『黒い浪漫~ロマンス~』よりはギャグ要素が強いです。「ビーナススマイル」では美しい資産家の未亡人が主役ですが、実年齢はどうやら若くないらしいというギャップのある設定がとても効いていました。後書きの文章を読んでも感じましたが村生ミオ先生はとても真面目な方なんですね。
一番好きだったのは「完全なる結婚生活」です。サラリーマンの夫が上司や同僚達から今夜は飲みに行こうと誘われますが「結婚記念日なので参加できません」ときっぱり断ります。周囲が「きたーっ!愛妻男」「ステキー!」と盛り上がっているところに、今度は妻から「夕飯はすき焼きとハンバーグどっちがいい?」「ワインは赤?」と電話がかかってくる。アツアツ過ぎるやり取りに笑っちゃいますが、実はお互いに内緒で浮気をしているのが夫婦円満の秘訣なんです。夫が清々しい程のドヤ顔で「相手に対して後ろめたさがあるから優しく出来る」と語っているのが印象的でした。
稀代のストーリーテラー、村生ミオがおくる単行本未収録の自選傑作短編集第1弾。恍惚の表情を魅せる女、そしてその女を抱く男。男と女、恋と愛を余さず描く情熱的な短編七編を収録。ラストはどこかハッピーエンドな、セクシーかつ大人のショートストーリー集。静かな夜に、少しのお酒と楽しみたい、そんな短編集です。
稀代のストーリーテラー、村生ミオがおくる単行本未収録の自選傑作短編集第1弾。恍惚の表情を魅せる女、そしてその女を抱く男。男と女、恋と愛を余さず描く情熱的な短編七編を収録。ラストはどこかハッピーエンドな、セクシーかつ大人のショートストーリー集。静かな夜に、少しのお酒と楽しみたい、そんな短編集です。