マンガでおさらい中学英語

英文法マスター編、英会話スタート編が良かった

マンガでおさらい中学英語 フクチマミ 高橋基治
hysysk
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シリーズの1巻にあたる「だいじなとこだけ」に関しては本当に基礎で、自分にとってあまり新しい情報はなかったが、2巻にあたる「英文法マスター編」の不定詞の解説はあいまいな理解がすっきり整理できたし、3巻にあたる「英会話スタート編」の言い換えのコツやネットを活用したセルフチェックの方法はかなり勉強になった。 この本では「英語と日本語はそもそも考え方が違うので、英語をそのまま日本語に置き換えようとしてはいけない」ということを何度も言ってるのだが、本当にその通りだと思う。 これは別の本で読んだことだが、ネイティブスピーカーはある単語を覚える時にそれが数えられるか数えられないか、どんなシチュエーションで使うか、他にどんな単語と結びつきやすいかを経験から学んでいる。それを第二言語習得者が母語と突き合わせて一対一でパズルみたいに合わせようとすると、間違ってはいないけども意味が通じなかったり、シチュエーションにそぐわない奇怪な文章になってしまう。そして年を取って母語に慣れれば慣れるほど、難しい表現や最適化された考え方をするため、ますます別の言語に翻訳するのが難しくなる。 そういった意味でも中学英語に戻るのは最適だし、何より英語を話すことに対して背中を押してくれるエピソードが沢山載っているので、コンプレックスを抱えている人も気持ちが楽になるはず。

人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話

自分は大丈夫なんて思っちゃいけない

人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話 かどなしまる
野愛
野愛

恐ろしい。何が恐ろしいって、わからんでもないから恐ろしいんです。 お酒は好きだけど、仕事や用事の前に飲むことは絶対ないし、飲まないと不安で眠れないなんてこともないです。 でも気持ちはわからんでもないんですよね。 日々健康に過ごしている自分も、何かのきっかけでアルコール依存症になってしまうことはあるかもしれません。 作者のかどなしまるさんは、会社に行くのが嫌すぎて出勤前に飲酒したのをきっかけにアルコール依存が加速していきます。 双子の妹と同居することになり、寂しさが解消され改善されるかと思いましたが……お酒がきっかけで関係が拗れていきます。 自分自身と向き合って、いいところも悪いところも受け入れること。誰かに話を聞いてもらうこと。お酒以外の楽しみを見つけること。 改善方法は誰もが思いつくことだし、心身ともに健康であればそんなに難しいことではないと思います。 自己評価が下がりきっていて、不安で不安で仕方なくて、外に出るなんて持てない、そんなときに自分自身と向き合うなんて相当大変なはず。 お酒に逃げるのは簡単だけど、お酒から逃げるのは至難の技です。 自分はまだ大丈夫なんて絶対思っちゃいけないですね。 楽しいことと自分自身を見失わないように生きていたいものです。

手塚治虫アシスタントの食卓

漫画の神様のアシスタント記!!

手塚治虫アシスタントの食卓 堀田あきお&かよ
nyae
nyae

タイトルからするに、アシスタントたちの食事情を記したグルメ漫画っぽい内容なのかと思いきや、手塚プロダクションで働く人々を(たぶん)リアルに書き記した読み応えのあるものでした。 早番と遅番が分かれていたりと会社らしい仕組みがありながら、やはり何本も連載を抱える手塚先生ですので、昼も夜もないことはザラで、いつでも原稿待ちの担当編集者が待っている状態。みんな、つらいけど楽しい。ある意味部活動みたいな空気を感じてグッときます。そんななかでやはり誰もが楽しみにしているのが「食事」なわけです。とくに会社からお金が出る夜食など、栄養補助食品を片手に机に向かい続けるのではなく、みんなで一緒にお決まりのお店に食べに行く描写が楽しい。 なにより驚いたのが、この漫画の作者は漫画制作未経験にも関わらず手塚プロダクションに採用されています。採用基準としては「伸びしろがあること」というものがあるそうですが、そういう"未来の漫画家を育てよう"という会社の方針があるんですかね。実際に、漫画家として羽ばたいていったOBたちが手伝いに来てくれることがよくあるみたいです。 手塚先生がアニメーション制作も漫画と同時進行し始めたはなしは読めば読むほど強烈で、人間離れしてます。まさに神の所業。アシスタントたちは当時いろいろ思うところはあったと思いますが、そんな人のもとで働いていたという経験は何よりも代えがたいですよね。 これで完結してるかと思いきやまだ続きがあるそうで、はやく2巻も読みたいです(紙の単行本ではもう出ているっぽい)(余談ですけど絵柄が中川いさみっぽいですよね)。

おとりよせミッドナイト

個人的にもったいない作家「ハナムラ」先生

おとりよせミッドナイト ハナムラ
六文銭
六文銭

小生、ハナムラ先生が好きなんですよ。 「ハナムラさんじゅっさい」でハマリ、 端的に言って好みの絵柄で、氏の描く女性キャラの可愛さにやられております。 だけど、あんまり売れている印象がなく、本当にもったいないと思います。本作もおそらく1巻で終わり…だと思います。 少しでも布教できるよう頑張りたい所存。 さて、本作の内容なのですが、 ここまで言っておいて大変恐縮ですが、本作は氏の魅力である、可愛い女の子は皆無です。 編集部のむさい(失礼)男たちと、夜な夜な取り寄せたご当地グルメなどを食べるという展開です。 相変わらずの画力の高さはいわずもがななので、ご飯の絵は上手で美味しそうです。 また、舌の肥えた編集者たちが色んな所から取り寄せた食材の数々は、一度試してみたい気になります。(結構、いい値段はしますが・・・) しかし、やはり、なぜこの題材なんだろうと思わずにはいられないです。 せめて形だけでもヒロインがいればなぁと、残念!もったいない!と思わずにはいられなかったです。 こういうところも不遇な感じが、よりファン熱を高めてくれるポイントですね。

お金さま、いらっしゃい!

姿勢も境遇も真似できない

お金さま、いらっしゃい! 高田かや
野愛
野愛

初心者に節約術とか財テクとかを教えてくれる漫画っぽい表紙なのがなんとも憎いです。何も知らずにうっかり読んだらお金よりカルト村のことが知りたくなるはず。 対価0円で毎日労働、物は共有で金銭のやりとりはない、そもそもお金を隠し持っていたら没収されてしまう。 そんなカルト村で育った高田かやさんが一般社会でどのようにお金と向き合ってきたかを描いた作品です。 ・お金に触れる機会がほぼ無かったから、お金に対して強い憧れがある。 ・ものを買うという経験がないから、自分の欲望と消費が結びつかない。 一般社会で育った者からすると、こういう感覚は自分にないもの。貧乏で我慢しながら生活していた人ともまた違う感覚だと思います。 安くていいものと高くていいものの見極めができるようになったり、共有ではなく個人で所有する感覚を掴んだり。 何気ない日常にも新鮮な喜びや学びがあるのだなと感じました。 旦那さん達の金銭感覚にはちょっとモヤるけど、かやさんが受け入れて幸せなんだから凄いよな……。 環境や他人のことを責めずに、自分が幸せであるために努力できるのは素晴らしい。 素晴らしいけど……それは村で育ったおかげなのか?という考えが一瞬よぎってしまうので、やっぱりカルトは恐ろしい。

だんな様はひろゆき

元ドワンゴ社員が読んでみた

だんな様はひろゆき wako 西村ゆか
hysysk
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と言っても私はもう退職して10年近いし、末端だったのでほとんどひろゆきさんと絡んだことはない。たまにエレベーター前で見かける程度で、1度だけ関わったプロダクトのレビューを受けた。まともなことを言っていたように思う。ネット文化に理解があって堅苦しいことは言わないので、話が早い人ではある。 それにしてもここ最近、テレビやニュース、SNSで彼の話題を目にしない日はない。論破王などと呼ばれ、若者のオピニオンリーダーになる日が来るなんて思ってもみなかった。 この漫画はそんな彼が普段見せない姿を描いてくれているのだが、一体誰がこんなひろゆき(敢えて呼び捨て)を知って嬉しいのだろうか?彼を昔から知っている人間からすると特に意外性はなく、「宇宙語」と呼ばれる言葉遣いがキモいなと感じる程度。普通の夫婦のエッセイ(結婚式の写真がカラーで載ってる)という感じで、もしかするとそれこそが狙いなのかも知れない。「あの2ちゃんねるを作ってサラリーマンの生涯賃金を1年で稼いだにも関わらず賠償金を踏み倒しまくってる論破王も、僕らと大して変わらないんだな。微笑ましい!」 …なんて思うか( ゚Д゚)ゴルァ!!