何回読んでも良い
良かった点 ・朱 勇徳/李 長典のエピソードは何回読んでも良い 総評 10代で読んだ時よりもずっと楽しめた。10代の時は拳法漫画としてしか楽しめてなかったのかも。今読むと各種エピソードの深さがよりわかって面白い
ブルース・リー派かジャッキー・チェン派かといわれれば、世代的に僕はジャッキー派でした。日曜洋画劇場で放送された『酔拳』を録画し、繰り返し見ながらその技を真似したものです。今でも宴会芸くらいには使える腕前と自負しております。この我流中国拳法演舞は、それからも映画(『イップ・マン』)やゲーム(『鉄拳』)を参考にレパートリーを増やしてきましたが、もっとも多く取り入れたのは『拳児』からです。
『拳児』は八極拳と出会った剛拳児の成長の物語です。剛拳児は間違っていないと思えば、大人にでも立ち向かうことができる正義感あふれる少年です。時として母や先生からは暴力的と思われていますが、祖父である剛侠太郎はその芯の強さ、心根が真っ直ぐなことを見抜き、八極拳の手ほどきをするのです。。
祖父から八極拳を学びながら過ごしていたある日、祖父・ が突如中国へ旅立ってしまいます。かつて、兵隊として中国へ出征していた侠太郎は瀕死の怪我を負い、そこで地元の人間に助けられます。敵国の人間を、厭うことなく世話を焼く村人と、侠太郎は親交を結び、村に伝わる八極拳を学ぶことになります。彼らに恩を返すために再び中国へと旅立っていったのです。
そのまま音信を絶ち、何年も帰ってこない侠太郎を探すために、高校生となった拳児が中国に旅立つのが第二部の始まり。
修行を重ねてきた八極拳を頼りに、そして、数多くの人たちの親身な助けにより、拳児は様々な中国拳法を出会っていくのです。
行く先々では、次々と師匠と呼ぶべき人間が現れ、暴力や復讐に溺れない正しい道へと拳児を導いていきます。そんな拳児の対極に位置するのがライバルのトニー・譚。拳児と戦い敗北を喫してしまったトニー・譚は、拳児を倒すために最強の武術を求め続けます…。
祖父を探し出し、トニー・譚とも決着を付けた拳児は、八極拳を通じてなにを見つけるのか。師匠に導かれ、自身の闇と対決して、悟りに至る…『ゲド戦記』にも通じますし十牛図に描かれるような悟りとも言えるものが、ここには描かれているのです。そう考えるととんでもなくスケールのでかい哲学漫画ともいえるのです。
それはそれとして、日本における八極拳=最強の中国拳法の方程式を作ったのは『拳児』ではないかと疑っておりますが、どうなのでしょうか。
「みんなと仲良くするため、強くなりたい」風変わりな祖父・侠太郎の薫陶をうけ、元気いっぱいの“やんちゃ”に育った少年・剛拳児。持ち前の正義感と祖父直伝の『頂肘』がうなる時、さわやかな風が舞う。拳児、強し!!
「みんなと仲良くするため、強くなりたい」風変わりな祖父・侠太郎の薫陶をうけ、元気いっぱいの“やんちゃ”に育った少年・剛拳児。持ち前の正義感と祖父直伝の『頂肘』がうなる時、さわやかな風が舞う。拳児、強し!!