空想-イマジナリー-も入り交じる色鮮やかな群像劇 #1巻応援
大学生の佑は幼馴染の真依香のことが昔から好きでしたが、彼女は大学進学を機に地元を離れていたため昔ほど頻繁に会わなくなっていました。 この作品はそんな2人の関係を描きつつ、2人それぞれの交友関係にもスポットライトを当て、群像劇のような形で進んでいく物語です。 真依香が地元を離れたと言っても彼女が住んでいるのは佑の家から車で行ける距離の場所。 この絶妙な距離感を前に、佑は真依香とより親密になる方法をはないかと思い悩み、一方の真依香のほうも佑のことは意識しつつも自意識が邪魔をして素直になれずにいる、そんなもどかしい様子が描かれています。 また、佑が「過去に行けるなら真依香にツンケンした態度を取っていた自分を窘めたい」と後悔したり、真依香が1人電車に乗っているときに風景を見て何気ない妄想をしたりといった、登場人物の"空想"があたかも現実の世界にも広がっているような形で描かれていて、何気ない日常を描いているのにどこかファンタジーのような雰囲気もある、不思議な空気感の作品です。 1巻まで読了
僕は旅行をする時、観光名所を周るよりはその土地の人の普段の暮らしを体験したいと思う。日常の延長上にあって、ちょっと逸脱した気分を味わいたい。前々からしっかり予定を組むんじゃなくて、ふらっと週末あるいは平日に行けてしまうような…。そんな欲望に応えてくれる作品。
大阪名古屋から東京に帰る途中、静岡あたりで寄り道したくなる気持ちとか、めちゃくちゃ分かる。