お好み焼きが食べたくなりました
いきなりのSF展開?大きな手が平太郎を握って異世界へ?!一つ目の子どもが出てきたり主人公たちの幻想なのか想像を掻き立てられます。冒頭のごんちゃんは何に怒っていたのか。「うちのこと…」の先はなんていうつもりだったのか展開がわからず試し読み終了。続きが見たい!
平太郎は16歳。高校へは行かずに、お好み焼き店を営んでいる。夏のある日から、平太郎の身の周りで様々な怪異が起こりはじめた。なにかの祟りのようだが、はっきりとはわからない。そういえばこの間、触れてはいけないものに触れてしまった気がする。周りの人は心配するけど、本人はどこ吹く風である。平太郎に怖いものはない。でも、本当にそうなのだろうか…… 現在の広島県三次市に実在した若き藩士・稲生平太郎が、実際の出来事として語り継いだ妖怪実見譚『三次実録物語』を基に描く、多種多様な妖怪たちと、恐怖に強い耐性を持つ主人公・平太郎の物語。
スケラッコ先生の新作。
実在したとされるたくさんの怪異に遭う侍の話が現代版にされてすごくゆるくかわいくなっている。
広島でお好み焼き屋を営む16歳の平太郎の元に、ある日から妖怪たちが現れ始める。
何をするというわけでもなく、驚かせようとしたり、お店の邪魔をしたり。
その怪異、妖怪を流しながら近所の人や彼女、家族との生活を1日ごとに淡々と描いていく。
この淡々と、というのがみそで、恐怖心というものをあまり感じない平太郎は逆に執着みたいなものが無いように描かれるので、人間同士の関係性においてもどこか距離を感じてしまうのだ。
恐怖を感じる源ってやっぱり執着だよね、と思う。
何かを失うのが怖かったり、嫌われるのが嫌だったり、固定観念を壊されるのが怖い人もいると思う。
僕はお腹がすくのが怖いからご飯をできるだけお腹空いてなくても3食ちゃんと食べようとする。
それらは今まで自分が得てきたものへの執着からなんだろうなと思うんだけども、平太郎にはそれがない、ように見える。
日を重ねていくことで平太郎の中に何か芽生えるものがあるのかないのか。
執着を自覚できるのかどうか。あのかわいい彼女のことは。
後編が楽しみです。