機械人形ナナミちゃん

バイタリティー溢れる反骨の次世代型クリエイター

機械人形ナナミちゃん 木星在住
mampuku
mampuku

 「色んな出版社で没になった」「一年間ネーム描き続けてボツになった」などの恨み節とともにWEB各所で無料掲載され、最終的にマイクロマガジン社から書籍化された作品。さぞやヤバイ内容で社会派すぎて敬遠されたのかと思いましたが、読んでみるとそこまでキツい内容というわけではなくどちらかというと、きっと自〇党が嫌いで、社会に対していきにくさを感じてるんだろうなぁとか、滲み出るルサンチマン的なフレーバーがどぎついなと感じました。  そんな読み手を選ぶ漫画ではありますが、読んでみると独特の楽しさがあり、展開はやや荒唐無稽な印象を受けますがその分息をつかせず先の気になるシーンを次々ぶっこんでくるあたりはこれがWEB漫画の醍醐味かなどとも思ったり。あとなんといってもさすがはエロ同人誌でその名を轟かせた木星在住先生、絵が素晴らしく魅力的。JK!ロボ萌え!褐色ギャル風のメカ娘とかその発想はなかったわ!  現在はアダルトからは足を洗ってしまわれたそうで惜しい気もしますが、本が売れず絵が上手いだけでは生き残れない今の時代を戦っていく新しいクリエイターとしての在り方を模索する彼の生き様は、同じクリエイターとして学ぶべきところがあるなと感じます。 http://mokusei2.blog46.fc2.com/

ロクでなし魔術講師と禁忌教典

さすおに石鹸枠

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 三嶋くろね 常深アオサ 羊太郎
mampuku
mampuku

 よくできた優秀なラノベ漫画です。一見ダメな感じの主人公(新任講師)が実はものすごい力を隠し持っていて、悪い輩から命がけで美少女を守り、最終的にちやほやされる話です。「劣等生」に少し近いかもですが、1話目から早速ラッキースケベしているので「石鹸枠」とも呼べそうです。 http://honeshabri.hatenablog.com/entry/soap_anime  こういうのってよく「テンプレ」だの言って揶揄されますけど、楽しく感じるツボやスカッとする話が無駄なく組み上げられてきちんと面白く成立してる時点で凡百の作品より上ですよね。原作は「第26回ファンタジア大賞大賞受賞作」だそうで、まぁだからと言って必ずしも漫画になっても面白いとは限らないんですけど、ストーリーも奇をてらわず王道だし、何より良い漫画家を引き当てました(笑)シコ方面ではそれほど強くないものの、見せ方が上手いしなにより表情や個性豊かな女の子が可愛いです。  個人的に気に入っているのが、何かにつけて「覚醒」したりして不思議なパワーで敵をボッコボコにするのではなく、教え子の「成長」と周到な「下準備」で不利を覆す展開が気持ちいいです。丁寧に張られた伏線(というよりは布石)なんかも小説原作らしくて良い感じです。あくまで読み易くそれでいて安っぽくならず、可愛いけど過度にエロくはならず、いい塩梅だと思います。

烏丸響子の事件簿

尼レビュー欄への愚痴

烏丸響子の事件簿 広井王子 コザキユースケ
mampuku
mampuku

 リアルタイムで購読していて結構好きなマンガだったのですがいつだったか手放してしまい、でもまた読みたくなってAmazonを漁ってみたんですが  モンスター消費者化とオタクの批評家気取り化の悪いところを凝縮したような場所ですねAmazonレビュー。漫画などはとくに酷くてまったく参考になりません。 「ありきたり」←それが無理なら市場に流通してるほとんどのコンテンツが駄目では 「動きのある絵が弱い…」←静止画としてかっこいいならそれは立派な長所なので、「弱い」んじゃなくてあなたの好みではなかったというだけの話では 「漫画の体をなしてない」←何様が上から目線でこきおろしてるのか。己の読解力の低さを作品のせいにしてほしくない  いや、全部が全部的外れな指摘とは思っていなくて、キャッチーな絵や設定のわりにヒットしなかったんでまぁ色々と惜しい部分はあったんですけども、ああやって文句ばっかり書き残されるような駄作でもなかったと思うんですよね。(ゲームメーカーが日本の消費者レビュアーを締め出す気持ちがわかるなぁ。)  異種族同士の諍いというテーマも、絵のスタイリッシュなところも、色々粗削りだけど魅力があって引き込まれるところも、「東京喰種」に似てるかもです。そんなこんなで今読んでみたらまた違う発見があるかなーなんて思ったんですが、さすがにAmazonがなければ諦めてたなぁ…