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下巻まで読み終えたとき、上巻の序盤を読み直してみて、作者の母・トシ子さんがどれほど痩せたかに驚きました。
「骨折を機に徐々に細っていき、ヒゲが伸びる」という描写に、自分の祖母もそうだったな…と深く共感しました。
また読み進めるごとに、「これ以上痩せられないだろ」という想像を超えてやせ細っていくトシ子さんの姿を、可愛らしいデフォルメを残したまま各段階を描写しきったところが素晴らしいと思います。
作中で印象的だったのが、車椅子に乗った女学生の姿で若い施設のスタッフさんを探すトシ子さんと、怒りっぽくなったトシ子さんのことを「好きだ」という夫・あきおさんの言葉。
…思わず目にこみ上げてきました。
作中でも述べられていますが、母の介護だけでも大変なのに、「遠距、怒りやすく偏屈な父、ケアマネさんは新人」というのが作者の家の『介護』なのです。
マンガを通して人の家の事情を知ったことで、すこしは介護というものをより多面的に把握できるようになった気がします。
Kindle Unlimitedで上下巻読めるので是非。
誰もが不安を抱える「親の介護」――。ふいな事故がきっかけで母親の脚が不自由になり、突然「不安」が「現実」になった時、すべて母任せで何もできない父と、遠く離れて暮らす子供たち、そんな家族に何ができるのか!? 『不妊治療、やめました。~ふたり暮らしを決めた日~』で、不妊治療を通して“夫婦の絆”を描き大きな反響をえた著者が、今度は右も左もわからず始まった母親の介護を通して、“家族の絆”と“夫婦のあり方”を描いた、大注目コミックエッセイ・上巻!!
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