日本文芸社マンガの感想・レビュー438件<<910111213>>それは恋というものなのものかげのイリス 艶々starstarstarstarstar野愛狂おしいほどの、身を焦がすほどの恋に出会うこと。それは幸せなことなのでしょうか。 何もない日々を過ごす真面目な高校生・利也が謎の美女・七彩と出会い、性に目覚め恋に落ちる物語。 七彩との出会いによって、年下の恋人や母親と過ごす利也の日常は変化していきます。 知り得なかった彼女たちの女の顔を知り、穏やかな居場所を失くし、日常を失くし、七彩以外見えなくなっていく利也。 恋を知らなかった頃と知ってしまった後の利也の顔つきの変化が素晴らしく、艶々先生の表現力に改めて感嘆させられました。 艶々先生の描く生命力に満ち溢れていながらも、儚くて美しい女性が好きなのですが、この作品は少年から大人へと変化していく利也の表情が何より印象的でした。 狂おしいほどの、身を焦がすほどの恋。 溺れている間は幸せなのでしょう。 しかし、ひとつの恋を終えて焦がれた身体と甘い記憶だけを抱えて生きるのはあまりにも辛く苦しいことのように思えます。 それでも、ラストシーンの利也は穏やかな笑みを浮かべているように見えました。 物語を見届けて、艶々先生の言葉を読んで、ひとつの恋を終えたあとの甘い痛みのようなものが、胸を締めつけて離れないのです。304号室に現れる謎の怨霊デスホテル ハセガワM名無し※ネタバレを含むクチコミです。おっぱいか野菜かどっちかにして、というある意味贅沢な世界観ベジたべる 鹿島麻耶野愛おっぱいか野菜かどっちかにしてくれ!! 大人なんだからおっぱい出てこなくても野菜食べるよ!! エロと飯は分離してくれ!! とは言いつつ野菜レシピはめちゃめちゃ参考になります。別に彩芽さんはおっぱいをフックに野菜食わせようとしている訳ではないので冒頭の発言は言いがかりです。 出てくる野菜レシピを真似すれば自然に栄養吸収の効率よく野菜が食べられるので食育的な観念でもいい漫画だと思います。 ラッキースケベはもうちょっと少なくていいなあ、飯漫画だしなあとは思っちゃうけども。でも彩芽さんかわいい。続きが待ちきれない警部補ダイマジン コウノコウジ リチャード・ウーstarstarstarstarstarさいろくクロコーチが好きだったのだけどこの作品の存在に気づいていなかった。 昨日1巻を読み始め、今6巻を読み終わって7巻が待ちきれない。ゴラクを買うしかないのか…! 深淵の闇に潜って光るダークヒーロークロコーチ コウノコウジ リチャード・ウーstarstarstarstarstarさいろくダークヒーローにハマって早数ヶ月、「警部補ダイマジン」を読んでてこいつを思い出した(実際シルエットだけ出てくるんですが) クロコーチはダイマジンと比べると演技派で、頭の回転も更に早く、ブサイクでエゲツなくて憎めない悪の警部補であった。ダイマジンも好きだけどクロコーチもよかった。 よく出来た壮大な刑事ドラマを見ているような気持ちになれる素晴らしい作品。プレイがエスカレートし過ぎでは…しおりの日記 艶々名無し回を追うごとにエスカレートしてるな… プレイ日記を全部読んでる夫もヤバいわ… あと「若いツバメ」って表現ひさしぶりに見た気がするw人の振り見て我が振り直す漫画癒されたい男 月島冬二名無し自分にも主人公と似たような要素があるのですが、この漫画を読んで「めちゃくちゃきもいな」と思ったので、こういうこと考えるのやめようと自然に思えました。ありがとうございます。冤罪だけは…絶対に許さねエ…!!横浜ロック 前田治郎名無し今月初めて読んだんだけど、かなりよかった。 痴漢冤罪っていう時事ネタをうまくフィクション化してて、手口にそれっぽいリアリティを持たせている。ダミーとかいう謎のハッタリもあったけど、あれはあれで良かったかも。 そして、なにより犯人の顔のひと目見て分かるヤバさが堪らないね。昏睡から目覚めたジジイによるハードな復讐劇!!鬼ゴロシ 河部真道starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)まだ読んでるところ4話目だけど、かなりハードで面白い!! 街のヤクザたちぶっ倒しまくって無双していた主人公が、5人の仮面被った男たちに嫁と娘を殺され、自分の頭に銃弾ぶっ込まれて植物状態で15年刑務所にいて、出所して子分にお守りされながら飲み行ったら潰した組のやつに包丁ぶっ刺されて道端に放置されて警察に見つかって連れてかれて、運悪く近くで起きてた一家殺人事件の重要参考人として尋問されたら、刑事が自分の家族殺した仮面のやつと同じ話を始めて・・そして、15年の眠りから意識を取り戻す!!!!ここまで一話!! ここから凄絶な復讐が始まる!!!! 熱い!!熱すぎる!!!! 河部真道先生の漫画は、鎌倉末期の『バンデット』、近未来のディストピアを描いた『KILLER APE』と、それぞれ時代こそ違えど、濃くて熱い殺し合いの物語が展開されてきた。 そして今回、ついに現代! そしてこの土地では過去から鬼憑の伝説があるということで土地の背景と業も背負っている!! これからどうやって復讐していくのか、5人は一体誰なのか、ミステリー要素もありつつ楽しみすぎる~!!! 早くも実写映画化してほしい!江戸前の旬の孫弟子のマンガ北の寿司姫 九十九森 さとう輝マンガトリツカレ男江戸前の旬関連作品とは知らず読み始めたが開始数ページで旬が江戸前の伝説的な寿司職人として登場してそこで江戸前の旬関連作と知った。 努力する寿司の天才であるさくらが寿司修行をして最終的に大会に出るという内容。江戸前の旬を読んでいなくても楽しめるし「江戸前の旬」を知ってるとより楽しめるマンガだなまさに戦国武将の死に様こそが、漢の生き様シニザマ 宮﨑克 細川忠孝名無し漫画ゴラク2020/2/14号より連載開始。戦国時代を駆け抜けた武将の死に様を描いた作品。一話で一人のペース。 いまのとこは足利義輝、松永久秀。画力もさることながら戦国武将の死を「死亡カルテ」と称したり、松永の死を「子供向け番組の怪人のように爆死した」といえる台詞センスが素晴らしい。今後も楽しみだ良質なサメパニックマンガ #1巻応援惨劇海域~シャークパニック~ 佐伊村司ANAGUMAサメ映画は好きで結構見るんですがマンガだと『バスタブに乗った兄弟』くらいしか知らないな…と思って手に取りました。シャークパニック。何が起こるか全部わかるいい副題ですね。 気になる本作のサメはオーソドックスな巨大ザメ。地元の漁師と戦いを繰り広げた伝説を持っていて、主人公たちの中型ボートと同サイズくらい。デカすぎもせず小さくもない、リアルなデカさが怖いタイプのサメです。 パーティ7人も地元でくすぶっている主人公、気立ての良い親友、ちょっといい雰囲気の女の子、東京にかぶれたいけ好かないヤツなどバランスよし。誰から食われていくか読めないのがいいサメコンテンツだと思っているのですが、本作でもテンポよく犠牲者が積み上がっていきます。 1巻のヒキもまさに見たかったものを提供いただけてお腹いっぱい。とにかくサメに期待していることは大体味わえると言っていいでしょう。安心して読んでほしいです。 王道をいくサメパニックマンガ、満足感がありました。写真漫画という、静止画の魅力が香る作品東京シャッターガール 桐木憲一名無し写真も漫画も静止画だが、 ともに静止画の良さを追求しながらも やはり動画を超えようとする試みも今までには 数多く執り行われてきただろうと思う。 とくに漫画はページ展開やコマ割り、 効果線というのかスピード・動きを表現する線などの書き込みなど 様々な表現方法が研究され発表されていると思う。 しかし今の時代はテレビ・映画・アニメ・Youtubeなど 各種の動画が普及し氾濫し、プロからアマまで 見る側も作る側も浅くも深くも動画に 当たり前に接することが出来る時代になっている。 例えば東京歴史案内とか観光ガイドとかでも 簡単に見やすく楽しく判りやすい動画が Youtubeなどで手軽に閲覧できる。 だがそれでも「東京シャッターガール」からは けして情報が少ないとか古いとか 「つまらない」というものではない、 そう思わせてくれるものを強く感じた。 静止画が動画を超える、とまでは言わないが 動画にはない静止画の良さと言うか、 余韻とか名残りとかを感じさせてくれるものがあると感じた。 「東京シャッターガール」は多分にそのへんを 伝えたかった漫画なのではないかと思う。 通常の漫画と比べると、効果線というのかスピード線というのか、 動きを漫画的に表現する絵が殆ど無い。 とはいえ、全く無いわけでもなく 流鏑馬のシーンとか路面電車のシーンとか、 ときどきはそういう線画を加えたコマも出てきたりするんですよね。 このへんに作者の先生の考え、表現方法の機微があるようで 色々と想像してしまう部分があったりしました。男の作法は万人に通ずる男の作法 池波正太郎 なかじまもりお名無し池波正太郎の「男の作法」を漫画化したもの。『男の』とはいうものの万人に通ずる「粋」を学ぶことができる。台詞回しや空気感が独特でいい1巻読んでみたよ!江戸前の旬 九十九森 さとう輝やむちゃドラマ化が決まったというので1巻初めて読みました。 実はほんとに初めて読みました。私の中では築地魚河岸3代目とほぼ同じ内容でしょ?っていうイメージだったんです。築地魚河岸の方は結構好きなのですが…なんだろう、比べてみるとちょっとほのぼの感が足りない?いや魚河岸と寿司職人じゃもちろんちがうんですが。厳しい。空気が。 それでオヤジさんがまぁえらい男前。 インターネットで江戸前の旬と検索したら読む前に読め的なブログがあって、雑誌連載を少しづつ読むのがちょうど良く、まとめてコミックで読むのは向いていないと書いてありました。天才の所業ラブラブエイリアン 岡村星野愛一巻無料だったので試しに読んでみたら腹筋攣るレベルで笑った。 いわゆるガールズトーク的なやつかと思ったらレベルが全然違う。超ハイクオリティで下品すぎて逆に知性すら感じる。 ケツにケツって落書きするのはまだ可愛いけどI'm FUCK FUCK MEはまじで天才の所業。どの宇宙で修行したらそんな面白いこと思いつくの?天才すぎて嫉妬するレベルだしこんな楽しい友達が欲しい!!原点にして頂点の酒漫画酒のほそ道 ラズウェル細木野愛原点にして頂点という言葉をこの漫画に捧げたい!! 現代的なアイテムや背景が登場すればするほど、時代感のアップデートされなさが浮き彫りになっていく酒のほそ道。 楽しく美味しく呑めればいいじゃないかと言いながらもめんどくさい酒呑みばかりが登場し、でも結局みんな楽しければいいじゃないかというところに収束していく酒のほそ道。 アプデ前の人も後の人も、楽しくなるまで呑んで食べればそれでいいよね。自分がよければいいの極地がここにある。みんな自分勝手に楽しければいいんです! という空気感が絶妙に好きなんですよね。 めんどくさいこと言いながら、干渉し合っているよいでありながら自由に酒を楽しんでいる宗達がなんだかんだ好きなんだなあ。 自宅でつまみを作りながら酒を飲む回はレシピ漫画としても重宝するし、一人酒も飲み会もちょっといい店もいろんな酒の楽しみ方が学べる(?)のもいいところ。 時代に迎合することもなく、自分の信念を押し付けることもなく、適度にめんどくさいリアルなスタイルを貫いてくれる酒のほそ道が好きです。 誰よりもめんどくさいカスミちゃんがどんどん宗達に影響されてるのかわいい。めんどくさかわいい。復讐のため地獄の地下監獄へ入った男アンダープリズン 宮尾行巳名無し※ネタバレを含むクチコミです。純愛投資学編ミナミの帝王 天王寺大 郷力也名無しいまのところ普通の投資詐欺っぽいけど。。 流れが予定調和にならないか心配 純愛と投資学、最終的にどっちをとるかみたいな話なんだろうか女の一生5時まで待てない 艶々野愛艶々先生の描く女性の生き様が好きだ。 性別うんぬんではなく人間ですもの、強いだけでも弱いだけでも生きてはいけない。善も悪も可愛いもかっこいいも真面目もふしだらも全部含めて人間ですもの。 この作品の主人公・雫もそういう人間で、仕事は時間内にバリバリこなしてその後はエロいことばっかりして、二面性のある女…と見せかけて二面どころじゃないんですね。 しっかりしてるのにダメ男に引っかかってしまう愚かさも、引っかかっているように見せて自分の欲望を発散させるしたたかさも持っているんです。二面じゃなくてなだらかに一続きになっているんです。 女だもんね、いや、人間だもんね。他人が感情移入したり現状を噛み締めたりする間もなく雫の人生は展開していきます。 漫画として長い方ではないから故、ストーリーを重視すると雫の変化に戸惑うひともいるでしょう。でも、素直なだけ。感情も現状も常にアップデートされて変わっていく、それこそがリアル。 いっちばん最初に提示された「5時まで待てない」と最後に提示された「5時まで待てない」の意味合いの変わりようが凄いです。 このラストを予定してタイトルをつけてオープニングを描いたのならば、艶々先生は大大大大大大天才です。 描いてるうちにたどり着いたとしても、大大大大大大大大天才です。ハイクオリティな会話劇ラブラブエイリアン 岡村星かしこ私も本当は女友達とこんなおしゃべりがしたいんですが、ここまでぶっちゃけてしゃべれる友達がいないので、いつも一人で脳内会話をしています。女三人寄ればかしましいといいますが、こんなハイクオリティな会話をしている女達はどこにいるんでしょうか。脳の片隅でこんなこと考えてる女はたくさんいそうですが巡り会えないもんですね。 ガールズトークだけじゃなくて男の本音とか主婦の魂の叫びがメインになってる回があるのも面白いです。「俺はいま金とエロいことしか考えてないんだ!」からのプロポーズをする話が好きでした。途中でWEB連載に移行したりドラマ化したりで、主要キャラが変わったり変わらなかったりするんですが、ノリは最後まで同じです。なんやかんや主要キャラ全員が彼氏が出来たり結婚したり出産したりしたので彼女達のその後の話も気になります。続編の予定はないのかな?単行本未収録の自選傑作短編集 第2弾黒い浪漫~ロマンス~ 村生ミオ名無しどの短編もよくあるストーリーのようでいてひねりが効いているので、最初から最後まで退屈することがなかったです。『赤い恍惚~エクスタシス~』よりはサスペンスっぽいものが多い…かな…?「実録となりの夫婦生活シリーズ」はそれぞれに一話ずつ収録されてますが、どちらも面白かったです。 最初に収録されてる「結婚式前夜」が一番好きです。夫が「結婚前に言っておかなければならないことがある…!」と切り出す話で、最初は経験人数を誤魔化してたっていうたわいもない秘密だったんですが、妻が許す度に「言っておかなければ…」が増えていって、ギャンブルで作った300万円の借金、妻の友人と昨日まで浮気していた、年の離れた弟ではなく隠し子、という衝撃的な事実も判明していきます。妻の態度もどんどん急変していき、今度は開き直った妻が夫に秘密を打ち明けます…。見開きでドーンと終わるオチも面白かったです。単行本未収録の自選傑作短編集 第1弾赤い恍惚~エクスタシス~ 村生ミオ名無し『黒い浪漫~ロマンス~』よりはギャグ要素が強いです。「ビーナススマイル」では美しい資産家の未亡人が主役ですが、実年齢はどうやら若くないらしいというギャップのある設定がとても効いていました。後書きの文章を読んでも感じましたが村生ミオ先生はとても真面目な方なんですね。 一番好きだったのは「完全なる結婚生活」です。サラリーマンの夫が上司や同僚達から今夜は飲みに行こうと誘われますが「結婚記念日なので参加できません」ときっぱり断ります。周囲が「きたーっ!愛妻男」「ステキー!」と盛り上がっているところに、今度は妻から「夕飯はすき焼きとハンバーグどっちがいい?」「ワインは赤?」と電話がかかってくる。アツアツ過ぎるやり取りに笑っちゃいますが、実はお互いに内緒で浮気をしているのが夫婦円満の秘訣なんです。夫が清々しい程のドヤ顔で「相手に対して後ろめたさがあるから優しく出来る」と語っているのが印象的でした。千手観音阿修羅釣り〜!釣り師青海 さとう輝starstarstarstarstarひさぴよ「江戸前の旬」さとう輝(てるし)先生の短巻作品をいくつか読んだのだが、この「釣り師青海」(せいかい)は、特にお気に入りだ。仏教×釣りという設定が面白いだけでなく、料理も恋も、バランス良く楽しめる一冊。主人公は仏の道より釣りの道に夢中になっているダメ坊主だけど、どこか憎めない愛嬌がある。「千手観音阿修羅釣り」なる仏教ならではの派手な必殺技も面白い。ただ、必殺技を使うのは主人公ではなくヒロインの方だけど(笑) 幼馴染のヒロインが天才的な釣りの腕を持っていて、活発な性格でキャラが立っていた。この子が主人公でもおかしくなかったな。最後の方で描かれる二人の恋の行方は、読んでいてとても微笑ましいものあった。<<910111213>>
狂おしいほどの、身を焦がすほどの恋に出会うこと。それは幸せなことなのでしょうか。 何もない日々を過ごす真面目な高校生・利也が謎の美女・七彩と出会い、性に目覚め恋に落ちる物語。 七彩との出会いによって、年下の恋人や母親と過ごす利也の日常は変化していきます。 知り得なかった彼女たちの女の顔を知り、穏やかな居場所を失くし、日常を失くし、七彩以外見えなくなっていく利也。 恋を知らなかった頃と知ってしまった後の利也の顔つきの変化が素晴らしく、艶々先生の表現力に改めて感嘆させられました。 艶々先生の描く生命力に満ち溢れていながらも、儚くて美しい女性が好きなのですが、この作品は少年から大人へと変化していく利也の表情が何より印象的でした。 狂おしいほどの、身を焦がすほどの恋。 溺れている間は幸せなのでしょう。 しかし、ひとつの恋を終えて焦がれた身体と甘い記憶だけを抱えて生きるのはあまりにも辛く苦しいことのように思えます。 それでも、ラストシーンの利也は穏やかな笑みを浮かべているように見えました。 物語を見届けて、艶々先生の言葉を読んで、ひとつの恋を終えたあとの甘い痛みのようなものが、胸を締めつけて離れないのです。