同年代に刺さる設定とキャラクター
主人公、29歳、モブ顔、彼氏なし。何者にもなれない。 カモられて舞台のチケットを買わされ、演劇鑑賞。 ささる〜〜〜〜〜〜〜!!!! 日陰の世界から日向の世界へ! 自然と応援したくなる! 作中で美人な妹が出てくるんですが、口は悪くとも心の中では慕ってるところがすごく好感持てます。 あれがやりたい、これがやりたい!を止めることは誰もできない! 年齢も性別も実は関係ない! そう思い出させてくれる漫画、間違いなし。
史上最弱モブ子登場!! ペンギンは一生空を飛べない。セミは一生チョウにはなれない。高橋かすみは一生夢をかなえられない……? ぼっち… 陰キャ… ネクラ… 彼氏いない歴=年齢…… 地味を絵に描いたような生活を送るOL・高橋さん。30歳の誕生日に人生ではじめて演劇を観劇…… そして、感激!! 心の中に芽生えたモヤモヤを人生を賭けて吹き飛ばす!! 遅れてきた青春の舞台に、高橋さんは立つことができるのか!?
1巻にして傑作の匂いがプンプンする!
生まれてこの方ずっと日陰を歩んできたような地味な女性が、30歳の誕生日に芝居のチケットを買わされ初めて観劇したことで、舞台上のキラキラ華やいだ世界に想いを馳せ、人生に光が差し始める。
「まぶしい・・・。 私も・・・私も、舞台に立ちたい! 私も、キラキラしたい!」
出てくるキャラクターが全員一面的でなく、ほどよく癖があって場面によっては良くも働き、ときとして悪くも映る。
かわいくて派手で嫌味なようで、実は素直でとても姉想いの妹。
娘の幸せを願ういい親であるようで、偏見まみれで視野狭窄的かつ前時代的な母。
他人を見た目で判断し、下に見ることで安心を得ようとする職場の同僚たち。
おじさんになるまで芝居の夢を追い続け、他人の心にズカズカ踏み込む押しが強い売れない舞台俳優。
絶世のかわいさでちやほやされ、地味なものに何の価値も感じなかった人気女優。
ただ悪いだけの人は登場しないし、同じように全くの善人もいない。
世の中、はっきり白黒つけられることの方が少ない。
とにかく人をすごくよく見て描かれているなと思わされる。
30歳にして初めて一歩踏み出し、ゆるやかに青春が始まっていく様がたまらなくワクワクするし、まだ何者にも染まっていないピュアすぎる主人公に「頑張れー」ってエールを送りたくなる。
一話のラストなんて最高だ。
ストーリーの進行具合にもよるだろうけど、すぐにでもドラマ化してもおかしくなさそう。
描写力がずば抜けて良くて、デフォルメされたかわいい絵でも感情がしっかり伝わってくるから、心の声がほとんどないにも関わらず何を考えているか手に取るように分かる。
ビッグコミックオリジナル2018年第17号に載っていた同作者の読切「特別読切『初恋』」も素晴らしかった。
早く2巻出てくれないかなー!