図書館司書の実日子は、母の再婚で年の離れた弟が出来たのが、なかなかうまく打ち解けられず・・・。表題作含め、人の感情を細やかに描いた短編を5編収録した珠玉の短編集。
知っているか 月光(あれ)はきざはしなのだ 会社を辞め、彼女ともギスギスしていた連太郎の前に現れたのは、なんとも偉そうなお猫様!?
父二人、子二人、家一軒。 妻に逃げられた会社員・春樹(はるき)。家事を妻に任せきりだった春樹は、一人息子を抱え途方に暮れていたところ、同じように幼い息子を男手ひとつで育てる鬼島(きじま)という男と出会い…。頑張るパパs二世帯同居物語。
君と僕の「関係」を、どう言葉にすればいい。 周囲と距離を置く冬馬の前に現れたのは、かつての「友達」浅人。この再会は偶然? それとも――。
所在なく夜の町に佇む少女・ゆえに声をかけたのは、ごく平凡な会社員・古畑。けれど古畑の存在はゆえの安らぎとなっていき…。俊英の贈る珠玉の短編集。
『梅酒』、『仮寓のペレルマン』などの幸田真希さんによる、4年ぶりの商業単行本です。 内容としては、「音のない午後」、「ビアンカ」、そして表題作である「猫爪月ののぼるころ」の3作を収録した短編集となっています(本当はアナログで描いた作品も収録される予定だったもののコロナ禍の影響でこの形になったそうです)。 収録された各ストーリーはテイストもそれぞれ違いますが、共通して画風が生み出す透明感のある世界に浸る気持ちよさを存分に堪能することができます。 その中でもやはり表題作「猫爪月ののぼるころ」は特に秀逸な1作で、このお話が最後にあることで読んで本を閉じた時の幸福感を噛み締められます。 派手さはなくともしみじみ感じ入るタイプのお話が好きな方にお勧めしたいです。 なお、12月にマグコミ掲載の短編「放課後の怪人」も良いです……と紹介しようとしたら既に公開期間が過ぎていました。またまとまって次の本が出る時にでも紹介できれば。
『梅酒』、『仮寓のペレルマン』などの幸田真希さんによる、4年ぶりの商業単行本です。 内容としては、「音のない午後」、「ビアンカ」、そして表題作である「猫爪月ののぼるころ」の3作を収録した短編集となっています(本当はアナログで描いた作品も収録される予定だったもののコロナ禍の影響でこの形になったそうです)。 収録された各ストーリーはテイストもそれぞれ違いますが、共通して画風が生み出す透明感のある世界に浸る気持ちよさを存分に堪能することができます。 その中でもやはり表題作「猫爪月ののぼるころ」は特に秀逸な1作で、このお話が最後にあることで読んで本を閉じた時の幸福感を噛み締められます。 派手さはなくともしみじみ感じ入るタイプのお話が好きな方にお勧めしたいです。 なお、12月にマグコミ掲載の短編「放課後の怪人」も良いです……と紹介しようとしたら既に公開期間が過ぎていました。またまとまって次の本が出る時にでも紹介できれば。