもそれぞれの物語があり結末を迎えることなく進み続けるしかないということを1冊を通して感じさせる壮大な作品。
マンバでクチコミを見てずっと気になっていた作品、やっと昨日読めました。
これがデビュー作だったんですね…!?
新人らしからぬ凄まじい完成度で驚きです。
こういう前話で端役だったキャラが次話の主人公になる群像劇いいですよね…! いろんな人間関係・恋愛の形が描かれていたところも読み応えがありました