たたみ1年以上前編集水、という素材は、料理マンガにもときどき出てくる要素ではあった。 ただそれは、あくまで副菜的ポジションであり、決してメインディッシュにはならない。 しかし、この巻では『水料理』という縛りで勝負が始まるのだ。 水という掴みどころのない素材をどのように活かすか……そこにキャラの特性が如実に現れる。 ライバルは『秀才型』で審査員をうならせ、対する主人公ジャンは破天荒な発想でそれを打ち破る。 少年漫画的お約束と言ってしまえばそれまでだが、完璧と思われたライバルの料理を、意外な素材で上回るという展開は痛快だ。 (ここからネタバレ) 勝負の序盤、外国産など各種ミネラルウォーターをずらりとならべ、硬水や軟水などの性質の違いを丁寧に解説してくれる、水ソムリエ的なライバル。 そこで読者は「美味しい料理には高級な水が必要」と刷り込まれる。 しかしジャンは、最高の料理をつくっておきながら、最後に使った水のことを「ただの水道水」と言ってのけるのだ。 「日本の水道水はすばらしい」というオチに、共感できない日本人読者はまずいないだろう。 ひとつ残念な点は、軟水硬水の区分を『ドイツ硬度』というおおざっぱな基準によって解説している部分だ。 あれは繊細な料理人にふさわしくない。 少なくともアメリカ硬度、WHOの飲料水水質ガイドラインを紹介して欲しかった。 そして日本の水道水であっても、一律軟水というわけではなく地域差がある。 季節による変動も大きい。 その数値は、地域の水道局によって検査測定がされている。 ジャンには『今日の○○地区の水道水は硬度いくつだから、この料理にふさわしかった」くらいの台詞を告げて欲しかったが、たぶん怪我をしていたため頭が回らなかっただけであろう……。1わかるfavoriteわかるreply返信report通報
水、という素材は、料理マンガにもときどき出てくる要素ではあった。
ただそれは、あくまで副菜的ポジションであり、決してメインディッシュにはならない。
しかし、この巻では『水料理』という縛りで勝負が始まるのだ。
水という掴みどころのない素材をどのように活かすか……そこにキャラの特性が如実に現れる。
ライバルは『秀才型』で審査員をうならせ、対する主人公ジャンは破天荒な発想でそれを打ち破る。
少年漫画的お約束と言ってしまえばそれまでだが、完璧と思われたライバルの料理を、意外な素材で上回るという展開は痛快だ。
(ここからネタバレ)
勝負の序盤、外国産など各種ミネラルウォーターをずらりとならべ、硬水や軟水などの性質の違いを丁寧に解説してくれる、水ソムリエ的なライバル。
そこで読者は「美味しい料理には高級な水が必要」と刷り込まれる。
しかしジャンは、最高の料理をつくっておきながら、最後に使った水のことを「ただの水道水」と言ってのけるのだ。
「日本の水道水はすばらしい」というオチに、共感できない日本人読者はまずいないだろう。
ひとつ残念な点は、軟水硬水の区分を『ドイツ硬度』というおおざっぱな基準によって解説している部分だ。
あれは繊細な料理人にふさわしくない。
少なくともアメリカ硬度、WHOの飲料水水質ガイドラインを紹介して欲しかった。
そして日本の水道水であっても、一律軟水というわけではなく地域差がある。
季節による変動も大きい。
その数値は、地域の水道局によって検査測定がされている。
ジャンには『今日の○○地区の水道水は硬度いくつだから、この料理にふさわしかった」くらいの台詞を告げて欲しかったが、たぶん怪我をしていたため頭が回らなかっただけであろう……。