この漫画はもともと原作小説があり、
映画化されると同時期に漫画化された模様。

料理を扱った物語には料理に関して想い出が
重要な意味を持つという作品が多いように思う。
「想い出に勝る調味料はない」
「料理はレシピ通りに作れば出来る、
 というだけのものではない」
みたいな。
この漫画には「人生最期の想い出を提供する」という
凄腕料理人が登場してくる。
なのでこの作品もまた、想い出の味を再現することで
忘れていた記憶が蘇って、みたいな話かと思って読んだ。
予想と違って、味わってどうなった、とかよりも
レシピの存在とそれの探索が、思わぬ歴史の裏側へと
主人公を案内していくような感じの漫画だった。
単純に言えば、調理したり味わったりのシーンが
予想よりはるかに少なかった。
ラストレシピを廻る謎解き過程でじょじょに見えてきた
国や人の歴史的な運命は数奇で、ラストには感動した。
だが私的には、この漫画は果たして
「料理漫画といえるだろうか」という疑問も感じた。
主人公が絶対食感を持つ料理人だったからこその
ストーリーと結末にはなっている。
レシピは記録であり解説書であるがそれだけではない。
それが全てで真実ではない、
レシピにもそして人生にも表も裏も蔭もある。
そういったメッセージも感じた。
そうであるなら、別に、料理漫画といえるかどうかは
瑣末な事でしかないとも言える。
そもそもこの作品は「これは料理漫画です」と
銘打っているわけでもないのだし。
だが、なんだか勿体無く感じた。

奇しくも漫画の中で主人公が
「味が・・ぼけている?・・なぜ・・」
と煩悶するシーンがある。
それは重要な意味を持つシーンなのだが、
私は別の意味で味がボケているような印象を
この漫画から感じてしまった。
美味しいのだけれど、ちょっともどかしさも残った、
みたいな。

また、原作小説や映画のほうは、
そのへんをどう描いているのかが気になった。
多分そのうちに映画も観てみると思う。

漫画を読んだあとに映画を見た。
ワリとストーリーが違っていて、どちらも面白かった。
原作小説を読んでいないので、
漫画と映画、どちらが原作小説に沿った
ストーリーなのかは解らない。
もしかしたらどちらも小説とストーリーが
違うのかもしれないし。
基本線は「料理は人を幸せにするためのもの」
ということだろうとは思うが。
私の個人的な感想では、映画のほうが好みだった。
だがそれは漫画がつまらないということではないし、
漫画を読んでいたことで(ネタバレ的に)
映画の面白さが損なわれることも無かった。
例えて言うなら、焼き魚と煮魚の違いはあっても
どちらもちゃんと魚の味わいがして美味しかった、
少しだけ漫画は味がぼけている感じがした、というところか。
そういう意味でも、小説、漫画、映画、
どれかを読んだ方、いずれかを読んだ方には
是非、他の作品も見ることをオススメしたい。
同じ食材でもレシピで味わいは変わる。
同じ食材と同じレシピでも料理人次第で味わいは変わる。
私も次は小説を味わってみるつもりだ。

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