今度は殺されたくないアザラシさん

"前世が視える"女性が遭遇したのは"前世での天敵"!? #1巻応援

今度は殺されたくないアザラシさん 魚住ユキコ さんかく。
sogor25
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24歳のOL・海野まひるには"人の前世が視える"という特殊能力がありました。 ちなみに彼女の前世は「北極に住んでいたアザラシ」。 そんな彼女の職場に新人が配属されてくるのですが、その新人・北村律の前世は「まひるの前世であるアザラシを食い殺したシロクマ」だったのです。 この作品はそんな2人と周囲の人々が繰り広げるオフィスラブコメです。 登場人物の前世が見えているのはもちろん主人公のまひるだけなんですが、前世の習性が現世にも影響を及ぼしているようで、「凶暴なシロクマ」が前世の律のことをまひるは異常なまでに警戒しています。 一方、前世のことなど全く知らない律はむしろまひるに好意を抱いていて、積極的にアプローチを仕掛けていきます。 その2人の世代を越えたすれ違いのやり取りが見ていてとても楽しい作品です。 また、登場人物の背後に時々その人物の前世が描かれているのですが、そのキャラが登場人物以上に濃い表情を見せることもあり、特にまひるの前世であるアザラシが見せる表情の可愛らしさもとても魅力的な作品です。 1巻まで読了

ルサンチマン

花沢健吾作品の中で一番好き

ルサンチマン 花沢健吾
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

『アイアムアヒーロー』『ボーイズ・オン・ザ・ラン』が有名な花沢健吾だが、個人的には『ルサンチマン』が一番読むべき名作だと思っている。 2015年、町の印刷工場で働く主人公・拓郎、30歳が目前に迫りくるブサイクで、デブで、ハゲで、金もなく、童貞で・・と挙げればキリが無い情けないダメ男。誕生日についに現実の女を捨てVRギャルゲーに走るが、偶然にも手に取ったソフトは存在することすら怪しかった知る人ぞ知る都市伝説級のものだった・・。 実際に第一巻の発売が2004年で、約10年後の未来の姿として2015年を描いている今作。 現実の僕たちからしたら三年も前だがこれがなかなかにちょうどいい近未来感でたまらない。 過去に描かれた未来像って大好きなんですよね。 映画だと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「her 世界でひとつの彼女」だったり漫画だと「ドラえもん」や「ぼくらのよあけ」だったり身近な部分を描く近未来SFものはだいたい好き。 あの未来に追いついた、追いつきたい、みたいな。 2004年当時はVRなんて想像だにしていなかったものが描かれているし、ゲームに合わせて全身で体感せきるようなボディスーツや、それに連動した電動のTENGAのようなものも出てきてワクワクするガジェット感! 今読めば普通にあるよねって感じだけどそれでもそこを描いた漫画はまだあまりないはず。 打ち切りだったこともあるだろうけど、壮大な内容ながら全4巻にぎゅっと詰まってるし、現実と仮想現実の対比、ゲームの中に引きこもる社会問題、恋愛模様などなどいろんな側面を描いている。 最終話も読者が好きなところをくすぐってくるけど、何もない、というのが最高。 現実、何かありそうで無いのがたまらなく現実でいいのだ。

きみのご冥福なんていのらない

体を動かすためには"接触"しなければいけない!?ラブコメマンガ #1巻応援

きみのご冥福なんていのらない 松尾あき
sogor25
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仲はいいけども付き合っているわけではない、"友達以上恋人未満"な関係の高校生・小野と篠原。 ある日、何気ない会話の流れから小野は篠原に告白してしまうのですが、あまりに突然の告白だったために篠原はその場を逃げ出してしまいます。 次の日、小野に合わせる顔がないと思いながらも学校に向かった篠原なのですが、そこで彼女は小野が交通事故で亡くなってしまったことを知ります。 その後、悲しみに暮れていた篠原が小野の眠るお墓を訪れるのですが、そこでなぜか彼が"ゾンビ"として蘇ってしまいます。 ゾンビではあるもののちゃんと自分の意思を持って蘇った小野なんですが、どうやら一定時間が経過すると身体が動かなくなってしまうようで、再び身体を動かせるようにするには 篠原と接触して"胸を鳴らす"必要があるらしいということが判明します。 この"胸を鳴らす"という設定が絶妙で、小野が活動を続けるために必要な"身体的接触"がそのまま"恋のドキドキ"へと結びついていくという、実は最高にラブコメしてる作品です。 もちろん小野はゾンビであり、今の身体の状態がずっと続くという保証はないのですが、それはある意味では「思春期の淡い恋模様」と同じだと捉えることもできると思うので、純粋にこの2人の関係を見守っていきたい、そんな作品です。 1巻まで読了