あらすじ

『新理事長・葱沢鴨』誕生!!!鉤生の前から突如、姿を消し、怪物学園の新たなトップとして君臨したカモ。『さよならだ。』その言葉が深く重くカギューに圧し掛かる。しかし、カギューは誓う。『ぜったいあきらめないっ』頑固vs頑固!信念vs信念!!愛vs愛!!!愛しているから別れよう。愛しているから別れない!最強最硬の『愛』を持つ二人が激突し!!?死ぬほど愛して、愛された…螺旋巻く二人の純愛活劇答え合わせの最終巻。
ねじまきカギュー(1)

怪物的女子に好かれる究極の女難体質新米高校教師の葱沢鴨。そんな彼の前に突如、鉤生十兵衛という拳法家が現れ――「先生を譲る」と宣言!!!!!!!!次々と襲い(?)来る怪物的女子達と鉤生との死闘の行方は!!?輝才で鬼才の中山敦支が“バトル×純愛×個性的キャラ”を最驚の表現で抉り出す!!!

ねじまきカギュー(2)

「先生のお嫁さんにしてください」突如、新米高校教師・葱沢鴨のもとへ現れた拳法少女・鉤生十兵衛。先生への想いを隠さないド直球な純愛に…学園の番人・風紀四天王が「不純異性交遊禁止」を突きつける!!絶対個性主義を標榜する巨大私立学園で激突する愛vs規律。私闘につぐ死闘…その行方は!!!!!!!?

ねじまきカギュー(3)

愛vs風紀!本能vs理性!!風紀四天王との戦い激化!!!鴨先生を愛する拳法美少女・鉤生と風紀委員長・紫乃を愛するフェンシングの達人・織筆。死闘を制するのは…!?そして、風紀委員編最終局面へ突入!ついに、学園の首魁・理事長が動き出す…。蠱毒の学園で潰しあう個性と個性一途な漢女の純愛パワァ超炸裂ッ!!!!!!!

ねじまきカギュー(4)

拳法美少女・鉤生と鋼鉄の心を持つ風紀委員長・紫乃との激闘決着!!崩壊した個性の先に、見えた素顔とは!?そして、物語は新展開へ―。地味で可憐な少女・窈に秘められたある秘密とは…?更に、個性的美少女達が暴発する夏ライフ海編も収録!!オマケ漫画も充実!盛り過ぎッ!!ハード&キュートな前のめり第4巻!!!!!!!

ねじまきカギュー(5)

一蹴!巨大怪物学園のならず者三姉妹を瞬殺した美脚の拳法使いマブルゥ。なんと、彼女は鉤生の実の姉だった!!彼女の異常な家族愛に基づく来日の目的とは!!?そして…生徒の生徒による生徒のための自治組織「生徒会」が登場。学園の蠱毒計画が胎動し始める…。「恋愛」vs「家族愛」vs「生徒愛」三つ巴のバトル勃発に、男の娘・窈の初恋の行方と、愛の螺旋が渦巻く…超展開生き急ぎッ第5巻!!!!!!!

ねじまきカギュー(6)

実姉にして異常な家族愛を持つマブルゥに自らの愛を認めさせるためカギューは修行場に入る。一方、巨大怪物学園では、絶対生徒愛を標榜し、絶大な権力を有する生徒会が暗躍し始める…。そして、かつての風紀委員長・紫乃と鴨に生徒会総務・第一席・安吉良と第二席・ラム・ピリカが襲い掛かる!?激動する学園の勢力図…。元風紀委員vs生徒会vsマブルゥvsカギュー一派による四つ巴の戦いが始まる!!!二転三転!四転五転!!グルグル螺旋巻く純愛バトルコミック第6巻!!!!!!

ねじまきカギュー(7)

真の姿を晒し生徒会の前に姿を現した窈…その目的とは?一方、紫乃への想いを胸に秘め、復讐心に燃える織筆は生徒会へ宣戦布告!!迎え撃つ生徒会の陰謀により巨大怪物学園全校が注目する戦争へと発展する。カギューは間に合うのか?神出鬼没のマブルゥの参戦は!?闘う漢女は美しい!激愛闘争コミック第7巻!!!!!!

ねじまきカギュー(8)

“公開処刑”を表明し、追撃する生徒会!!逃走する鴨に、窈は、『鉤生が好きだ』と告白する。ヨウの悲痛な想いに対する、カモの返答とは!?一方、交戦中の富江・朱羽vs走・小鹿…決着!?それぞれが闘う理由とは!!そして、ついに暴虐の生徒会長・衿沙、降臨。マブルゥの参戦と共に、戦局は更なる泥沼へ…!!!!刻一刻と迫り来る最悪の舞台!果たして、カギューは間に合うのか!!?必至に決死ッ!!真っ直ぐ歪む螺旋巻LOVE物語・第8巻!!!!!!

ねじまきカギュー(9)

『ヒーローは遅れてやってくる』その言葉通り、ついに鉤生が到着。暴走する生徒会による残酷なヒーローショーは、いよいよ佳境へ。到着したカギューに立ちはだかるは…“凶刃を持った盾”こと生徒会副会長・後上姉妹!そして、独裁カリスマ生徒会長・衿沙!!巨大怪物学園の黒幕・理事長も乱入し大公開式理事長御前死合へ!!!!!死合の結末は、公開処刑か!?公開英雄活劇か!!?展開廻転!大廻転ッ!!螺旋れて刺さるLOVE物語・第9巻!!!!

ねじまきカギュー(10)

鉤生vs衿沙!マブルゥvs愛莉洲!!鴨vs二千恵理事長!!!激突する三者三様・主義主張!!!!そして、生徒会編終焉へ…最後に笑うのは!?心突き刺す衿沙の過去とついに明かされた理事長の真の目的も収録。恋愛、変愛、純愛、慈愛…愛が渦巻くハイテンションバトルロイヤル・第10巻!!!!!!!

ねじまきカギュー(11)

残酷。打ち砕かれた“家族愛”。悲劇の生徒会長・衿沙に対し、絶対生徒愛を貫く鴨先生のとった行動とは?vs生徒会編・クライマックス!!!そして、激闘の後遺症か…巨大怪物学園に生まれた空白を埋めるべく、新たな政治闘争勃発・学園選挙編スタート!!!拳法美少女・鉤生の恋の行方は…いつもいつでも波瀾万丈!疾風怒濤!!恋する漢女の素手喧嘩コミック第11巻!!!!!!!

ねじまきカギュー(12)

「愛を教えて殺る…!!」エリザの心を殺した…理事長に、自分自身に怒り、そう誓った鴨先生のもとへ現れたのは…森先生。ついに動いた実力未知数の妖艶美人教諭。敵か味方か?強者か否か?一方、熾烈な生徒会長選挙もいよいよ佳境!投票、そして開票が始まる!!巨大怪物学園のトップは、元風紀委員長、最凶の姉、無個性の象徴、個性の傑物、果たして!!?転廻!廻転ッ!!逆廻転ッッ!!!貴方の螺旋巻くLOVE活劇・第12巻!!!!!!!

ねじまきカギュー(13)

鴨先生の先生。元生徒会長・衿沙の母にして、理事長・二千恵の妻・風蘭。彼女に逢いに、鉤生達が向ったのは、二千恵家が頂点に君臨する離島。その島に隠された猟奇的な秘密とは…!?のっけから待ち受ける衝撃的襲撃ッ!!其の時、カギューの拳にも迷いが生じる。毎巻DEADORALIVE!!!愛の剥き出し素手喧嘩コミック・第13巻!!!!!!!

ねじまきカギュー(14)

完全復活ッ!!!!!!!!!!かつての最強の敵…暴虐の元生徒会長・二千恵衿沙。心を殺されていた彼女を生還させたのは鴨先生の決意と愛だった。一方、敗れた鉤生の心の中にはある変化が訪れていた…。生まれたての感情に飲み込まれるカギューの復活はあるのか!?この島に渦巻くは、愛と憎悪と喜怒哀楽!!!!感情暴走爆発必死の第14巻!!!!!!!

ねじまきカギュー(15)

感情実験島編・最終ROUND!激突!螺旋巻喰いの『ZZ拳』。一度破れた宿敵に鉤生は勝てるのかッ!?感情実験完成体ガガリvs愛が螺旋巻くカギュー!『闘るか殺られるか』その死闘の行方は…?そして、愛無き怪物・二千恵理事長へ鴨先生が最期の授業へ!!『愛を教えて殺る』ことは出来るのか!!?カモの出した答えとは?捻じれに捻じれた物語。螺旋れに螺旋れて解き放つ!超絶パワーの第15巻!!!!!

ねじまきカギュー(16)

『新理事長・葱沢鴨』誕生!!!鉤生の前から突如、姿を消し、怪物学園の新たなトップとして君臨したカモ。『さよならだ。』その言葉が深く重くカギューに圧し掛かる。しかし、カギューは誓う。『ぜったいあきらめないっ』頑固vs頑固!信念vs信念!!愛vs愛!!!愛しているから別れよう。愛しているから別れない!最強最硬の『愛』を持つ二人が激突し!!?死ぬほど愛して、愛された…螺旋巻く二人の純愛活劇答え合わせの最終巻。

ねじまきカギュー

好き好き大好き超愛してる。

ねじまきカギュー 中山敦支
ぱにゃにゃんだー

とは舞城王太郎の小説のタイトルですが、カギューちゃんのカモ先生への愛情はまさにこんな感じだなと思う次第であります。あらすじには「“バトル×純愛×個性的キャラ”を最驚の表現で抉り出す!!!」と書かれていて、おおよそここから予想できる通りの内容で、だいたい想定外の作品になっています。なので、期待した通りの面白さは得られますし、期待を裏切られる楽しさも得られます。だから、読んでなかったら読むのをお勧めします。 ねじまきカギューあるいは中山敦支という作家が好きなところは主に二つあります。一つ目は行間の使い方です。 言うまでもないことですが、一コマ一コマの枠線の外側には、小説では行間と言いますが、何もない空白がありますよね。彼はその空白の使い方が上手です。 この空白は漫画という表現の特殊性のひとつだと思いますが、考えてみれば不思議な存在です。見栄えとしては連続性が絶たれているのに、読むという行為によって自然と補完され、損なわれることがありません。きっと、一つのコマの意味を理解し、それまでの流れを汲み取り、行間という空白では描かれていない何かを補完することで、間隙の表現形態である漫画の読書体験が成立するのでしょう。 つまるところ、漫画を読むとはコマとコマの間に存在する空白を埋めつつ読書すること。しかし、中山敦支という漫画家は、それまでのコマが指し示した方向に沿って読者が埋めた空白をぶち壊して、全く未知の展開を次のコマでいきなりぶん投げてくるわけです。下手な例えで恐縮ですが、愛し合う二人が感動の再会を遂げた次のページで、出刃とドスで相手の腹を刺しあっている、みたいな。漫画家と読者の間のお約束的な予定調和を次々と破壊していく。それでいて物語の大筋は崩さず、むしろ深度を増していく手段としています。 漫画を描いたことがないわたしがいうのもなんですが、きっと漫画を描き始めたとき、このコマとコマの間の意味的距離感に戸惑うと思います。離し過ぎては伝わらないし、近過ぎては冗長になる。しかし、中山敦支は適度に伝えた上で裏切る。間隙の美とは(わたしが今思いついたのでこんなものがあるのかは不明ですが)、彼に与えるべき賛辞だと思うわけです。 さて、中山敦支の好きな二つ目。これはもっとシンプルで作画力です。美術的なことに明るくないのでわかりませんが、ねじまきカギューはポップな感じの絵柄でキャラクターが描かれています。パワーパフガールズをもうちょっと日本風に味付けし直した感じ。原宿っぽい気もする(よくわからないけど)。ですが、彼自身はおそらく割と正統派な漫画キャラも描けるし、あるいはもっと荒々しくも描けるはずです。全体的には和製パワーパフ(としておきましょう)ですが、要所要所ではそのスタイルも崩して多様な描かれ方がします。感心したのがキュビズム的なのも取り入れられていて、すごいなぁと思ったわけです。そういう意味でも見ていて飽きない作画力のある漫画家だと思います。 あとですね、雑誌派の方もいるとは思いますが、単行本の描き下ろしオマケ漫画でほっと胸をなでおろすことができるので、まぁこれを機に雑誌派も読んでもらえると嬉しいかな。 またもや、長々と書いてしまいましたが、ねじまきカギューは絶対個性主義(キャライズム)を校訓とする学園を舞台としております。そして、物語はトラウマイサーへと続くわけです。ぜひこちらも。