社会マンガの感想・レビュー5041件<<159160161162163>>唯一無二、だなあ。俺の新選組 望月三起也(とりあえず)名無し望月三起也で一番好きな漫画、というと、どうしてもこれが思い浮かんでしまう。 キャリアの長いかたで、ぶっ飛んだ名作・傑作・異色作がたくさんありますし、なんと言っても自動拳銃の排莢を描かせたら、まったくもって誰もマネが出来ないほどカッコイイ漫画家さんですから、そりゃあ『ワイルド7』も最高に決まっているのですが(「排莢の瞬間」がカッコイイんですよ。これは映画とか他媒体では描写不能。漫画だけに、望月三起也だけに可能だった絶品のアクション描写です。鳥山明も排莢描くの上手いけど、別にカッコよくはない)、なんか、この、銃も戦車もバイクも出てこない「チャンバラ時代劇」が、すごく好きなのです。 ぞろっとした新選組の段だら模様に、ギラっと冷たく光る本身…いやあ、良いなあ、チャンバラだなあ! 巻数も5巻で長くないですし(いや、打ち切りなんですけどね)、癌で余命宣告された時、「『新撰組』のつづきを描く!」と宣言なさっていたくらいですから、ご本人としても思いの強い作品だったのだと思います。(その望みが果たされることは、残念ながらありませんでしたが) 唯一無二の望月ワールドを堪能するのに、実に好適な名作ですよ。 もしそれで気に入ったら、そこから先は、『ワイルド』でも『JA』でも『JJ』でもヨーロッパ戦線物でも『ジャパッシュ』でも、なんでもドンドンいっちゃいましょう!人はなぜ漫画家になるのか旧約聖書 創世記編 笹野洋子 ロバート・クラム(とりあえず)名無しロバート・クラムの漫画のことを初めて知ったのは、寺山修司の文章だった。 いや、正確に言うと、寺山の文章を読んだ時には、それがクラムだとは分かっていない。 寺山は、「オランダから出ている地下新聞「SUCK」にのった「JOE BLOW」という漫画」として、作者名も記さずそのストーリーを書いていて(「サザエさんの性生活」)、それが記憶に残っており、後に原書のクラム単行本を読んでいて、「あれ? これ知ってる…寺山が書いてたヤツじゃん」となったのだ。 当然、クラムは、アメリカはサンフランシスコで活動してた漫画家なのだから、オランダのわけがない。「Joe Blow」の初出は寡聞にして知らないが、たぶん自らが発行に参画していた「ZAP」あたりだと思う。それが、回り回ってオランダのアンダーグラウンド・メディアに転載され、それをたまたま寺山が見た、ということだろう。 (「Joe Blow」に興味があるかたは、河出書房新社刊『ロバート・クラムBEST』柳下毅一郎編訳に収録されているので、古本で探してみてください) 要するに、ロバート・クラムの作品は、ミッドセンチュリーのアンダーグラウンド・シーンで一際目立つアイコン的存在だった、ということだろう。 (寺山は、「Joe Blow」の作者がフリッツ・ザ・キャットの生みの親だったり、ジャニス・ジョプリン『チープ・スリル』のジャケットを担当しているとか、全然知らなかったみたいだが) 本書『旧約聖書 創世記編』は、クラムがフランスに移住して後、今世紀になってから描かれた作品で、日本版はなんでか知らないがハリポタの静山社から出ている。 クラムの執拗で変態的かつとても味のある描線で、聖書を「一字一句、できる限り忠実に再現」したもので、この稀代の表現者のテイストを味わうには格好の一冊だし、なに気に、「創世記」読んでみようかなあ…と思う人にとって最適のコミカライズだったりします。 それはともかく。 ロバート・クラム本人を追ったドキュメンタリー映画『クラム』(テリー・ツワイゴフ監督)というのがありまして、これを観ると、「ああ、漫画家というのは、本っ当っにっ因果な商売なんだなあ」と思います。 もちろん、アンダーグラウンド・コミック・シーンの巨匠であるクラムですから、実にエクストリームに悲惨かつユニークで、それを普通の漫画家と一緒にしちゃあかんとは思うのですが、その生まれ育った家庭環境(いや、本当にすごいですよ、母とか兄ふたりとか)を思うとき、そこに「なぜ人は漫画を描くのかということの真実」を、どうしても感じてしまうのです。 『クラム』はすごい(ヤバい)映画なので観ていただければと思うのですが、要するに、 “狂った家族(世界)の中で、唯一ほんの少しだけまともだったロバート・クラムだけが、漫画を描くことでその狂気を外在化し、世界と戦い得た” ということで、そしてそれは、多かれ少なかれすべての漫画家にある「描く理由」だ、と私は思わざるをえないのですね。 いやあ、漫画家ってすごい。痛々しいのに目が離せない向こうの人【電子限定描き下ろし付き】 上野ポテトたか読んでいてメチャクチャ辛いのにページを捲りつづけてしまった作品。面白い…! 辛い、と感じたのは、主人公・たくまの性格と振る舞い。 妹に対して身内の特有の無礼さでモノを言い、Twitterで毒を吐き、会社の人間がいかにくだらないかを愚痴る(暗に自分は違うと言いたい気持ちが透けて見えるところがまたムカつく)。 始まって3ページで「うわ、こういうやつ無理だわ…」と思わせる主人公はなかなかいない。 自意識過剰で自尊心が強い小物。 現代文で習った懐かしの「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」という言葉が頭に浮かんでくる男。それがたくま。 そんな小物・たくまの振る舞いは見ていて痛々しいのだけど、読者である私もまた小物の自覚があるので、いつの間にか主人公にガッツリ共感していた。 ここまでかなり悪しざまにたくまを語ったけれど、たくまはちょっぴり嫌なヤツなだけで、悪いやつではない。読み進めるに連れて、その人間臭さがとても愛しく感じられる。 「たくまがTwitterでずっと繋がってて時々やり取りするだけのフォロワーの『エス』が、じつは今をときめく人気俳優の『なるさや』だった」という設定だけ読むと、BLでありがちな突飛で薄っぺらい展開のように思うかも知れない。 しかし実際は、2人の感情の動きを非常に丁寧に、かつ最初にたくま視点で描かれた場面をエス視点でなぞり直すため、かなり生々しい物語となっている。 ひたすら2人の内面のゆらぎに焦点をあてた読み応え抜群の作品。エロもないので、ぜひ普段BLを読まない人にも手にとってほしいです。 (画像は3話より。たくまはこ〜〜いう、しょうもねぇところがあるんですよ。で、このあと自己嫌悪する。そこがいい…!)マンバがクチコミマンガ描きました!ただ離婚してないだけ 本田優貴マンバこんにちは、マンバです!!「本田優貴先生のただ離婚してないだけをとにかく読んでくれ〜〜!!」という気持ちをマンガにしました(ネタバレ無し) このクチコミを読んだら、とにかく試し読みボタンをポチっとしてくださいね!! 「ただ離婚してないだけ」クチコミマンガ(1/3)マガジン懐かしい漫画シリーズ。笑DRAGON VOICE 西山優里子mampukuハーレムビートの西山優里子先生の作品で、それほど有名ではないかもですが強烈に印象に残っています。主人公の設定が特殊すぎて映像化が難しかったせいもあるでしょうか。彼の持つ「悪魔のごとく個性的で、天使のごとく美しい幻のボーカル」ことドラゴンボイスと、ボーカルグループ「Beatmen」のハーモニーが合わさって生まれる新しいサウンドというのがどういうものなのか、実際に聴いてみたかったです。 漫画を読んで「これは聴いてみたい!」と思ったのはほかには「BECK」と、「ハレルヤオーバードライブ!」と、「四月は君の嘘」があります。どれも既存のYoutubeやiTunesやSpotifyなどでは見つからなさそうな未知性とファンタジー性がありました。アルペン・ロマンの最高峰K 谷口ジロー 遠崎史朗starstarstarstarstarマンガトリツカレ男単行本の帯に書いてあるけど確かにその通りだと思うけどどうよ?生きている人間が書いてある漫画3月のライオン 羽海野チカ名無し6巻まで読了 6巻でいじめにあっていた子をヒナが庇って標的にされる。 その時、祖父は「よくやった、勇気ある行動だ」と賞賛し、姉は正義なんてどうでもいいから逃げて欲しかったと漏らす。 「いじめ解決策」で検索しても100パーセントの解決策はないといった桐山の元先生の言葉、確かにその通り 別の物事に置き換えてもその通りだと思う。 立場が変わるだけで答えも変わってくる。 勧善懲悪でない漫画は面白い。 現実は勧善懲悪はありえないのでその現実に近い漫画の方がより人間らしく思えて面白さを感じる。 何を困っているかキャラによって違って、主人公がそれをどうしたいか自ずから動く漫画は面白い。この漫画はみんなそれぞれ身勝手でエゴがあって必ず人が思った通りに人は動いたりしない。 生きてる人間を漫画にかくとこうなるのか。 そう思ったので忘備録として書き留め。 あと流石ここまで読んで読みにくいと思った箇所、全くなし。 名作ですね。オシャレ料理漫画かと思ったがしっかりドラマがあるArtiste(アルティスト) さもえど太郎名無し一巻読了 華やかでオシャレ料理漫画、雰囲気だけかなと思ったらそんなことない しっかりと職人の仕事漫画! 内気な主人公だけど料理の天才…天才は寡黙 料理の知識もしっかりと入ってるので読み応えがある いい漫画に出会えた 5月、最も可愛かったヒロインの一人映写室のわかばさん 青山克己 神田川あゆ兎来栄寿5月のヒロイン大賞優勝候補の一人はこの『映写室のわかばさん』のわかばさんでしょう。 まだアナログフィルムを使って映画を上映する時代。クーラーもなく茹だるような暑さの映写室で、汗を迸らせながら映写機を繰るわかばさんの魅力たるや……その仕事のわずかなインターバル中に独り雄々しくラーメンを啜る姿たるや…… 『ボールルームヘようこそ』のダンスシーンに覚えるようなエロスを、ストイックに仕事に従事するわかばさんから感じずにはいられません。 オールナイト上映の際は当然徹夜仕事にもなる訳ですが、そんな過酷な労働環境の中でなぜわかばさんがそこまで力を入れて映写を頑張るのか。その答が描かれた1巻最後のエピソード、そして基本塩対応のわかばさんにあってはとても稀有な最高の笑顔はぜひご自身の目で確認ください。ゲーム業界の胃が痛くなるリアルチェイサーゲーム 松島幸太朗 柚木元 松山洋mampuku実在のゲーム制作会社を舞台にしたお仕事漫画。エンタメでありながら、胃が痛くなるようなリアルさで面白い。「NEW GAME!」よりは「東京トイボックス」や「SHIROBAKO」寄り。ロマンや情熱、挫折と成長……も無いではないですが人間どうしが集まった"会社"というものの難しさが描かれています。 全話無料公開されています。 https://www.famitsu.com/serial/chasergame/201812/17169258.html クリエイター論としても非常に共感できる内容です。 あとITの分野の話なのに絵やノリがレトロでちょっと新鮮w老若男女におすすめできるチャンネルはそのまま!【HHTV北海道★(ホシ)テレビ】 佐々木倫子名無し佐々木倫子さん好きなんだけどテレビ業界に興味がないので今まで読んでいませんでした!ドラマ化したのをきっかけに読んでみたらさすが佐々木倫子。面白かったです!なんというか…笑いのセンスが万人受け?大人が笑えるギャグ漫画って少ないと思うのでぜひ拡めたいです。もちろん下地になる取材がしっかりしているから通したストーリーも読み応えあるものになっているんだと思うのですが、所々に散りばめられた笑いにやられました。メシを喰うイケメンを見ると食欲が湧く女の話イケメン共よ メシを喰え 東田基nyaeもうそういう性癖なんでしょう。食欲と一緒に性欲も湧いてるみたいです。 主人公はとにかくイケメン好きのイケメンオタク。なのに細見くんからの好意には全く気づかないお決まりパターン。 作家さんの絵が上手いので、出てくるイケメンは本当にみんなイケメンで文句なし。 たぶん1巻完結なんだけど、最後の方に他の編集部員が出てきたり(しかも面白そう)、細見くんとの恋もこれから!というところで終わってしまったのが本当に残念。収録されている「エル・オンブレ」が最高だった南アラスカ海流 松森正 関川夏央マンガトリツカレ男南アラスカ海流 俺の大好きな「M資金」「ヒトラーの遺産」ネタがたっぷり入った短編。全編通して舞台も内容も暗いが最後の感じが明るくいい。 エル・オンブレ 第一話の扉絵でかっこよさに痺れた。松森正の書く「かっこいい男」の極地みたいなページだ。全編通してハードボイルドとは何かを追求している短編だ。 劇画が松森正で、主人公の設定の元傭兵というのが狩撫麻礼の「ライブマシーン」と似ているので覚えておかないと間違いそうな感じではある。 素晴らしいK 谷口ジロー 遠崎史朗hysyskまずKindle Unlimited に加入してる人はリンク置いとくのですぐ読むのがいいと思います。 https://www.amazon.co.jp/dp/B01E8QIU26 ふつうに買っても583円とか?タピオカミルクティーを一杯我慢するだけで一生ものの作品が手に入るんだから、コスパが高いどころの騒ぎではない。 極限状態での人間の心の動き、野生的な勘、自然に対する畏敬の念…。そういったものをリアルに感じさせる緻密な描き込みがもの凄い没入感を生んでいる。山岳救助の尊さだけでなく、主人公のエゴも混じるところがとても良い。冷房をキンッキンに効かせた部屋でビバーク気分を味わいながら読みたい作品。旅のお供に〜!カレチ 池田邦彦むなかなかの年長でデビューしたと書いてあったので40代そこらでデビューされてるのかなと思います。(wikiより) カレチとはなんぞや?カバチ?と思ったのですが、違いました。 『長距離列車に乗務する客扱専務車掌をさす国鉄内部の呼称』だそうで。 雪国での電車、乗車する客、降車する客。鉄道運営する側、上司部下。 色々ドラマあるんだなという感想 運行していた時代に寝台列車など乗っていた方は懐かしい気持ちになるのでは。 1話1話ほろっと泣ける話が多い! 個人的に旅のお供に最適な漫画なんじゃないかと思います。 私は旅行とか長距離移動中買う漫画と本が結構好きなのですが、何読むかはいつもちょい迷う… どこかへ向かう途中、電車の中で読んでみてください〜愛してるとその先ニューヨーク・ニューヨーク 羅川真里茂pennzou本作は1995年~1998年に花とゆめにて掲載された。話数単位とは別の章立てにより5つのエピソードに分かれている。それぞれのエピソードの概要は、Episode I:ケインとメルが出会い強固な絆で結ばれるまで、Episode II:ケインの両親へのカムアウト、Episode III:ケインとメルの結婚、Episode IV:メルをさらったシリアル・キラーをケインが捜すサスペンス、Episode V:養女を迎えた二人の生涯となっている。このように、物語は二人がまず結ばれるまで(Episode I)よりもそれ以降の長い時間(Episode II~V)を描いている。ここに絆がより強固になっていく様を描こうとする作者の意図が見えるし、それは成功していると考える。 ゲイであることとそれにより生じる苦難は本作の大きなテーマだが、異なる理由で生じる問題もある。例えばケインの言動が無遠慮で本当にひどい時がたまにあり、それゆえに起きる問題もある。このキャラクターの性格・行動にいいところもそれはどうかと思ってしまうようなところがあるのも本作の特徴だ。一人の人間が持つ複数の面が描かれている点は本作の射程の広さになっている。 射程の広さでいえば、ケイン・メルを取り巻く人物はそれぞれ異なる考え方を持っており、その人間模様や変化も魅力である。特にEpisode IIで描かれるケインの両親との物語は本作のハイライトだろう。大きくは扱われないが、Episode IIIで描かれるゴーシュの件も気を引き締められる。 Episode IVでメルがさらわれるのはメルがゲイであるから起きた問題ではない。さらに言えばシリアル・キラーを追う展開であり、この要素だけを見ると別の物語のようだが、犯人とメルとの相似やケインとメルが試練の中で互いを想うことは物語をより強いものにしている。また、スリリングな場面・描写もあり別の読み口が楽しめる点も良い。 先に述べた通り、本作は90年代中~後に描かれている。そのため、これは当たり前なことなので野暮を承知で書くが、当時は先鋭あるいは常識的なことだったのだろうが現在では古いように感じられる部分も散見される。古く感じられるのは昔より進んでいる証左であり、良いことだと思う。しかしながら、同時にそれは「自分はそういった思想・文化のアップデートをちゃんとキャッチアップして血肉にできているのか?今後もできるのか?」という自問を発生させるわけで……その、かっこよく生きたいものですねと思うばかりです。文学のような恋愛漫画。恋は雨上がりのように 眉月じゅん名無し※ネタバレを含むクチコミです。黄金の精子を持つ男!人間ども集まれ! 手塚治虫starstarstarstarstarひさぴよ近年、舞台化されるようにもなった手塚治虫のナンセンスSF。 60年代後半の手塚治虫が、少年マンガから大人向け長編マンガへの転換期を迎えていた頃の作品で、漫画集団の影響もあってか、ところどころ風刺漫画っぽいタッチになっている。 はじめは手塚作品らしからぬ見慣れない絵柄に戸惑うが、読み進めるほどに、醜い人間の欲望を写し出した手塚ワールドに引き込まれる。戦争、テロ、人工授精にクローン人間といった科学の暴走、優性思想に人身売買など、これだけの問題をかき集めて、痛烈に風刺した上で2巻に収まっているのが凄い。 「これがもしリアルな作画だったら」と思うと、恐ろしくなる場面がいくつかあった。ナンセンス絵のおかげで、心に深い傷を負わずに済んだし、エッチシーンも淡白になってしまうのだけど、ナンセンス作品においてそれを言うのはナンセンスなんだろうなぁ。 ※画像は、終始活躍していた精子搾取マシーンの「シボリ機」 コレに男を放り込むと、死ぬまで搾り取られるらしい 内部では一体何が起こっていたのか、最後までわからなかった…ほとんど描き下ろしの短編集パーマネント~まんがの詰め合わせ~ 岩岡ヒサエstarstarstarstarstarかしこ岩岡ヒサエさんの作品はホッとするような明るい終わり方が多い。自分では気づかなかった幸せを教えてくれるような感じ。絶望してもなんとかなるって思えてくる。あまり描かないらしいエッセイでは作家のルーツを知ることができて嬉しかった。創作の話では点描の奥深さを語っていてマンガへの愛を感じた。意外と読める というか面白い白竜 天王寺大 渡辺みちお波岡今まで全くゾーン外だったんだけど、1巻の始めだけ読んでみたら面白くて、どうしようかなって思ってる。シリーズがいくつかあるみたいだし、読み終わるまで他に手を出せない雰囲気がある。 割った瓶の先で舎弟の頭を刺した時はとんでもない漫画だ!と思ったけどちゃんと理由があったし。こういう筋通ってる系のヤクザ漫画って面白い。味が・・ぼけている?・・なぜ・・ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 金田正太郎 田中経一名無し※ネタバレを含むクチコミです。宝石×カフェという異色の組み合わせ宝石王子と鉱物カフェ 草野祐sogor25カフェを開くのを夢見る主人公・ひなたが紹介された物件に行くとそこにいたのは鉱物オタクの高校生・晶だった。宝石・鉱物×カフェという異色の組み合わせの作品。 宝石の知識もたくさん登場するし、"鉱物カフェ"の要素である料理の部分もかなり凝っている。あとがきのエピソードや参考文献の充実ぶりでも分かるが、作者の好きを詰め込んだ作品だということが作品全体から伝わってくる。 物語としても、対立してお互いマウントを取り合いながら認めるところは認める、主人公2人の対等な感じの関係性が素晴らしいし、登場するサブキャラたちもいい味を出してる。何より宝石・鉱物の要素を物語にちゃんと落とし込んでいる。 宝石要素に注目して「宝石の国」と合わせて読んでも楽しいし、カフェ要素やお店に集まる人々の群像劇的な要素もあり「Artiste」のような楽しみ方もある、1作の中に色んな見どころ・魅力を見出すことができる作品。 1巻まで読了。第一次大戦後、そして第二次大戦前でもあるフランスを舞台にした市井の物語アルティストは花を踏まない 小日向まるこ名無し第一次大戦後のフランスを舞台に、重くるしい情勢の中でも、逞しく生きていく人々の物語。セリフで多くを語らないタイプの作品ではるが、それでもちゃんと伝わってくるものがあって素晴らしい。どうしても単純に「良いお話」として読むことが難しいのは、次の大戦が控えていることを歴史として私達が知っているからに他ならない。子どもたちの明るい笑顔をもってしても、戦争の虚しさや悲しさから目を逸らすことはできないのだ…。 ちなみに、読み切り版がWeb公開されているのでこちらもおすすめ。(ビッグコミック2017.vol7に掲載) http://comic-soon.shogakukan.co.jp/blog/news/marco-artiste-preview/ メッセージ性とストーリー部分のバランスが抜群の、ような。 麻生海sogor25見ず知らずの人たちがひょんなことから同居することになるという作品は家族ものとして古くからありますが、この作品は事故で両親を亡くした子供2人を付き合ってるけど未婚の2人が引き取るという、歪な中にさらに歪さを重ねたような設定。本質的には疑似家族ものなのかもしれないけど、子供たちはその経験からか精神的にかなり自立しており、かつ大人たちも基本的な自分たちの生き方を変えずに子供たちに接するので、家族というより純粋な"共同生活"のように映る。その中で個々の成長が少しずつ描かれていくので、これまでにはない新鮮さがある。 特に、彼氏が連れてきた子供たちと突然同居することになった主人公・希夏帆は、これまで子供と接する機会が少なかったためか、子供たちと接する際にも直球の正論で臨むことが多い。でも正論だけじゃ物事が上手く回らないことを他でもない希夏帆が自覚していて、かつ実際にトラブルの解決まで紆余曲折があるのを見せてくれるから、逆にその正論が際立って心に刺さる。伝えたいメッセージと物語とのバランスが抜群な作品。 2巻まで読了<<159160161162163>>
望月三起也で一番好きな漫画、というと、どうしてもこれが思い浮かんでしまう。 キャリアの長いかたで、ぶっ飛んだ名作・傑作・異色作がたくさんありますし、なんと言っても自動拳銃の排莢を描かせたら、まったくもって誰もマネが出来ないほどカッコイイ漫画家さんですから、そりゃあ『ワイルド7』も最高に決まっているのですが(「排莢の瞬間」がカッコイイんですよ。これは映画とか他媒体では描写不能。漫画だけに、望月三起也だけに可能だった絶品のアクション描写です。鳥山明も排莢描くの上手いけど、別にカッコよくはない)、なんか、この、銃も戦車もバイクも出てこない「チャンバラ時代劇」が、すごく好きなのです。 ぞろっとした新選組の段だら模様に、ギラっと冷たく光る本身…いやあ、良いなあ、チャンバラだなあ! 巻数も5巻で長くないですし(いや、打ち切りなんですけどね)、癌で余命宣告された時、「『新撰組』のつづきを描く!」と宣言なさっていたくらいですから、ご本人としても思いの強い作品だったのだと思います。(その望みが果たされることは、残念ながらありませんでしたが) 唯一無二の望月ワールドを堪能するのに、実に好適な名作ですよ。 もしそれで気に入ったら、そこから先は、『ワイルド』でも『JA』でも『JJ』でもヨーロッパ戦線物でも『ジャパッシュ』でも、なんでもドンドンいっちゃいましょう!