3巻から一気に引き込まれた
1巻を読んだ時点では、良い漫画だとは思いつつも、深刻な心の悩み(特に自殺願望、リストカットの心理とか)にそこまで共感できず、しんどすぎてもう続きを読むことはないかなと思ってたところ、作者さんの最近のツイート(https://twitter.com/mizutanimidori/status/1603767672566530048 )「暴力を振るう男性が何を考えてるか」を目にして、この回のテーマが刺さりすぎて衝動的に一気に完結まで揃えて読んだ。3巻は「男の生きづらさ」がテーマなのだが、自分も男性である以上、まったく他人事とは思えない内容だった。 https://manba.co.jp/boards/106869/books/3 そして精神医療の世界は決して”向こう側”の話ではなく、想像していたよりも地続きの問題であり、深刻でないにしても、メンタルや依存症問題に興味があれば、読んで非常に勉強になることが多かった。男性の加害問題だけでなく、5巻では女性側のパワハラ・DV加害も取り上げられていて、こちらも「なぜ人に怒るのか」というプロセスが明確に説明されており、今まで感じていたモヤモヤが晴れたような気持ちになった。 その他にも語りきれないほど多種多様なテーマが盛り込まれている「心のプロ」を仕事とする人々描いた作品。 この先も、心が不安定になることがあったら読み返したい。
コミックエッセイのイメージがある作家さんですが、ご自身の経験を踏まえての新連載がスタートしました。
身内の不幸と多忙な仕事で心が壊れそうになり「いつもの自分」ではいられなくなったことをきっかけに、心の病とは何なのかを知るため精神科のナースになった女性、夜野さんが主人公です。
心の病と言われると、言動が支離滅裂だったり自傷癖があったり…というのを想像しますが、実際のところは誰にでも起こり得る心の疾患で、他人からは理解されにくく、自分自身も気づきにくい病気です。
第一話では、統合失調症の一人暮らしの50代男性が部屋に虫が出ると精神科に電話をしてくるところから始まり、実際は幻覚を見ているだけなのに、虫駆除業者として部屋を掃除をする(ほとんどエア掃除)ことで少しずつ症状が改善するという話でした。
同僚ナースの中には「そこまでする必要ない」という人もいます。
そして今回と同じ方法が違う人にも効果があるかというとそうではない。けっこう行きあたりばったりなところがあるんだなと思いました。
夜野さんの先輩ナースは「まずは患者さんの世界を受け入れることがスタート」と言います。
肺が悪い男性が通う病院の医者は、患者の目を見て話しません。
夜野さんは新人の自分がまずできることは「その人の話を聞くこと」だと考えます。
夜野さんの「精神科の好きなところは?」という問いに対しての先輩ナースの返答がぐっと来ました。