映画はまだ公開されていませんが、劇場予告を見る限りかなり面白そうです。
漫画はまだ序盤ですが、クオリティ高く読みやすく、原作に絵がそっくり(大事)

過去を変えるために未来からやってきた10年後の自分。早々に明かされるこの世界の正体。一見なんの意味もないようにも思える彼の行動の真意とは?

正直、映画の予告がめっちゃ面白そうだったので期待しています。セカイ系っぽいノリがどストライク

読みたい

来月もう単行本出るらしいですね。
決められた未来のとおりに進んでいくんだけどサスペンスっぽい要素もあって面白い。映画見たいです。

MA・MA・Match

映画『怪物』みたいな構成の話だった

MA・MA・Match
mampuku
mampuku

いい意味で誤解や異説の飛び交いそうな、多層構造のストーリーだったように思う。 主人公の一人である芦原(母)は、生意気な息子とモラハラ夫を見返すべく、息子の得意なサッカーで勝負を挑む。 前半は、ママさんたちが友情や努力によって青春を取り戻しながら、悪役(息子と夫)に挑むという物語で、この悪役というのがちょっとやり過ぎなくらいのヘイトタンクっぷりなのだ。その場限りのヘイトを買うキャラクターは、ヒーロー役の株を上げるための装置として少女漫画では常套手段だ。だが『マ・マ・マッチ』はそういう物語ではないため、話はここで終わらない。 後半は時を遡り、息子と夫の目線で描かれ直す。母目線ではイヤ〜な輩にしか映らなかった彼らにも彼らの言い分や考えがあったのだと明かされる。 真っ先に私が思い出したのが、是枝監督の映画『怪物』の主人公の一人、安藤サクラさん演じるシングルマザーの早織である。 息子が教師に暴力を振るわれたことに抗議するため学校に乗り込むも学校側からぞんざいな対応をされ不信感を募らせる早織。その後教師や子供など、さまざまな視点が映し出されることでやがて全体観が像を結ぶ。 『マ・マ・マッチ』でも、後半部分を読んだあとに最初から読み返すと些か感想が変わる。息子や夫がイヤな奴らとして描かれているのは確かだが、先入観によって印象が悪化していたのも事実だ。なにより、序盤に出てくる夫のコマは母を嘲弄するような不快なものだったが、そもそもこれは芦原母の回想であり主観だ。その後実際に登場する夫は彼女と衝突こそすれ至って真面目だ。 つまり、それぞれの立場から不満を抱いたり譲れない部分でぶつかり合いながら、逐一仲直りしたり折り合いをつけているのだ、という話に畢竟見えなくもない。悪者退治という少女漫画にありがちなフォーマットで導入を描いて入り込みやすくしておいて、後半の考えさせる話でモヤモヤさせる。末次由紀先生、さすがの巨匠っぷりを見せつけた怪作だ。

テセウスの船

どちらかというと『テセウスの船』というより『動的平衡』じゃない?

テセウスの船
mampuku
mampuku

時間遡行をして人生をやり直したとしたら、それは本当に同一の自分といえるのか?という問いを有名なパラドックス「テセウスの船」になぞらえたタイトルだ。 ストーリーに関しては論理的整合性や感情的整合性においてやや粗い部分も感じられたもののサスペンスとして緊張感もあり、ラストは新海誠監督『君の名は。』のような美しい締め方だったし概ね面白かった。 ただ、タイトル『テセウスの船』がイマイチストーリーにハマっていない感じがした。 どちらかといえば「動的平衡」のほうが比喩としてしっくりくるのではないだろうか。 「動的平衡」とはシェーンハイマーの提唱した概念であり、日本では福岡伸一氏による著書『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』で有名になった言葉である。“生命”とは、取り込まれ代謝されていく物質、生まれ変わり続ける細胞どうしの相互作用によって現れる“現象”である、という考え方だ。 主人公の田村心は生まれる前の過去に遡り、そこで巻き起こる惨劇を阻止することで、その惨劇により自身に降りかかった不幸な運命を変えようと奮闘する。作品では、過去を改変して自らの人生を曲げようとする一連の試みをテセウスの船にたとえているが、やはりピンとこない。作中、田村心は殺人事件を未然に防ぐため凶器となった薬物を隠したり被害者に避難を呼びかけたりするが、その影響で心の知る未来とは異なる人物が命を落としたり、結果的に大量殺人を防げなかったばかりか予想だにしなかった事態を招くことになる。 この予測不可能性こそがまさに動的平衡そのものって感じなのだ。生命体は、船の部品のように壊れた部分を取り替えれば前と変わらず機能する、ということにはならない。ある重要なホルモンの分泌に作用する細胞を、遺伝子操作によってあらかじめ削除してしまったとしても、ほかの細胞がそのポジションを埋めることがある。これは心が殺人事件の阻止に何度も失敗したことに似ている。思わぬ不運や予想しない死者が出てしまったのも、脚のツボを押すと胃腸の働きが改善するなどの神経細胞の複雑さに似ている。 船は組み立てて積み上げれば完成するが、生命は時間という大きな流れの中で分子同士が複雑に相互作用しあうことで初めて現象する。『テセウスの船』での田村心の試みは人生あるいは歴史という動的平衡に翻弄されながらも抗う物語だったのかもしれない。

本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
〆切前には百合が捗る

〆切前には百合が捗る

“とある”事情で単身田舎を飛び出した高校生の家出少女・白川愛結。ノープランで東京への第一歩を踏み出した瞬間に職質&保護され従姉で編集者の白川京に引き取られることに。京の担当している〆切破り常習犯の人気作家・海老ヒカリの世話係&監視役のアルバイトを紹介された愛結は、ヒカリを一目見た瞬間に恋に落ちる。ヒカリの家に住み込みで働くことになった愛結。料理を作ったり、超理論で〆切を突破されたり、デートをしたり…賑やかに、穏やかに過ごしていく日常は二人をどう変えていくのか。“普通”に生きづらいすべての人に贈るガールズラブコメディ・開幕!! ※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

リアリスト魔王による聖域なき異世界改革

リアリスト魔王による聖域なき異世界改革

【原作小説が好評発売中の異世界魔王英雄譚、ついにコミック化!実力派の漫画家・鈴木マナツによる、緻密で大胆な作画に注目!】「小説家になろう」にて連載半年で1、000万PV数を記録し、電撃の新文芸より小説版が好評発売中の異世界魔王譚のコミカライズ版が始動!現実主義者の最弱魔王が、参謀のメイド魔族と混迷した世界を再構築する!◆あらすじ◆72の魔王が跋扈する混沌とした世界に、72番目の魔王として転生したアシュタロト。そんな彼の前に突如謎の女神が現れ、この世界を改革するようアシュタロトを導く。初めに召喚したメイド兼参謀の魔族・イヴを従え、現実主義者(リアリスト)魔王の伝説がはじまる!

selector infected WIXOSS -peeping analyze-

selector infected WIXOSS -peeping analyze-

中高生の間で流行中のTCG(トレーディングカードゲーム)『ウィクロス』。そのカードの声が聞こえる選ばれた少女・セレクター同士の『ウィクロス』バトルに勝ち抜けば、どんな願いも叶うという…。友達を救うため、相棒のルリグ・リメンバと共にバトルに挑む水嶋清衣を待つ運命は!?青のルリグ・ピルルクの知られざる物語を描く、公式スピンオフ第1巻!!

世界征服~謀略のズヴィズダー~

世界征服~謀略のズヴィズダー~

TVアニメ『世界征服~謀略のズヴィズダー~』が、コミカライズ!世界征服という、いまだかつて誰も為し遂げたことのない栄光を手にするため日々活動する秘密結社「ズヴィズダー」。その総帥として、世界征服を目論む幼女・ヴィニエイラ様の世界征服までの軌跡を活目せよ!!

コネクト

コネクト

父は作曲家、母はピアニスト。そんな音楽一家で育った一ノ瀬和奏が惹かれる音楽はクラシックではなく、物語やキャラクターに寄り添い一体化した歌や曲──アニソンだった。いつか自分もアニソンを作りたいと漠然と夢見ながらも、自信がなく一歩を踏み出せない和奏に決定的な出逢いが訪れる。漫画家として活躍するクラスメイト・藤尾藤子の作品を読んだ瞬間から、和奏の夢が色付き始めて……? 音楽と物語が、人と人を、夢と夢を繋いでいく青春×アニソンストーリー第1巻!!

はろー(らぶこめ)わーるど

はろー(らぶこめ)わーるど

読書好きで内気な高校生・堅書直実の“セカイ”は、10年後の自分である「先生」が現れたことで一変する! クラスメイトの一行さんと直実を恋人同士にするため先生から課せられる様々なミッション!! しぶしぶながらも先生に付き合う直実。図書委員仲間の勘解由小路さんのおせっかいもあり一行さんに惹かれていくが……!? 3DCGアニメ映画『HELLO WORLD』のゆる~くカワイイ“IF”を描く、スピンオフラブコメ!!

青春ラブなアニメ映画が先行漫画化にコメントする
※ご自身のコメントに返信しようとしていますが、よろしいですか?最近、自作自演行為に関する報告が増えておりますため、訂正や補足コメントを除き、そのような行為はお控えいただくようお願いしております。
※コミュニティ運営およびシステム負荷の制限のため、1日の投稿数を制限しております。ご理解とご協力をお願いいたします。また、複数の環境からの制限以上の投稿も禁止しており、確認次第ブロック対応を行いますので、ご了承ください。