KADOKAWAマンガの感想・レビュー2767件<<9192939495>>ダンジョン飯久々に読んだダンジョン飯 九井諒子名無し読むとなんとなく前向きになれる 現実世界にある食料でないもので作られた料理の味も気になりつつ、ちゃんと物語が骨太で面白い 絵も綺麗クラムボンがかぷかぷ笑ってそうな世界観ハクメイとミコチ 樫木祐人野愛ファンタジックだけど体温や匂いのある作品。宮沢賢治や長野まゆみが好きなひとはこの漫画が好きだと思うし、この漫画が好きなひとは宮沢賢治や長野まゆみを読んでほしい。 幻想的だけど民話のような温度があるので、どこか知らない世界の話ではなく臨場感を持って物語に入り込める。 きっとどこの国のひとが読んでも、なんとなく懐かしい気持ちになれる気がする。 あとは食べ物がとても美味しそうなところも魅力的。 大きく切り分けられたブルーベリー食べたい…。人間のサイズをうらんでしまう…。 個人的な願望ですが、長野まゆみの『少年アリス』を樫木先生に漫画化していただきたい…。宮沢賢治だったら『シグナルとシグナレス』か『やまなし』をぜひ…。少女×人外、凸凹コンビの心の交流の物語 #1巻応援Dear NOMAN 寝路sogor25いつの日からか他の人には見えない"人ならざる者"が見えてしまう少女・ましろ。ある日彼女が出会ったのは、悪霊化した"人ならざる者"=「ノーマン(NOMAN)」を浄化する女性・バズウ。 頼まれたら断れない素直な性格のましろと、自らもノーマンであり、ある事件が理由で人間嫌いになったバズウ。ひょんなことから"契約"を結びノーマン討伐をすることになった2人の物語。 広い意味でいうと人間を脅かす悪を討伐する少年マンガのような作品なんだけど、実はノーマンが生まれる過程には様々な"思い"が絡んでいて、ノーマンという存在に注目するだけでもドラマが見える。また、少女×人外のバディものでもあり、性格も境遇も全く異なる2人が互いの秘密を知って心を通わせていく"魂の交流"の物語でもある。特にましろは小さい頃からノーマンが見えていたことから他の人に「迷惑を掛けてきた」という自責の念があり、バズウとの関わりの中でその"彼女の中にしか存在しない罪"から開放される、そんな物語でもあるように思う。 作品の構造はシンプルなんだけど、その中にいろんな要素を隠し持っている多層的な作品。 1巻まで読了害虫駆除の仕事がこん…駆除人 浅川圭司 花黒子 KT2aico害虫駆除の仕事がこんなにカッコよくおもしろくヒーローモノに描けるなんて!知ってるけど、アンテナ立ててなかった世界観のヒーローストーリーおもしろいです。ツレない釣り女子に釣られる乙女つれづれダイアリー 草野ほうきあうしぃ@カワイイマンガ初心者との釣行はメンドクサイと、ある釣り人から言われた事がある。 教えながら自分の釣りをするのは大変だ。大抵の釣り教師は、自分の釣りを半ば諦めている。なので初心者は、教師が目を輝かせて釣りの蘊蓄を語るのを、きちんと聞かなければならない。教師はそうやって、語り合える釣り仲間を増やしたいと思っているのだから……だそうだ。 十年以上前に聞いたこんな言葉を、『つれづれダイアリー』を読んでいてふと、思い出した。 ★★★★★ 橘音々子は、女子高生ながら極端な釣り至上主義者。人との交流を一切断ち、釣りのためだけに行動する。 そんな彼女を気に入ってしまった、同級生の森野アリス。何とかしてお近づきになりたいが、名前も覚えてもらえない。 しかし、アリスが「釣りに興味を示した」瞬間だけ、音々子が反応する。そして釣りについて滔々と話し、釣り方をレクチャーする。 独りで釣りをしたいという「釣り愛」と、釣りに興味のある者を無碍に出来ない「釣り愛」のせめぎ合いの結果、音々子はアリスに遭うと「チッ」と舌打ちしながら(恐っ)釣りを教えてしまう。 音々子の釣法の説明は丁寧で、魚の食べ方まで詳しい。釣りの教科書として初心者から、割とできる人でも楽しめる内容。(『週間つりニュース関東版』掲載の出張四コマが巻末にあるが、色々な釣りのあるあるが満載)陸っぱりの釣りにはかなり詳しくなれるので、初心者の方はこれを読んでから経験者と釣行すると、話が弾んで喜ばれるかもしれない。 描かれるフィールドは浜名湖。汽水域の広がる好漁場で魚種も多く、楽しそう。ウナギにまつわる回はひたすら音々子がかっこよく、必読! そして、あくまでアリスに興味が無い音々子を、アリスは少しでも振り向かせることが出来るか?という、ちょっと「片想い百合」的な楽しみ方も出来る作品でもある(出張四コマの二人の、本編との落差……これはアリスの妄想なのかも)。ふうらい姉妹ふうらい姉妹 長崎ライチ名無し絵柄が昔の少女マンガ風だけれど、ギャグセンスは最先端。ふうらい姉妹の姉は美人だけれど不思議系。妹はかわいい系でまじめなツッコミかと思ったらボケ殺し系だった。だれもこの漫画で突っ込んでくれる人がいない。内容は四コマ漫画で起承転結ある。だけれど、不思議姉の行動に妹は乗っかる感じだから不思議な感覚で終わる。ほとんどの内容はほのぼのとして面白い。たまにある毒が癖になる内容。心に疲れたときに読みたい漫画。二人の姉妹愛を感じる。女性理髪師のカッコよさ。燕のはさみ 松本水星Pom 燕の仕事に対する熱意、同じ女性としてとてもカッコいいと思った。仕事以外はダメダメなところも可愛らしかった。女性の理髪師の物語って新鮮でしたね。 創様と燕の色恋も話が進むにつれてドキドキさが増して、二人の際どい距離感、好きです。笑 最後まで飽きることなく読めました。 登場人物達のファッションも素敵で一緒に楽しめました。 面白かった! 自由研究編は、美しいオチを堪能せよ!百合ドリル 奥たまむしあうしぃ@カワイイマンガ『百合ドリル 自由研究編』はいつもの形と違っている為か、amazonでも誤解しているレビューが見られて残念なのですが、確かにお題はありませんが、きちんと固定フォーマットがあります。そこが自由研究編を謳う所以でしょう。 最初に4pの漫画があり、最後に1p締めがあるのですが、それが夏休みお馴染みのアレなので、ああ……と納得すると共に、オチに来るそれを上手く使って意図や方法論、そして百合愛を語っている先生方が楽しそうで……。 好きなことを懸命に調べたら賞状を貰ってしまったような、作者様の見事な創意工夫と熱意を堪能したいですね!中華風時代劇な医療もの!月華国奇医伝 ひむか透留たか期間限定無料だったので読んだ作品。最近この作品をネット広告で頻繁に見るのですが、それも納得の骨太な物語でした。 神話の神々が作った国・月華は、華の名を冠した七つの州からなる。蘭州に住む銀髪碧眼の西胡人の少女は、都から来た貴人の怪我を縫合手術で助けたことで都を訪れることになり…という導入。 少女漫画だしヒストリカルなのに、医療シーンはしっかり医療漫画しててすごく新感覚。絵の書き込みの美しさに負けないほど、しっかりとした舞台設定が素晴らしかったです! https://res.cloudinary.com/hstqcxa7w/image/fetch/c_fit,dpr_2.0,f_auto,fl_lossy,h_365,q_80,w_255/https://manba-storage-production.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/book/regular_thumbnail/102972/9bfa5b06-da5b-4c56-99a0-e8089d248949.jpg 世の中には「中華風・中世風・王宮風」など、フィクションから摂取した曖昧な知識をコピーして作られている底の浅い物語が反乱している中で、こういう風に「ちゃんと中華歴史小説が好きな人が書いてる」作品が読めるのは幸せなことだなとしみじみ思いました。 あとがきで知ったのですが、作者のひむか透留先生は保健師・看護師の資格を持っている中国史好きなんだとか! これだけでも鬼に金棒という感じですが、それに留まらずたくさんの資料を読んだうえで、現役の看護師の友人に話を聞いて描いているのだそう。 天空の玉座や薬屋のひとりごとなどなど、中華宮廷物語が好きな人におすすめしたい作品です! https://asuka-web.jp/product/gekkakoku/意外?とアットホームな話 #1巻応援パパと巨乳JKとゲーム実況 糸吉了一六文銭リストラされたお父さんが、女子高生の娘とゲーム実況をして元気をもらう話。 動画は編集されて、お父さんは萌えボイスに。 おっさん口調✕萌え声✕ゲーム下手なところがネット上でウケて人気者になるという流れ。そして、なぜか巨乳JKという設定のおまけ付き。 ゲーム実況の話だったので、ネット上でのユーザーとのやりとりとか、ゲーム実況のなんたるかの話とか、そういうのがメインかと思ったら、意外にも家族がストーリーの中心。 娘も娘で、バレリーナの夢を諦めゲーム実況に救われみたいな背景があり、ゲームを通して家族の優しさや絆を描いている。 お父さんも、ゲーム実況で食ってくみたいな突拍子もないことせず、普通に再就職する。 なんとも堅実的。 本当にありそうな家庭の一幕。 現実でも、本作がtwitterでバズったようなので読んでみたけど、 バズった作品にありがちな奇をてらった設定や内容ではなく、純粋に温かい家族の物語でほっこりしました。絵がかわいいからどん…見える子ちゃん 泉朝樹aico絵がかわいいからどんな話かと思えばホラー!! ひさしぶりに漫画でホラー読みました。ホラーにしては女子にも読みやすい漫画かと!戦争を女性が生き抜くこととは戦争は女の顔をしていない 小梅けいと 速水螺旋人 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチPom 戦争を知らなくて、同じ女性とゆう立場で読むと胸が苦しくなる。苦しくなるとゆう言葉も合っていないのかもしれませんが。 この時代を生きた人たちは、否が応でも上の人の命令に従わなければならない。 今の時代がどれだけ恵まれているのか、今生きていることの奇跡など、色んなことを感じ考えさせてくれる。そして知っておくことなんだと思います。 #1巻応援才能の塊夢中さ、きみに。 和山やまnyae表紙の美青年の絵だけでは想像つかないかもしれませんが、人前で読むと笑いをこらえるのに苦労するタイプのマンガです。 このとんでもなくバズっているツイートが面白いと思ったならば、絶対に読むべきです。このレベルの話があと7話分載ってます。 https://twitter.com/wymaaa/status/1160203058262921216?s=21 お気に入りは二階堂くんが初めて伊藤潤二を知った時のひとコマ。インセプション(映画)の元ネタ?ペット リマスター・エディション 三宅乱丈名無しAmazonPrime会員向けのアニメ公開もあったがまだまだ認知度が作品の質に追いついていない名作。「イムリ」「ぶっせん」の三宅乱丈が人間の心の中にせまる。 いとうせいこう「解体屋外伝」は洗脳集団と洗脳外しの対決だったが、それのマンガ化といえる。映画「インセプション」はこの漫画の影響下なのではと思ったが、三作とも「ニューロマンサー」の系譜であるという意味では、どこがオリジナルであるかという推測は無意味かもしれない。精神を「ゴースト」と呼ぶ押井守作品ではプログラミングに例えて可視化した世界を、「山」と「谷」という概念で表現しきったところはマンガ史におけるアポックだったのではないだろうか?猫かわい〜!で最後…なぜ…この物語でネコに危害はいっさい加えておりません。 羽生生純nyae羽生生先生の新連載、まさかただの可愛いネコチャン漫画だとは思ってませんでしたが… え、ちょっと、最後のそれ…どういうこと… 待て、次号!正統派のスタイリッシュ和風SF!峠鬼 鶴淵けんじANAGUMAまだ神さまが人とともに暮らしていた倭の国で、道士・役小角とその弟子ふたり組がさまざまな神さまと人智を超えた交流をしていく…というのが大筋のコンセプト。 草木の香りが匂い立つような、現世とはおよそ異なる濃密な大気を湛えた世界が高密度の筆致で閉じ込められています。 無駄のない、整理された描線でこのエキゾチックな空気感が生み出されていくギャップがたまらなくて…。表紙の題字なんかからも分かると思うんですが、超・オシャレなんですよ!スタイリッシュ! 物語の構成も王道の和モノファンタジーの妙味をおさえながら、随所で変化球が飛んでくるのが飽きさせません。 僕が一番気に入ったのが「神さま」の捉え方が、ほとんどSFをそのままぶっ込んだかのような自由さにあふれていることです。デザインも素敵。 起きる超常現象の演出も毎話ケレン味が効いているので、こういうジャンルに親しんでる方でも新鮮に楽しめるんじゃないかと思います。 とりわけ2巻分通してキマる物語のギミックは超テクニカル、和風SFココにあり! 続刊が待ち遠しい作品です。#1巻応援 サバイバルゲームの様な野人転生 小林嵩人 野人Pom 私は存じてないですが、「小説家になろう」に掲載されてる小説を題材にした漫画でした。 急に神様きて異世界に転生って、すごい展開で、内容はRPGゲームみたいなストーリー展開だなと思った。(レベル上がっていくとか身につくスキルとか。笑) 私もゲームは好きな方なので、楽しく読めました。TOKYO MXで放送休止異種族レビュアーズ 天原 mashamampuku内容については敢えて言及しませんが、アニメが地上波で放送自粛になって伝説になってしまわれましたね。 天原先生の薄い本いくつか所持していますが、本当の本物の天才(変態)だと思っています。マリコは、シイちゃんが、そばに居てくれ幸せだったよ。マイ・ブロークン・マリコ 平庫ワカ名無しシイちゃんは、マリコを助け続けて、助け続けて、戦って、自分もボロボロになってしまって。 でも、マリコが死んじゃったことで、自分を攻めてこれからも守り続けなきゃと思っているけど、もう、休んで良いんだと思う。 二人で、ひとりだった親友だけど、これからは、自分のために生きて欲しい。 『もういない人に会うには自分が生きているしかないんじゃないでしょうか・・・』という台詞があったように。 みんなどんな気持ちで宇崎ちゃん読んでるの…?宇崎ちゃんは遊びたい! 丈名無しアニメ化も決まったようですしこれは読んでおかないとな!と思い1巻読んだんだけど………すまん、宇崎ちゃんむずいわ………。 SUGOIDEKAI胸も気になるけどそれよりも、宇崎ちゃんの底抜けの明るさで心にダメージを食らうのは自分だけ…? 自分はとくに先輩に共感できるところが多く基本はマイペースでいたいタイプなので、宇崎ちゃんのような子がそばにいて彼はよく平気だなと思ってしまった。まあ可愛いは可愛いけども。 あでも喫茶店の父娘は好きです。歴戦のマンガ読みが戦慄した驚愕の才能マイ・ブロークン・マリコ 平庫ワカ兎来栄寿最近登場したCOMIC BRIDGEというレーベルは大人の女性向けの作品を多数掲載しており、非常に面白いものが増えてきていると感じます。 去年の7月16日。雨が降り、例年なら蒸し暑くなっていそうなところ、例年より10度以上低い涼しい7月となっていたあの日。コミックブリッジで新作が公開されたということで読み始めました。 写実的なバナーから画力の高さは見て取れましたが、すぐにそれまでの作品と比べても異彩を放つその内容に圧倒されました。 そしてすぐさまTwitterでそのタイトルを呟きました。『マイ・ブロークン・マリコ』という名前の強烈な新連載が始まった、と。それは、Twitter上で2番目に呟かれた「マイ・ブロークン・マリコ」という文字列でした(1番になれなかったのが悔しいのはここだけの話)。すぐに数千人フォロワーのいる作家の友人に引用RTされ、そのコメントは単行本の帯にもなりました。その日の間に面白いマンガを求めるマンガ読みに伝播し、その次の日には更に広く拡散され瞬く間に大きな話題となっていきました。 Twitter上の有志がその年の面白かったマンガに投票する #俺マン2019 では、未刊行作品ながら18位という高順位に。その前の5年間の未刊行作品トップがどういった順位だったかと言えば以下の通りです。 2014年 ゴールデンカムイ 65位 2015年 猫工船 101位 2016年 猫工船 196位(BEASTARS、映像研には手を出すな! 227位) 2017年 二兆円と、1日と、猫 47位 2018年 王様ランキング 31位 今現在絶大な人気を誇っている作品群と比べても、『マイ・ブロークン・マリコ』がどれだけ圧倒的な支持を受けたかが解ります。2020年の各マンガ賞でも確実に上位で名前を見ることになるタイトルでしょう。最早、『マイ・ブロークン・マリコ』は事件であり現象と化しています。 目の前にあるものを灼き尽くさんばかりの激情、駆け出さずにはいられない疾走感、魂を抉り取るような哀切。 ラスト1ページを読み終えた時の言葉で表し切れない感情を、タイトルを改めて噛み締めてしまう名状し難き想いを味わってみませんか。 平庫ワカさんの今後の活躍が楽しみでなりません。とってもハートフルな…やせっぽちとふとっちょ 加藤マユミPom とってもハートフルな物語でした。 舞台はイタリア。孤児のジュリアと、ダンとエリオパパ(ママは他界)の3人を軸に描かれているお話。+アレックス(犬) 美味しそうなご飯とジュリアの天然っぷりとダンのシャイなところと、エリオパパの無邪気さが、いい感じに話を盛り上げていて、とってもホッコリしました^ ^ 私はエリオパパとアレックスの脇役具合が好きだなぁ。 3巻は思春期編らしいので、待ち遠しい〜恋愛において普遍的なテーマでもある恋人の過去の相手彼女と彼氏の明るい未来 谷口菜津子starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)恋人の過去の相手が全く気にならないという人は極少数なはず。 そんな誰しもよぎったことのある思い、疑惑、心配性、ネガティブさを最大限に高めて爆発させて包み込んだのがこちらの作品。 最高に揺さぶられる。 全く付き合ったことがないわけでもないが、ロクな女性と付き合ってこなかった一郎。 流されるままに、性格もブスな女性や、自己評価低すぎてネガティブすぎる女性、占いやマルチにハマっている女性と付き合ったりして散々な思いをしてきて若干こじらせてしまった一郎。 現在、そんな一郎(28)が奇跡的に2年付き合ってるのは、性格も良くてめちゃくちゃにかわいいゆきかちゃん(28)だから余計に過去が気になってしまう。 そんなある日、居酒屋で言われるがままにゆきかちゃんの写真を見せていると隣で飲んでいた男に見られ「この女ヤったことある!超ヤリマンなのよ!しかも乱交しちゃった♡」と無茶苦茶に最低&失礼な外野がいたもんで、元来の心配性とネガティブさがムクムクと膨れ上がりいても立ってもいられなくなってしまう。 そんなときにちょうどよく?現れてしまった誰の過去でも見れる(情報を収集してシミュレーションして再現する?)VR。 一郎はどうなってしまうのか。 真実とは!? 「恋人の過去の相手が気になる」というのは「最近の若者は・・」という言葉が古代エジプトの石碑から見つかったのと同じくらい世界中で普遍的なテーマな気がする。 結婚相手以外に処女を奪われたら、奪われた女性側が死刑になってしまう国さえあるし、いろんな宗教があるが処女であることをどこでも重要視しているように感じる。 声優も処女であることを求められるというのを聞いたことがあって大変な世界だなと思う。 それほどに世の男性は処女だとか、初めての相手という部分に縛られ頭を抱えている人、女性から言わせると「キモい」人が多い。 だが、そんなのは野暮以外のなにものでもない。 今が違えば過去のことは関係ないし、相手も自分も現在が幸せであればいいじゃないかと思う。 そう、思うのだけど・・。という永遠ループの悩みがこの漫画だ。 乱交、それが事実かどうかは置いておいて、その結果にとらわれて本質を見失ってはいけない。 たとえ事実としても、大事なのはヤったかどうかじゃなく、なぜやったのか、彼女にはそこに至るまでの背景や理由があり、それを現在黒歴史として隠しているとしたらなぜ隠しているのかまで考えなければ相手の気持ちを思いやってるとは言えないんじゃないか。 相手の優しさかもしれないのに。隠したいのであればそっとしてあげればいい。 そして、本来乱交の事実を確かめるすべなど、本人に聞くしかないはずなのに登場してしまったのが、謎のVRだ。 これが事態をややこしくしてしまった。 こんな本当かどうか怪しい機械の情報をストンと信じてしまう。 本当かどうかも分からないのに。インプットした脳内の情報・願望・妄想を勝手に読み取って映像化するマシンなのかもしれないのに・・。 そして一郎は事実かどうかも曖昧な判断材料でさらなる妄執に囚われどん底に堕ちてしまう。 純文学的とも言えるテーマを新しいギミック(VR)の導入で新しく描き、素晴らしいデフォルメ具合の絵で表現されているのがめちゃくちゃにいい! 作者の谷口菜津子先生は漫画家の真造圭伍先生とご結婚されているので、もしかして一郎は真造圭伍先生がモデルだったり?と勘繰ってみたり。 1巻のあとの最新9話に出てくる女性たちの証言もよくあるというか、なんだか三者三様でリアルだけど、女性は男がいるところではあまり言わなそうな話だよなーと。でもそこは作者が女性っていうの思い出して、少し腑に落ちる。 すごく男性主観の話なのに女性が描いているのは本当に凄い。 久保ミツロウ『モテキ』や新田章『あそびあい』もそうだ。 奇しくも二人共男性っぽい名前を使っているのも面白い。 悩んでいるときに一人で思い悩んでクソみたいな考えが醸成されて突っ走る前に周囲に話を聞いているというのは、一郎がコミュ障でもないごくごく一般的な男性という描かれ方をしているからこそなんだか救いはありそうな気がしてくる。 もしくはだからこそ共感できて絶望が広がるのか。 誰しも囚われかねない妄執に区切りをつけて過去の相手ごと恋人を愛する決意をすることで有名なのが「めぞん一刻」だ。 変えられない過去を受け止め前に進む、あまりに有名すぎるあのシーンは感動的だ。 そこに到達できてようやく本当の恋人と言えるのかもしれない。 頑張れ一郎!幸せなはずの現在を、現実を見るんだ!「虫」によって導かれる切ない恋恋する寄生虫 三秋縋 ホタテユウキ しおんANAGUMA人間社会での生きづらさを抱えた潔癖症の男・高坂と不登校の女子高生・佐薙が少しずつ互いの心の穴を埋めながら惹かれていくという「年の差」ジャンルのマンガです。 ラブストーリーは正直得意ではないのですが、タイトルのインパクトと美麗な表紙に惹かれて手にとりました。結論から言うとすごいよかったです。 自分の感情が何者かによって作られたものだとしたら…というのは思春期を生きた者なら一度は考えたことがあるんじゃないでしょうか。 それでもなお人を愛せるのか、その気持ちに基づいた恋は本物なのか…というのが本作のテーマです。そこまでだとよくある展開ですが、もう一捻りあるのがゾクゾクするんですよね…。 おとなになって読むのと、中高生ぐらいの時分に読むのとでまた味わいも変わるんだろうな。見事なジュブナイルだと思います。 作画の方もあとがきで語られていましたが、物語に寄り添うかのように絵のエネルギーがグッと増していき、真に迫ってくる瞬間がとても心地よかったです。 高坂と佐薙、どちらの気持ちにもズブリと入り込める画面と物語の説得力に飲み込まれてしまいました。 どちらかというと自分も「希死念慮を抱えた薄幸の美少女なんて手垢のついた青臭いモチーフだぜケッ」と思っちゃうタチなのですが、読み終わる頃には感情プールに投げ出されて浮かんでいるような状態でした。完敗。 実は好きなのかもしれんこういうジャンルが…ということにちょっと気付かせてくれた意味でも、出会えてよかったと思える作品です。ありがとうございました。<<9192939495>>
読むとなんとなく前向きになれる 現実世界にある食料でないもので作られた料理の味も気になりつつ、ちゃんと物語が骨太で面白い 絵も綺麗