推理とバトルの融合漫画
悲惨な生い立ちからボクシングに生きる道を見い出した主人公・リクを描いた快作『リクドウ』の著者・松原先生が作画の本作。 前作『黒鉄のヴァルハリアン』もそうだが、とにかくアクションシーンの躍動感が魅力的な著者だけに、最初推理漫画との相性はどうなんだろうと思っていたが、これがなかなかどうして良かった。 シャーロック・ホームズという、この手の題材では誰もが知っているような探偵が出てくるところもわかりやすく魅力があって良い。 (イケメンだがクセがあるのもポイント) 主人公は、ホームズの子飼いとして働く浮浪児で、推理でパシッと解決するよりは、時に泥臭く走り回ったり、時に裏社会の人間に対して危険な役回りを押し付けられたりして、推理とバトルの融合が見事だった。 推理面は、どんな少ない情報からでも真実にたどりつくホームズの頭脳が際立ち、バトルシーンはスピード感あふれる展開が圧巻な本作。 ただのバトル漫画、ただの推理漫画だけでは物足りない方はぜひおすすめします。
好き好き大好き超愛してるって表現は、言い得て妙。カギューちゃんはまさにそんな感じですよね。コマの空白と画風の着眼点も素晴らしい。いいクチコミで読み返したくなりました。
ここで描かれてないところだと、設定の小ネタとかもいいなぁと思っていました。
例えば、名前ネタ。葱沢鴨は、故事の「鴨が葱を背負ってやってくる」。カギューちゃんは蝸牛とわかりやすいですが、理事長の二千恵もストーリを追ってくと「ニーチェ」から付けられている事がわかる。そうすると『ねじまきカギュー』が「ニヒリズムvs愛」の物語という全体の構造が見えてくる。そこにご指摘していた「コマの空白使いや画風」の力が加わるから、もう最高だなぁと。
哲学者から名前をとってるところは、芸術家から名前をとっていた『トラウマイスタ』にも通ずるところがありますよね