ボクシングが俺を変える――。27歳、崖っぷち拳闘録!!ジミ・ヘンのように、ジャニスのように。一瞬でもいい、輝いてやらぁ!!偉大なロックスターが死に急いだ27歳という“節目”。Rockに生きるダメ男=岩巻力太郎(ロックンロール・リッキー)は、「減量できたらメジャーデビュー(かも?)」という最後のチャンスに食らいつき、ボクシングという《運命》に出会うのだが――!!
ロックンロールな生き方をするんだ、
という言葉を言い訳にして
崖ッブチな年齢になるまで色々なことから逃げてきた、
自称・ロックンローラーのフリーター、
岩巻力太郎・27歳。
何も背負わず、何も決断をせず、
物事を先送りするだけの27年だった。
だが姉夫婦が突然に事故死?したために
5歳の甥っ子の人生を背負うことを決心する。
生活のため、甥っ子・青空を食わせるために
好きでもないのに27歳にして、
やるはめになったのがボクシング。
学校の体育の授業で5段階評価で常に3だった男が。
練習したり罵倒したり試合したり殴りあったりしながら、
ボクシングが本当に好きだからとか、
ボクシングがあったから生きてこれたとか、
ボクシングしかないからやっているとか、
そんなジム仲間や対戦相手の様々な人生に触れて、
力太郎の生活もボクシング感も徐々に変わっていく。
そんな力太郎の前に現れた天才ボクサー・朝比奈。
こいつは、もしかしたら青空の母である姉を
殺した男かもしれない。
純粋な動機でボクシングを始めたわけではない男が
愛憎の念が入り乱れた気持ちを抱きながら
タイトルマッチに挑む。
ロックンロールな人生が幸せだとは限らない。
むしろロックンロールな生き方は結果論として、
喜劇か悲劇にしかならないのではないか?
普通の日常にこそ幸せがあり、
ロックンロール・スピリッツやプロボクシングは
幸せとは無縁なのではないか?
だが力太郎はリングに上がりゴングは鳴る。
渡辺潤先生と言えばヤクザ漫画の名作
「代紋TAKE2」の作者だし、
殴るシーンを書くのはお手のもの(笑)。
けれど暴力としての殴り合いと、
ボクシングとしての殴り合いは
違うところはあるだろうし、
うまく漫画で描けるのだろうかと
思っていたが、凄く上手かった。
ボクシングテクニックの知識や解釈も
豊富みたいだし、それを漫画として
魅せる画力など、いずれも良いと感じた。
自分はボクシングには素人なので、
素人としての感想だけれど。
そして「代紋TAKE2」と同じように
シリアスなシーンのなかに適度に
笑えるシーンを挿入するのがやはり上手い。
それで白けたりすることがないので、
テンションを維持しながら読み疲れることなく
最期まで楽しんで読めた。
ボクシングが俺を変える――。27歳、崖っぷち拳闘録!!ジミ・ヘンのように、ジャニスのように。一瞬でもいい、輝いてやらぁ!!偉大なロックスターが死に急いだ27歳という“節目”。Rockに生きるダメ男=岩巻力太郎(ロックンロール・リッキー)は、「減量できたらメジャーデビュー(かも?)」という最後のチャンスに食らいつき、ボクシングという《運命》に出会うのだが――!!