歴史マンガの感想・レビュー1574件<<3334353637>>表題の大飢饉がすごい大飢饉 本宮ひろ志starstarstarstarstarマンガトリツカレ男天明の大飢饉が元になっており、東北地方に位置する神子骨村のが中心で進んでいく。蘇助/弥二/捨蔵の3人は各自に事情がありと土地を開墾する日々が続くが、大雨や浅間山の噴火などで大飢饉が発生していく。 その際に村人の食料を奪いあうシーンや蘇助/弥二/捨蔵の関係をむちゃくちゃになっていく描写がすごい。理性があって「人」であると思うが、それは一定の生活水準があるからこそで維持的たり、よほど強い意志がないとできないというのがよくわかる。ラストも含めてすごいよかった。 一つき半次郎は「ビッグガン」にも入っていたなキングダムの元ネタキングダム 原泰久コロ蚩尤(しゆう)の元ネタってあるのかな。手塚治虫が描く巨大ロボアクション!ゴブリン公爵 手塚治虫一日一手塚古代中国の遺跡から発掘された巨像。この像こそが超能力によって操れる巨大ロボ「燈台鬼」です。巨大ロボものも描いてたんだ…という素朴な驚きから読んでみました。 燈台鬼を手に入れようとする邪悪な少年、珍鬼の目線で物語が始まる構成が新鮮で、展開が予想できないドキドキ感が序盤にはあります。 主人公、貫一が登場してからはゴブリン公爵と名を変えた珍鬼と燈台鬼を奪い合うのがメインテーマ。タイトル、『燈台鬼』じゃなくて敵の名前なんだっていうのもなんだか面白いですね。 燈台鬼に念を飛ばし動力源となるのはヒロインの愛愛ですが、肩に乗って指示を出し実際に「操縦」するのは貫一です。この辺りの役割が分かれているのもロボものの妙味を抑えてあって楽しい。 破壊の化身として作られた燈台鬼が正義の心に目覚めたり、敵に機体を乗っ取られたり、ライバルヒロインが登場したりと今に連なるロボットアニメのスタンダードが大体描かれているのが圧巻で、総理が燈台鬼の対応に手をこまねく様子なんかほぼ『シン・ゴジラ』ですよ。展開もギミックも全く古臭くないです。(もしかしたらロボアニメが変わってなさすぎるのかもしれないけど…) 後半の見所は何と言ってもゴブリンが開発した対燈台鬼用の人工ロボイドとの戦いです。海洋油田プラントでバトルが繰り広げられるのと、ライバル機らしく黒色なのがポイント高い。 クライマックスが少々駆け足かつビターなのは好みが分かれそうですが、これでもかと言わんばかりのロボットものの魅力がたっぷり詰まっています。 ロボアニメ好きな人に感想聞いてみたい作品です!大正時代を舞台にしたショートストーリーつれづれ花譚 【かきおろし漫画付】 長田佳奈名無し絵が好きだなと思って表紙買いしました。後から知ったのですがTwitterでも話題になっていたようですね。大正時代を舞台にしたショートストーリーでどれも日常のささいなひと時の話ですが、なにせ絵がすごく上手いのでちょっとした表情にストーリー以上の物語が込められていて何度読んでも飽きることがありません。私が特に好きだったのは「向日葵」の話です。舞のお稽古前に女の子2人がお互いの好きな夏について語り合うだけの本当にささやかな話なんですが、長い人生の中で忘れられてしまうような瞬間もこんなに輝いているんだと気づかされたし、やっぱり漫画で感じる夏はいいなと再確認しました。毎話登場する「花」のように美しい物語ばかりですので、ぜひ堪能してみて下さい。 ゴッドサイダーのスピンオフではなかった鬼哭忍伝霊牙 巻来功士マンガトリツカレ男タイトルに鬼哭と付いていたので、「銀牙 -流れ星 銀」のスピンオフである「銀牙伝説 赤目」のような鬼哭一族の祖先の話かなと思って読み始めたが関係はなかった。 時代背景的には、織田信長の天正伊賀の乱あたりから秀吉が生きているあたりなのかな。長期連載とか前提だったのか全2巻のうち1巻はタイトルである「鬼哭忍伝霊牙」の鬼哭霊牙は登場せず、両親の鬼哭霊馬と胡蝶がメインで話が進み鬼哭霊牙の活躍は2巻以降になる。鬼哭霊牙が両親の復讐のため戦い続けて復讐先である秀吉の前まで行って最後に敵に囲まれてどうなるかというところで終わった。 イギリスの青年が中国から「茶」を盗み出す…!Fの密命 秋月カイネ名無し2、3年前にWEBアクションで連載していて楽しみにしていた壮大なスケールの作品。イギリスの労働者階級や、中国の官吏。当時の人々の暮らしや政治情勢が丁寧に描かれていて読み応えがある。 特に、中国の奥地に茶樹を探しに行く中で、もっと掘り下げて読ませてほしいと感じさせる魅力的な部分がたくさんあって、本当に2巻で終わりなのが惜しい。 いつか海外ドラマの原案とかになってほしいな…。 http://webaction.jp/webcomic/tsmF/歌を軸にした小夜子の人生昭和ファンファーレ リカチPom 結構グッときたた話だった。 小夜子、小さい頃から芯が通ってて強い。 そして本当に映画の世界に入って右葉曲折ありながらも活躍していくからすごい。 軸がブレない小夜子に、読んでるうちに同じ女性目線で惹かれてました。 後半、小夜子が年齢を重ねると同時に起こる戦争は辛いものがありましたが、人間の命の尊さ、生きる強さ、人と接することの喜びなど、この物語を通して昭和の時代背景が教えてくれるものは多い気がします。 クラシック豆知識をしっかり学べるギャグ漫画フロイデ 車戸亮太名無し天国にある音楽の都ウィーンで偉大な音楽家たちが死後も作曲しまくってるギャグ漫画。誰もが知ってる音楽家がたくさん登場しますが、ギャグの合間に挿入される大量の偉人豆知識が全部破天荒すぎて、本当に天才と変人は紙一重だなと思いました。ギャグとして好きだったのはモーツァルトも映画「アマデウス」に感化されてサリエリを犯人扱いするところと、超絶技巧が有名なリストはスマホを打つのも早かったところかな。クラシックに詳しくなくても面白かったです。戦争体験者の人生過去になんかできない!!! はしもとみつお 香川まさひとひさぴよ戦争で負った“痛み”をいかに後世に伝えるか…というテーマのヒューマンドラマ作品。 最初の1・2話目こそ、はしもとみつお氏の鬼気迫る作画もあって、戦争の惨さを存分に伝えてくれたが、それ以降、現代に至るまでのストーリー構成やメッセージ性にはチグハグ感があるのは否めなかった。 主人公の戦後の人生を、長い時代を経て追体験できるという構成は良い。しかし、731部隊やハンセン病の話など強引に差し込んでるとしか思えない話もあり、ただ触れてただけで掘り下げてはくれない。実体験というわけでもなく、参考文献もないので、あくまで創作の要素が大いにある、ということに留意したい。 ページをめくると、いつの間にか時代が進んでたりして、時代感覚を意識しなければどの時代の話をしてるか分からなくなったりする。戦後から2003年までが描かれるが、その時々の時代の空気を想像しながら読むと面白い。もっと早く読むべきだった...ヴァラナシの牙 山松ゆうきち 沢本英二郎starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男山松ゆうきちは好きだし、沢本英二郎も知っていたので発売していたのを知っていたが電子書籍にもなってるしいつでも読めるなと思って読んでいなかった。 今確認したらkindle unlimitedで読めることを知ったので読んだが想像以上によかった。この漫画を山松ゆうきちの作画でやったらそれはそれで面白いと思いますが沢本英二郎の作画の方が読みやすいそうな気がします。 山松ゆうきちの好きな漫画を聞かれたら今までは「インドへ馬鹿がやって来た」「くそばばの詩」「サイキール リクシャー ワーレー キ ドカーン」「ニッポン玄人考に入ってる殺し屋の漫画」だったがそれに追加で「沢本英二郎と組んだヴァラナシの牙」というね いや〜凄い漫画があったもんですヴァラナシの牙 山松ゆうきち 沢本英二郎starstarstarstarstarひさぴよいや〜凄い漫画があったもんです。なんかもう凄すぎて一気に読んで放心してしまいました。アレですね、映画館で素晴らしい映画を観終わった時の感じに近いです。とにかく凄いという言葉しか出てこないので、クチコミを書くことを諦めてしまいました。じゃあどういう漫画なんだ?と詳しく知りたいという方は、V林田さんの「ヴァラナシの牙」紹介記事を読んでみてくださいな。この記事が最良のパンフレットになることでしょう。 https://manba.co.jp/manba_magazines/11176その意気や良し大江戸恐龍伝 夢枕獏 やまあき道屯(とりあえず)名無し夢枕獏の小説は、漫画化してもあまり売れない…と、昔、知り合いの漫画関係者から聞いたことがある。 いやいやいやいや、岡野玲子との『陰陽師』があるし、谷口ジローとの『神々の山嶺』は名作だし、板垣恵介との『餓狼伝』だって売れたでしょ!…と反論したのだが、先方は「そうなんだけどねえ…」と言葉を濁した。 (ちなみに、この会話は「それに比べると菊地秀行の漫画化は数字的にかなり手堅い」と続いた。その比較について考えるのはとても興味深いのだが、このクチコミと主旨がズレまくるので触れない) 実は彼とは、かつてボクシングについても同じようなやり取りをしたことがある。 ボクシング漫画って売れないんだよねえ…と言われ、いやいやいやいや、『あしたのジョー』や『がんばれ元気』や『はじめの一歩』とか、ド名作があるじゃない!…と反論したのだ。だが彼は「いや、それはそうなんだけどね。でも、漫画家は描きたがるんだけど、かなり実力がある人でも、あまり上手くいかないんだよ」と答えた。 「夢枕獏」や「ボクシング」は、多くの漫画家がそれに魅了され、漫画にしたいと願い、そして実際に挑戦するのだが、作品的にもセールス的にもなかなか送り手が期待するような結果にならない、と言うのだ。 そう考えると、確かに、夢枕の小説が持つ破天荒な面白さを、漫画というフィールドに結実し得た作品というのは、あまり思い浮かばない。 上記三作はそれぞれの漫画家の類い稀な個性によって「面白く」なったのだが、あくまで「例外」ということなのか。 そういう意味では、スティーブン・キングの映画化と近いかもしれない。 (ちなみに、ボクシングについても、「村上もとか『ヘヴィ』や細野不二彦『太郎』といった意欲作が彼らの豊かなキャリアの中でどんな位置か」とか、「明らかにボクシング漫画を指向していたにも関わらず森田まさのり『ろくでなしBLUES』はなぜそのジャンルとして失敗したのか」とか、「車田正美『リングにかけろ』が正統的ボクシング漫画であることを止めてから売れたのはなぜか」とかを考えるのはとても興味深いのだが、これもやはりこのクチコミと主旨がズレまくるので触れない) 前置きが長くなりすぎた。 とにかく、夢枕獏の漫画化は「難しい」のだ。 しかし多くの漫画家や編集者は、この魅力的で危険な「賭け」に、今も挑み続ける。 やまあき道屯『大江戸恐龍伝』は端倪すべからざる作品である。 原作の、江戸期のスター・キャラをズラリ並べて荒唐無稽・縦横無尽に突っ走る面白さに、漫画家は必死に喰らいついている。 構成は少しダイジェスト感があり、いかんせん詰め込みすぎではあるのだが、熱気と主張ある絵柄で美事なコミカライズとなっていると思う。 近年の収穫と呼ぶに相応しい力作だと信じる。読み応えある短編集今日の授業は良い授業 左藤真通hysysk世界で一番大変と言われる中国の官僚試験を描いた『儒林外奇譚』がまず素晴らしい。『みるせん』は将棋と自意識が複雑に絡み合った不思議な作品。強くなることだけが全てじゃないことを教えてくれる。『デバッガーノリコ』はゲーム会社時代を思い出した。表題作の『今日の授業は良い授業』は劣等生を教える塾講師が主人公の、心温まる話。 どの話も設定と目の付け所が良いなと思う。実体験が元になっているものも多いようだけど、人生の楽しみ方を知っているというか、何事にも面白みを見出すタイプなのだろう。 狼に育てられた少年が人を斬って斬って斬りまくる #1巻応援九国のジュウシ 西公平名無し狼の母に育てられた少年が主人公。人を斬ることに抵抗がないような野生児ですが殺しの腕は抜群で、老いた母のエサにする死体を探す為に出かけた戦場で将軍に認められ同盟を結ぶことになる程です。この二人の関係は後の「岩屋城の戦い」に繋がります。初めて知ったのですが戦国時代でも最も激しい寡戦(700対50000!!!!)の一つと言われているそうです。第1巻でも人を斬りまくって死体がゴロゴロ出てきますが、絵力は強いのに全然怖くないし、笑える場面がたくさんあるのがいいです。さすがギャグ漫画家だと思いました。 私が笑ってしまったお気に入りの場面は、将軍の息子が落ち込んだ時に主人公の母である狼を見ることで癒されてたアニマルセラピーの場面と、その母が亡くなった時にたくさんの花と一緒にエサにするはずだった人間の頭や腕を埋葬している場面です。特に最後は残酷なのに笑っちゃう名場面だと思います。邪智暴虐の「アーサー王伝説」がヤンマガで開幕!!!皆殺しのアーサー 古閑裕一郎名無し※ネタバレを含むクチコミです。3人のアドルフが登場する大河ドラマアドルフに告ぐ 手塚治虫かしこ手塚治虫で好きな作品ってなに?トークをした時に「アドルフを告ぐ」と言う人が必ずいるじゃないですか。なぜかやけにツウっぽく見えるんですよね。ずっと気になっていたのですがようやく読みました。面白い!ですが、私の一番はこれじゃないな…というのが率直な感想です。 ヒトラーの話というのは知っていましたが、他に2人のアドルフが登場する、物語の半分は日本がベースになっている、中東戦争まで描かれている…などなど、あまりのスケールの大きさに驚きました。それにミステリーとしても人間ドラマとしても読み応えがすごいんです。どんなに風呂敷を広げても最後まで面白いってまさに神業ですよね。私が読んだ単行本には手塚先生のインタビューが収録されていて、もっと描きたいエピソードがあったとおっしゃってましたが、もう十分すぎるくらい完璧ですよ…!と思いました。 画力が大暴れZINGNIZE わらいなくさいろくKEYMANやニンジャスレイヤーで御馴染み、わらいなく先生の新作。 白い部分が少ない!墨が大暴れ! 甚内達の強引な仁義の通し方が男らしすぎて素敵なのと、戦闘のスケールがニンジャ並に忍者なのでこの見開きどうなってんだwみたいな雰囲気で読み進める読解力が多少必要かもしれない。 今後の展開もスゴイのであろうなと楽しみ。 あとヒロインが可愛くておっぱいがデカいし女性モブですら可愛い。大事。愛を語るならば先ずはこれを読まれよ鉄門海上人伝 とみ新蔵かしこ愛と狂気は紙一重。ついそんなことを思ってしまいながら読み終わりました。村の荒くれ者がふとしたことで人を殺してしまい、惚れた女と泣く泣く別れ、仏門に入り、旅をする中で人々を助け、最後には即身仏になる…。なんとも激しい一生ですが、その昔に実在した人物なんですね。てっきりとみ新蔵先生の演出だと思っていた信じられない展開の数々が実話だとは。1970年に「週刊女性」で連載され、部数増加に貢献するほど人気だったということにも驚きましたが、当時の主婦の方々がハマった理由はなんとなく分かる気がします。まず劇画タッチで描かれる鉄門海上人が男らしくてカッコいい。あと惚れた男が僧侶になった女の心情を綺麗事ばかりじゃなく描いてるところがいい。私も「こんなのもらったってどうしようもないんじゃ!」と思いましたもんね。いやでも二人の愛は本物です。最後にはこんな成就の仕方があるのかと感動しました。料理漫画的こんなんじゃダメだガシャーンの前にご一読くださいしょくだま【単行本版】 風童じゅん野愛料理漫画でよくある「こんなんじゃダメだガシャーン」「これは失敗作だバシャー」みたいなシーンに心を痛めたことはありませんか。わたしはあります。 そりゃ野菜とか牛乳とか腐らせてしまったこともあるし、子どもの頃に給食を残したこともあるし、いついかなるときも食べ物を無駄にせず生きてきたとは言えないけれど…まだ食べられるものを捨てるというのは罪深い行為だと思う訳です。 そんな食べ物ガシャーン系主人公に読ませたいのがこの作品。 御膳所で不可解な死を遂げた主人公・魂之介の父。なんと父は粗末に扱ってきた食材の魂に呪い殺されたのだという。 その呪いを解き、成仏させなければ魂之介も呪い殺されてしまう…。 見てるか!?(ごく一部の)料理漫画の主人公よ!!と言いたくなるようなあらすじです。 人間から見たら野菜も魚も肉も食材ではありますが、もともとは命であるということを様々な角度から教えてくれます。 食材が人間に見える呪いがかかったお話はなかなかグロい描写がありますが、命をいただくってこういうことなんだよなあ…。 命によって生かされているということを改めて学べた作品でした。 ここまで読んでくれた方にはもちろんこの漫画を読んでほしいけれど、それ以上に失敗だガシャーン系の料理漫画キャラに読んでほしいです…! "田中"だから歴史を変えられる、中国歴史ファンタジー #1巻応援項羽と劉邦、あと田中(コミック) 亜希乃千紗 古寺谷雉 獅子猿sogor25普通のサラリーマン・田中はある日コンビニを出た瞬間に秦の時代の中国にタイムスリップ。そこから、項羽や劉邦など、歴史上の英雄たちと出会い、さらにその後の中国の歴史を大きく変えていくという物語。 普通の日本人のサラリーマンが古代中国で歴史の中心に導かれていくというメインのプロットを動かすための、個々の設定の配置が絶妙な作品。過去の異国への転生から田中が生き抜くために必要な要素が違和感なく、かつこれしかない!という形で使われている。歴史ファンタジーとしても良くできていて、三国志等の中国史の物語が好きな人には新鮮な切り口で刺さりそうな作品。 1巻まで読了マンガ自体も面白いが勉強になる公家侍秘録 高瀬理恵starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男江戸時代後期の京都が舞台で日野西家の心優しき当主・晴季と食いしん坊姫・薫子に仕える青侍の天野守武の三人が中心に物語が進む。主人公は天野守武で青侍とは別に日野西家に代々伝わる宝刀『粟田口久国』を守る《刀守り》の役目があった。刀守りとしての仕事もあり、貧乏公家を支える仕事や同じ「守り仲間」の話など話数が短いのでテンポよく読めるしので全く飽きなかった。あと薫子が食う甘味がどれもむちゃくちゃうまそう 公家の言葉や文化なども細かく紹介されてたので公家のことを知るいい機会だった。 「刀守り」という仕事は実際にあったのかなかったのかが最後までわからんかった。個人的には存在して現代まで生き残っていて欲しい職業だし、これからどんどん新しい《○○守り》が出てきて後の世の中に一つでも多く残して欲しいものだ。 全然話は変わるけど、この作者のマンガが好きで20年以上読んでいて、小学館新人コミック大賞・1993年度前期一般部門受賞作【上意】や文藝春秋増刊のも持ってる。 うーん風光る 渡辺多恵子名無し※ネタバレを含むクチコミです。 世界中の戦士がやってくるアパート三丁目雑兵物語 グレゴリウス山田ななし十三世紀のハローワークとか竜と勇者と配達人の作品ということで買ったけど長らく積んでいたやつ。 日本の足軽を始めとして、ドイツのチュートン騎士団とかイスラームのアサシン、アステカのポチテカ、北欧のヴァイキングなどなど、大量の「戦士の女の子」が主人公が大家を務めるアパートにやってくるゆる〜い話。 ノリはゆるいけど、歴史的情報は細かく描かれていて好きな人にはたまらないと思う。 ヴァイキングの兜にツノは後世の創作で実際には無いって初めて知った。思えば幸村先生の私物にもツノはなかったと気づき興奮した。 https://natalie.mu/comic/news/333910「人間」アレクサンドロスの物語アレクサンドロス 安彦良和みど丸本作を読んだのは高校3年生だったか大学に入りたての頃だったか…。受験で世界史を選択したのですが、古代史の勉強範囲で最もワクワクさせてくれたのがアレクサンドロス3世の記述でした。 安彦良和先生の表紙とマンガっぽくないハードカバーの装丁に心躍ったのをよく覚えています。 まず見どころはアクションシーン。大軍勢が見開きで激突し、長槍と軍馬がひしめき合う合戦のようすはスペクタクルに満ちています。 迫力の戦争シーンと並行し、作中ではアレクサンドロスがどんな人物だったのか、帝国の後継者のひとり老リュシマコスの回想の形で語られます。 作中、アレクサンドロスは決して一面的な英雄として描かれることはありません。 ダレイオス3世との因縁を制し、世界を征服した男。果てない破壊の旅路に乗り出した暴虐の王。病に倒れ、大勢の兵に見守られながら逝った最期の姿…。 悩み、過ち、殺し、壊し、そして愛し、愛されながら、自身の夢を追い続けたのが「人間」アレクサンドロスなのです。 クライマックスのリュシマコスのことばは圧巻です。 アレクサンドロスが存在した結果として、数多の人間が歴史の闇に消えていったこと、自らもそのひとりであることをリュシマコスは伝え、残そうとします。 アレクサンドロスのせいで多くの人間が犠牲になった、それでも彼が為したことの巨大さ、彼に関われたことの誇らしさを伝えたいという気持ちが迸るシーンです。 歴史上のできごとは、当たり前の話ですが誰かが語り継がなければ消えていってしまいます。 今日に至るまでアレクサンドロスがいかに多くの人を惹き付けてきたのか、リュシマコスの最期のことばを噛み締めながら、改めて思いを馳せました。<<3334353637>>
天明の大飢饉が元になっており、東北地方に位置する神子骨村のが中心で進んでいく。蘇助/弥二/捨蔵の3人は各自に事情がありと土地を開墾する日々が続くが、大雨や浅間山の噴火などで大飢饉が発生していく。 その際に村人の食料を奪いあうシーンや蘇助/弥二/捨蔵の関係をむちゃくちゃになっていく描写がすごい。理性があって「人」であると思うが、それは一定の生活水準があるからこそで維持的たり、よほど強い意志がないとできないというのがよくわかる。ラストも含めてすごいよかった。 一つき半次郎は「ビッグガン」にも入っていたな