知っているか 月光(あれ)はきざはしなのだ 会社を辞め、彼女ともギスギスしていた連太郎の前に現れたのは、なんとも偉そうなお猫様!?
住宅地のど真ん中にあるウチの畑に2匹のかわいい子ねこが現れた! うす茶色のキジトラは「ちゃっぴー」、黒っぽい子は「くろぴー」と名づけて、私の畑ねこライフが始まりました。雨の日も風の日も仲よく2匹でエサをもらいに畑にやってくる。2匹のためにダンボールのおうちを作ってあげたけど、台風でダンボールは吹っ飛んじゃった! ちゃっぴーは虫とたわむれ、そんなちゃっぴーにくろぴーはじゃれまくり、私は花を撮るフリをして2匹をこっそり激写する。だんだん2匹も私に慣れてきて、畑の物置きをすみかにするようになりました。ところが冬のある日、ちゃっぴーが姿を消して…。
ウチのトイプードル・マロンには大きな問題があるの! それは、ママや私にはおとなしくて従順なのに、なぜかパパにだけは強烈な敵意を抱いていること! ここ掘れワンワン!ってパパに吠えて、なんにもないところをムダに穴掘りさせたり、パパがタバコを吸うためにベランダにでるとジャンプして内側からカギをかけたり…。さらに最近は狂暴さも増してきて、じゃれるフリをして口をふさごうとしたり、背中にのってマッサージするフリをして危険な秘孔をつこうとしたり…! マロンのヒドさはエスカレートするいっぽうだけど、ところでパパはそのことに気がついているのかしら!?
近所のセレブ気取りの女が飼っているのは個人で輸入したという珍しい犬。散歩中の糞の始末もしない、予防接種なんてもってのほか。揚げ句の果てに「大きくなるならいらない!」なんて、ペットはおもちゃやアクセサリーじゃない!【飼い主の品格~愛とエゴの境界線~(ヨシダ有希)】。犬、猫、鶏にカメにヤギetc…隣家はさながら動物園。けれど動物を子供のように可愛がっていた奥さんが妊娠して、動物たちに手が回らなくなり…。【お隣はプチ動物園?~多頭飼育崩壊の中の天使~(秋山紅葉)】。付き合っているオトコのためにトイプードルを飼っている女。ロングリードにハイヒール、くわえ煙草で散歩。危ないったらありゃしない!【非情識な女~愛犬ネグレクト~(清水さゆり)】。人とペットが幸せに暮らすための最低限のルールも守れない迷惑飼い主に喝を入れるオムニバス3選を収録。※本作は描きおろし作品及び「家庭サスペンス」等に掲載されていた作品を電子配信用に再編集したものです。
『梅酒』、『仮寓のペレルマン』などの幸田真希さんによる、4年ぶりの商業単行本です。 内容としては、「音のない午後」、「ビアンカ」、そして表題作である「猫爪月ののぼるころ」の3作を収録した短編集となっています(本当はアナログで描いた作品も収録される予定だったもののコロナ禍の影響でこの形になったそうです)。 収録された各ストーリーはテイストもそれぞれ違いますが、共通して画風が生み出す透明感のある世界に浸る気持ちよさを存分に堪能することができます。 その中でもやはり表題作「猫爪月ののぼるころ」は特に秀逸な1作で、このお話が最後にあることで読んで本を閉じた時の幸福感を噛み締められます。 派手さはなくともしみじみ感じ入るタイプのお話が好きな方にお勧めしたいです。 なお、12月にマグコミ掲載の短編「放課後の怪人」も良いです……と紹介しようとしたら既に公開期間が過ぎていました。またまとまって次の本が出る時にでも紹介できれば。