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『梅酒』、『仮寓のペレルマン』などの幸田真希さんによる、4年ぶりの商業単行本です。
内容としては、「音のない午後」、「ビアンカ」、そして表題作である「猫爪月ののぼるころ」の3作を収録した短編集となっています(本当はアナログで描いた作品も収録される予定だったもののコロナ禍の影響でこの形になったそうです)。
収録された各ストーリーはテイストもそれぞれ違いますが、共通して画風が生み出す透明感のある世界に浸る気持ちよさを存分に堪能することができます。
その中でもやはり表題作「猫爪月ののぼるころ」は特に秀逸な1作で、このお話が最後にあることで読んで本を閉じた時の幸福感を噛み締められます。
派手さはなくともしみじみ感じ入るタイプのお話が好きな方にお勧めしたいです。
なお、12月にマグコミ掲載の短編「放課後の怪人」も良いです……と紹介しようとしたら既に公開期間が過ぎていました。またまとまって次の本が出る時にでも紹介できれば。
知っているか 月光(あれ)はきざはしなのだ 会社を辞め、彼女ともギスギスしていた連太郎の前に現れたのは、なんとも偉そうなお猫様!?