恋愛・ラブコメマンガの感想・レビュー4446件<<107108109110111>>タイトル通りのやつ双子の男女がわからない 阿部花次郎名無し※ネタバレを含むクチコミです。百合の世界缶乃短編集 無職とJK 缶乃さいろく百合とは知らずに読み始め、最初の1話では永田が男だと思ってたんだけど2話目で百合だと知った。 百合の世界の空気感というか起承転結の付け方は少し独特というか、男性の考えるソレとは少し違っている気がして、これが独自文化なのだなと深くうなずくばかりである。 アンニュイな気持ちで終わるところもあればちゃんとハッピーエンドだったり、「この先は想像におまかせします」だったり色々だけど、女性作家が割とそういう流れを好むのかもしれない。 これはもしや深堀りしてみたら面白いところなのでは(きっとググれば出てくるんだろうけど) など、色々変な視点での考察が捗ってしまったけど一気に全部読み終わって、巻末の1話が最終話になっていてちゃんと結があって読後感が良かったのでクチコミを残している次第です。春原さんがイケオジすぎる!ゴマ塩とぷりん【描き下ろしおまけ付き特装版】 鈴木有布子名無し酔った勢いで婚姻届出しちゃうとか、主人公の危機感のなさとかが引っかかるところもありますが、素敵なグレイヘアの春原さんは文句なしにかっこいい…。相手が春原さんだったら出逢って0日入籍もアリかな。笑 あと、晴日が春原さんのことを好きだと気づく瞬間が自然で「あ、良いなこういうの」と思いました。 晴日が重機オペレータというのもこの漫画の面白いところだと思ってるので、2巻以降もっとその辺を掘り下げてくれると嬉しい。突き刺さる一話から素晴らしいタイトル回収が味わえる #完結応援君のお母さんを僕に下さい! 田澤裕名無し※ネタバレを含むクチコミです。 食べ物じゃない君を愛してる恋するシロクマ ころも野愛壊れるほど愛しても3分の1も伝わらないシロクマの愛に切なくなったり、優しくされて愛されてもなお恐怖が拭えないアザラシにもどかしくなったり。 かわいいかわいい絵柄でほのぼの癒し系コメディの形をしているけれど、なかなかどうして壮絶なラブストーリーです。 食い物であるはずのアザラシに恋したシロクマ。天敵であるはずのシロクマから熱烈な求愛を受けるアザラシ。どちらも必死なんです。だからこそ笑えるし、だからこそ応援したくなるんです。 でも、どちらか一方に歩み寄れというのも無理な話なのでやっぱり切なくてもどかしくなります。 人間同士のラブコメディだったら、いやいやいい加減信じてやれよってアザラシに言いたくなるし、シロクマ怖がられてるんだよちょっと考えろよって言いたくなっちゃう気がします。動物だからこそどちらの気持ちもわかって狂おしくなっちゃう!! 人間同士なら食うか食われるかなんてわかりやすい生と死はなかなか起こらないけれど、信じる裏切られるの怖さは常に付き纏います。 信じてもらうための手っ取り早い魔法なんて結局なくて、怖がられてもシロクマみたいに「君が好きだ、大切だ」と言葉を尽くすのが一番の近道なのかもしれません。 同じ動物でも、同じ人間でも、わたしとあなたは違うから。信じてもらうことを諦めちゃいけないし、受け入れてもらえるのが当たり前だと思っちゃいけない。 シロクマみたいに真摯に愛を伝えないといけないですね。今いちばん続きが楽しみな連載殺し屋Sのゆらぎ 舟本絵理歌名無し※ネタバレを含むクチコミです。穏やかにラブラブな歳の差大人百合ふたりはだいたいこんなかんじ いけだたかし兎来栄寿『ささめきこと』、『34歳無職さん』のいけだたかしさんの最新作で、年の差10歳のルームシェア社会人百合です。32歳脚本家の佐久間エリーと、22歳駆け出し声優の犬塚わこの日常が描かれます。 1話6ページの掌編が連なる形で、コメディ色とシリアス色が良い具合に溶け合っており充足感を得られます。長所も短所も描かれた等身大の二人に、読み進めるごとに愛着が湧いてきます。 心温まる出来事があれば、仕事での多大なストレスに呪詛を吐く時もあり。日常のさまざまな細部やイベントが描写される中で、さらりと深い相思相愛である様子が見られたり、二人の関係性が構築されるにいたる過去が少しずつ垣間見えていったりする構成も絶妙。 エリーが初めてわこに出逢った時、わこに惚れたであろう瞬間の描写が個人的に大好きです。そして、互いにクリエイティブな仕事だからこそできる絡みもまた良いものです。 脇役たちもとても良い味を出しており、この安定感は流石ベテランのいけださん。彼女たちの自然体の同居生活を穏やかに眺め続けたいです。 キャンピングカーで愛犬とおいしいコーヒーと渡り鳥とカタツムリ 高津マコト兎来栄寿ワニブックスによる新レーベル「Chrunch Comics」レーベルの初単行本です。 青い空と海、白い砂浜をバックに笑顔を浮かべる男女と犬。白+青を基調にし、帯までオシャレにデザインされて夏の爽やかさを演出する外装に心が踊ります。 ただ、軽やかな表紙に反して物語の始まりは少しだけ重いです。表紙に書かれた青年・雲平はややブラックな会社で働いていることに疑問を覚え、退社したいと思いながらも親には止められているという状況。そんな時に、彼を自殺志願者かと思った絵本作家のつぐみと出逢います。 つぐみはアルビレオ号と名付けたキャンピングカーに乗り、愛犬のうめまよと共に全国を旅する絵本作家の女性。その自由奔放な生き方に雲平は刺激を受け、彼も行脚に繰り出すこととなります。 自分だけの秘密基地で移動しながら愛犬と戯れる豊かな時間。行きたいと思ったところに行けて、各地の温泉に入ったり美味しいものを食べたりする日々。これに憧れを持たない人がいるでしょうか! 読んでいたら、ミルで豆から挽いたコーヒーの香りを楽しみながら、ポップアップルーフで満天の星空を眺める豊かな時間を過ごしたくなります。 まったく手が届かないことではないものの、今の生活があるためにその選択肢を取れないという人も多いでしょう。しかし、一歩踏み出せばこういう世界で生きることもできるのだと教えてくれます。 旅先で出逢うさまざまな人との交流模様も面白く、各地の美味しそうな名物なども登場し、旅の醍醐味を疑似体験できます。実際の旅と同じように良いことも悪いことも起きますが、それがいい。読んでいて心が晴れやかになっていく物語です。予想外の結末大正ロマンポルノ 麻生みこと名無し第1話は盲目の遊女と小説家志望の青年の恋物語。第2話と第3話はその物語を演じる劇団員の演出家と主演女優が主役の話になります。表紙もこの「大正ロマンポルノ」がメインなんですが、もう一つの収録作「徒花(あだばな)」の方が自分は好きでした。新進気鋭の陶芸家の青年が美術商の娘に一目惚れする話です。娘が褒める作品は必ず売れる程の目利きでもあり、お互いの才能に惹かれあって結婚をしようとするのですが、娘には父親から離れられない理由があり、結局は青年を捨てて父親の元に戻ってしまいます。こっちの方がアブノーマル度が高いと思いました。ナギサさんとメイの程よいバランス家政夫のナギサさん【描き下ろしおまけ付き特装版】 四ツ原フリコPom ドラマにはまって、漫画も読んでみました。 男性が家事何でもしてくれるって、キャリアを築く女性には素晴らしい存在ですね。 現代を背景にした内容だなと思いました。 漫画のナギサさんはドラマより男っぽさがあるような。。 ドラマと漫画と別物で読んだ方がスッと入りやすいかもしれません。 残念だが君は…百合だ…!悪いが私は百合じゃない もちオーレ百合スキー憧れの男性教師に惚れ薬を仕込むつもりがクセの強い女子生徒に飲まれてガンガン惚れられて毎話望まぬ強制百合状態に陥るというアホ百合ギャグマンガ。襲われるたびに主人公のいつみちゃんはこう叫ぶしかありません。 「私は百合じゃない!」 いや…百合だよ!! ギャグのテンポも心地よくていつみちゃんが毎回ドキドキしちゃうのがカワイイ。途中から先生の顔とか忘れちゃってますしね。ちょっとエッチなノリもご愛嬌でしょう。 1巻の時点ですでに4人と関係を持っているんですがまだまだ新キャラ出てきてほしいですね。わたしの推しは美人学級委員長の四方塚まことさんです。強いからです。博愛の「学食JK」に癒される… #1巻応援学食「ハナ」のしあわせごはん poteあうしぃ@カワイイマンガ転校生男子は、同じ学校の女子に「学食の食券」を貰う。学食に行ってみると、そこには働く彼女がいた……そんな始まりのこの作品。全体的に「美味しさ」と「小さな博愛」に溢れた物語となっています。 学食というと、安くて味はまぁゴニョゴニョ……みたいに言われがちですが、この学校の学食はとても美味しくて激混み。評判の学食を切り盛りする、まだ高校生なのにしっかりした彼女に驚かされます。 何故か姉と二人暮らし?の転校生男子。元気がなさそうだったのを、学食女子と学食でも、それ以外でも共に過ごすうち……少し活き活きし始めた?私達も一緒に元気を貰っている気持ちになれます。 学食女子は本当に優しいのですが、それはこの男子にだけではなく、親友から迷子まで、一人ひとりに気を配っている。目の前の人をよく見て、少しの優しさで相手を支える、そんな「博愛」を持った女子。 べったりとした愛情ではなく、小さくても細やかな気遣いに救われる、そんな優しさがある学食……とても良い! 何故学食で働くのか、という理由は語られますが、まだまだ何かありそうな予感。その辺も気にしつつ、再び優しさをもらう為に次巻も読みます!これからの展開が楽しみ♪寒がりに雪 吉近イチstarstarstarstarstar干し芋普通、女の子が寒がりで、男の子が暑がりの事が多いけど、・・・。 雪は、平熱が、37.4度って微熱でしょ?! 幼馴染の男女っていつ頃からお互いのを大人として意識し始めるのだろう? 無意識を意識し始めるその瞬間の、驚きと初々しさが、これから始まるって感じが楽しみな作品。 「明日に続く」物語に力を貰う #1巻応援缶乃短編集 無職とJK 缶乃あうしぃ@カワイイマンガ『あの娘にキスと白百合を』の著者・缶乃先生の短編集。新連載作『合格のための! やさしい三角関係入門』との同時刊行です。 表題作『無職とJK』は、電撃コミックの百合アンソロジー『エクレア』シリーズにて〈連載〉。金持ちJK(素直ないい子)が、「ヒモ稼業」のお姉さんを養いたくて、グイグイ迫って行くけど……というお話。 コミカルなやり取りと、「金」というドライで生臭い物を介しても尚、お嬢様の強い恋情と、子供を思い遣るお姉さんの真摯さは、胸に迫るものがあります。 その他、一迅社・双葉社のアンソロジーと『百合ドリル』、同人誌掲載の小品が集められていますが、缶乃先生の一貫したカラーは、昏さも明るさも「しなやかに」描く、という感じでしょうか。 明るい絵柄で描かれる女子達のコミカルなやり取りから、不意に昏さが立ち現れて来る。それを明るさが救うか、昏さが飲み込むか、という物語の、どの終局からも「終わり」という声は聞こえない。聞こえるのは「続く」という声。 昏い感情も切なさも、生きている限り明日も続く。抱えて進むか、立ち直るか……いずれの物語も、へこたれなさ・次に繋げること・生きる力を表現していて、それ故に本質的に明るく、しなやか。読んでいて打ちのめされない、自然と力を貰えるような作品達だと思いました。誰か一人を選べぬ苦しみを知る #1巻応援合格のための! やさしい三角関係入門 缶乃あうしぃ@カワイイマンガタイトルはコメディ調なのに、読み進めるごとに切なくなる物語。登場人物皆が心の奥底に何かを隠し、その感情が昂る瞬間に、胸が苦しくなる。 登場人物は ●憧れの先輩を追って難関校受験を目指す中3女子・真幸 ●真幸の家庭教師になる高1の凛 ●真幸の憧れの先輩で、凛の親友でもあるあきら 主人公は真幸のように描かれるが、物語のキーマンは、家庭教師の凛。 彼女は実は「複数の人を愛する女」。そのことは誰にも理解されず、ずっと仲良しだと思ってきた大切な仲間も、傷つけ失ってしまう。その過去話も、辛い話だ。 〈倫理にもとる〉本能を持つ人の、絶望的な感情……傷つけたい訳ではないのに、存在するだけで誰かを傷つける、という凛の苦しみは、とてつもなく切ない。救われて欲しいと思うが、そのために越えるべき〈倫理〉の壁は高い。 そんな過去故に、もう友人は作るまいと思って来た凛だが、思いがけずあきらという親友を得て、さらに生徒の真幸に自分を肯定される。 意図せず新たに生まれた、大切な「三人の」関係。1巻にしてもう、波乱の予感しかない。凛と真幸の危なすぎる距離、親友としての凛とあきらの関係のおぼつかなさ、そして凛の生徒が後輩の真幸である事を、あきらが知る時は来るのか……この困難、この複雑さと切なさ、2、3巻程度で「やさしく」完結する筈がない……のか?全人類必読~なオラミちゃん愛しのアニマリア 岡田卓也六文銭同著者の『ワニ男爵』で、その唯一無二な笑いの感性にやられた者です。 その特徴は、大笑いする感じではなく、クスリというか、じわるというか、独特の言語センスが染み込む笑いを提供してくれるのです。 本作『愛しのアニマリア』も、同じ流れを踏襲しつつ、ワニ男爵よりもややテンション高めに設定されて、個人的にはドツボでございます。 握力500キロラブを筆頭に、主人公オラミが最初はネタキャラだと思っていたのですが、なんだか段々可愛く見えてくるから不思議。 ケダモノなのに、もう可憐な乙女です。 思い人の隣に住むオジサマに振り向いてもらうため、一途に、けなげに想いをぶつけていくのです。 (物理的にも。壁に穴とかあけちゃうし。) また、オラウータンだけど、ギャルっぽい言葉遣いなのも一周まわって良いです。 親友フリルとのかけあいが最高です。 恋する乙女は無敵なのだと痛感します。色んな意味で。 オリジナル・ウエディングの制作会社を経営するカップルSWEETデリバリー 鴨居まさねかしこ『にれこスケッチ』をきっかけに鴨居まさね先生を知って過去作を読み始めました。『SWEETデリバリー』は「もうすぐ2000年だ!21世紀だ!」なんてセリフも登場する20数年前の作品ですが、読んでて古いな〜と思うような違和感とか物足りなさが全くなかったです。ドラマ化したらいいんじゃないか!?と思ったら、もうしてました!そりゃそうか。でも原作とは大幅に違う筋書きだったようですね…。原作ではオリジナル・ウエディングの制作会社を経営している実与子とマコトはもう5年も付き合ってるという設定なんです。これがいいのに変えちゃったのか。仕事もプライベートもずっと一緒だけど、実与子はマコトのことが好きで好きでたまらない、だから不安になっちゃう…でも、そんな実与子をただの重い女と感じさせないのが鴨居先生の力量ですね。喜怒哀楽の心の動きにユーモアを含めてくれるから重い愛情も毒っぽくないのかな。ウェディングを依頼した新郎新婦も社員のデコラちゃんも第2の主役のような感じなので脇役らしい脇役がいない、登場人物全員が主人公のような漫画でもありました。大人の物作り部活で、ウブな恋模様。不器用な匠ちゃん 須河篤志あうしぃ@カワイイマンガ趣味友と恋愛、と聞いて ①「話が合って楽しそう!」 ②「別れたら趣味友が減るのか…」 どちらを考えるかが、その人の恋愛への「前向き度」を示しているように思う。 ②を恐れつつ、恋は①から始まりがち。 避けられない、趣味友との恋愛。 □□□□□ 歯科技工士の藍川寛乃は、武器のミニチュア作りが趣味。ずっと一人で楽しんでいたが、偶然の出会いから大人の物作りサークル「アトム会」に入会する。 鉄道ジオラマ男子、ミニチュア店舗男子、デコスイーツ女子……初めて出来た趣味友と、部室に集まって個々に制作したり、道具を共有したりと、すごく楽しそう! そんなサークルは、誰にも趣味を打ち明けられなかった藍川にとって、居心地の良い空間。大切にしたいのに…… それを邪魔するのは「恋愛」。 それぞれの思惑がすれ違い、さらには藍川の同僚も喰い込んで……時にギクシャクしてしまうサークル。しかし面倒はあるものの、それぞれが誰かを傷付けまいという優しさで動くので、そこまでドロドロしない。 それでも傷つきたくなくて、恋を諦め趣味に逃げがちな藍川。気持ちは痛い程分かるが、それで本当に幸せになれるのか?……人間関係を避けてきた彼女に訪れた、遅い初恋の行方は……? 舞台は湘南地方だが、オシャレスポットよりも、武器模型の聖地・山海堂が何回も出てきて、登場人物がみんなビックリしているのがまた可笑しい(ただのお土産屋じゃないんですよ、知ってました?)。UMA好きな辻浦さん辻浦さんとチュパカブラ 櫻井あつひとチャンピオンスキー容姿端麗で、ケンカが異常に強く、周囲からは完全無欠美少女と思われたヒロインが実は「UMA」大好きオタク、というマニアックな設定のラブコメ漫画。なかなかの暴力性と天然さを併せ持つヒロインで、序盤はチャンピオンらしいカオスな展開の話が多かったが、後半はラブコメ度が上がるにつれて普通の青春漫画に変わっていった。見所としては、辻浦さんと主人公のUMAギャグを交えた会話。デート中でもチュパカブラについて真剣に話してしまうのにはが妙なおもしろさがある。かなりの変人ヒロインなのでそういうタイプが好きな人におすすめ。 恋って友情って良いもの(ノン)フィクションラブ~このふたり、全部ウソ。~ パち子Pom アプリで出会った夏純と、純の恋愛物語。 年齢偽るなど、山あり谷ありの二人だけれど、壁にぶつかる度に乗り越えて、恋をすることって、人生が豊かになるのかな。良いものだな〜と思いました。 個人的には、夏純が働く会社の同僚2人との会話(3巻)が特に印象に残っています。ニューヨークで輝く人達バックステージ・イン・ニューヨーク オーツカヒロキPom ニューヨークへ、ファッションを学びにきたサチと、ひょんなことから出会うドラァグクイーンのポール達との交流を描いた話。 ニューヨークで夢追いって、やぱかっこいい響きです。 裏で支えてくれる人たちあってこそ表舞台で輝ける人達がいる。 色んな世界を知れるって面白い。 1巻1巻も短いので、さらっと読めるしサチとケンの恋愛模様も気になるところです。まるで血の流れないサスペンスアイム・ノット・ヒア やまじえびね作品集 やまじえびね名無しどの話にも心に傷を持った女性が登場します。その傷は簡単に癒えることはありません。もしかしたら一生そのままかもしれません。やまじえびね先生の作品を通して見るとまるで血の流れないサスペンスのようです。そうして尚更に彼女達の痛みを感じることが出来ます。中でも表題作の「I'M NOT HERE」は重みのある話です。主人公は心理カウンセラーですが彼女自身も幼少期に兄から性的いたずらをされ、母に打ち明けても取り合ってもらえなかったことを悩み続けカウンセリングに通っています。優しい恋人と身体の関係を持つことはありますが、いつも行為の途中で意識が飛んでしまうのです。実は数年前に事業の失敗で兄は失踪しており、その心労が重なった為に母が急死します。全ての苦しみから解放されたように思われましたが、恋人との行為の時の症状は治ることはなく、タイトル通りの悲しくてシリアスな結末に終わります。シンプルなようでいて絵にもストーリーにも深みがあります。どちらがきっかけでも構わないので気になった方はぜひ読んでみて下さい。 ドラマシリーズ『α』出演者4人の物語+α―プラスアルファ― くらもちふさこ名無し「α―アルファ―」と「+α―プラスアルファ―」は二つで一つのような作品ですが単体で読んでも面白いです。 ドラマシリーズ『α』を演じるキャスト4人の物語。主人公は大物俳優の父を持つ二世女優の三神妃子。最初は自分でも親の七光りであることに引け目を感じていましたが徐々に才能を発揮しています。作品を演じるごとに共演者の天水キリに惹かれていきますが、最終的に妃子の片思いだけでなく、もっと巧妙な四角関係の物語であることも分かり読み応えがあります。「α」と「+α」を交互に読んでいくと妃子の演技力も上がっているように感じるので面白いです。一話完結の物語でもあり劇中劇でもあるα―アルファ― くらもちふさこ名無し「α―アルファ―」と「+α―プラスアルファ―」は二つで一つのような作品ですが単体で読んでも面白いです。 「α」はくらもちふさこ先生らしい学園モノだけでなくファンタジーやSFなど、様々なストーリーが一話完結の形で描かれています。実は、それらは4人のキャストが演じている劇中劇という形のオムニバスなのです。「+α」では演者としてではない素の4人の物語を読むことが出来る、とても面白い構造になっています。連載は「α」を描き終えた後に「+α」を描かれたようですが、最初の単行本は一話ごと交互に収録される形で発売されたようです。どういう読み方をしても楽しいなと思いました。<<107108109110111>>
※ネタバレを含むクチコミです。