集英社マンガの感想・レビュー5008件<<183184185186187>>銭湯いいよねいいゆだね! 秋本治む温泉好きとしては銭湯マンガはチェックしたい…というわけで読んで見ました。まず銭湯とブラジル人女性の組み合わせの設定ずるくないですか!対極なものを結びつけると面白いんですよね。ちょっとエロくて温泉へと卓上旅行したい、みたいな人には「温泉へゆこう!」をおすすめしますが温泉(銭湯)を舞台にした面白い話が読みたいって人にはこれ! 東京下町あまり詳しくないのですがその辺出身の方はノスタルジックな気持ちになるのではないでしょうか。「昼のセント酒」も合わせて。透明な作家さくらももこちびまる子ちゃん さくらももこ影絵が趣味『ちびまる子ちゃん』で世に知られるさくらももこには隠れた名作がある。それは読み切り作品として『ちびまる子ちゃん』の各巻末に収録された『ほのぼの劇場』である(現在は文庫版にして上下巻にほのぼの劇場のみを抜粋したものがある)。 ほのぼの劇場は、いわば"永遠の小学3年生"まる子の前後譚であり、幼稚園生の頃からデビュー前後ぐらいまでの出来事がまちまちに描かれている。はじめて鼻血を出した日、マンガ家デビューが決まった日、小学6年生の運動会、盲腸になった日、高校3年生の失恋、はじめての雪遊び、はじめてディスコに行った夜、大好きな担任先生の転任、はじめての一人暮らし、ある友人の転校、受験生の夏、等々、能天気に小学3年生をくりかえす『ちびまる子ちゃん』本編とはうって変わり、そのどれもが人生においてたったの一度切りしか起こりえない"あの頃"として描かれている。『ちびまる子ちゃん』にしても作品背景こそノスタルジックなあの頃にはちがいないが、ちびまる子ちゃんはあくまでも過去を振り返らない現在進行形であり、つまり現在から果てのない未来に向かって描かれ、それゆえに"永遠の小学3年生"でありつづける。いっぽうで『ほのぼの劇場』は、起こってしまった一度切りのかけがえのない体験を、つまりもはや取り返しのつかない不変の過去を現在から観照して描いている。 『ほのぼの劇場』を読んでまず読者は、小学3年生時点からみて過去のまる子/未来のまる子が「まる子」と呼ばれていないことに驚きを隠せない。ここではあの馴染みのまるちゃんが「ももこ」や「ももこちゃん」や「ももこさん」と呼ばれているのである。"ももこ"とはもちろん作者さくらももこの"ももこ"にほかならない。ところが驚くもなにも、まる子にしても単にあだ名として呼ばれているだけで、それは確かにさくらももこであり、つまり少なからず作者自身の投影として描かれている。あえて作品世界の繋がりを尊重するならば、まる子=さくらももこは小学3年生のときだけあだ名"まる子"で通っていたことになるが、しかしそれにしても『ちびまる子ちゃん』に登場するさくらももこ、『ほのぼの劇場』に登場するさくらももこ、このふたつのさくらももこは単に時間軸の隔たり以上に異質さをもっているように思われる。そもそも『ちびまる子ちゃん』の劇中のまる子=さくらももこというものに対して、作者さくらももこという存在は、作品の内外のそこかしかこに介在していながらあまりに希薄すぎはしないか。平仮名で書かれた"さくらももこ"というベタすぎるペンネームからして他の文字群に混ざって雲散霧消してしまいそうである。つまり『ちびまる子ちゃん』にとって主人公まる子は作者の投影でありながら、そこに作者は不在というより透明になり姿をくらましているのである。いっぽうで『ほのぼの劇場』の主人公には、単に名前の呼ばれ方がちがうという以上に、作者さくらももこの存在がそこここに見え隠れしているようには思われないか。『ほのぼの劇場』は透明な作家さくらももこが姿を現した唯一の作品ではありはしないのか。 ところで『ほのぼの劇場』から作者の人間くささがしてくるのは、それが現在から過去を描いていることに関係してはいまいか。過去というものは今ここには存在しない代わりに決定事項であり不変である。いっぽうで未来とは可変である、可変であれば先行きはわからない。先行きがわからないという意味での不透明という言葉があるが、透明すぎても何もみえない。さくらももこの透明性とは実はこのどこまでも続く現在進行にあるのではないか。主人公が漏らすマンガは名作TIEMPO―ティエンポ― 飯野大祐たか※ネタバレを含むクチコミです。ヤンジャンの新連載でいま一番楽しみリビドーズ 笠原真樹starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)絵に見覚えあると思ったら「群青戦記」の人か! この新連載は、ちょっと面白そうな設定。 「その病気」に感染した状態で男の性器が興奮状態になってしまったら発症・変異してしまい、全身が勃起時のように血管が浮き出て膨張し近くにいる異性に襲い掛かるというおそろしい症状だ。 その病気は少しずつ社会に蔓延しつつある。 バイト先のコンビニに店長、常連客の風俗嬢、クラスメイト・・。 そして、主人公。 主人公は奇跡的に感染をコントロールできるのか、どうか。 今後の展開としてはゾンビ的なパンデミックパニックものの方向へ進むとは思うんだけど、主人公はある事情から性的なことに嫌悪感も抱いている。 もしかしたら、そこが鍵になってくるのかもしれない。 主人公は病気の力を利用し好きなあの子の救世主になることができるのか・・! この病気を抱えたまま、ヒロインとイイ感じになってもセックスはもちろん、キスすらできないジレンマと戦うことになるだろう。 感染が拡大し社会が崩壊したあと、グループに分かれ生活し始めた時に主人公は感染しながらも自我を保つ異質な存在として迫害されるのか、英雄視されるのか。 感染したと誰にも言えないときに、きっとあの親友が助けになるんだろう。 陸上をやっていた経験も生きるかもしれない。 どういう方向に展開していくのか楽しみでならない! 誰しもが内に抱えている性という怪物を本当に怪物として描くこの作品。 序盤で、日常の理不尽さ、どうしようもなさを丁寧に、リアルに描写することで巻き起こる異常事態がより際立って見えてくる。 ここ最近のヤングジャンプの新連載攻勢の中では一番期待している。和希先生らしい結末THE COMIQ 高橋和希たか最後の最後で、えげつない敵を出してくるのがやっぱ和希先生だなと思った 次はもっとミステリというよりもゲーム性の高い作品を描いてほしい弓香最高甘い生活 弓月光しん江戸くんも最高。 弓月先生の傑作。漫画史上最も好きな野良アヒル ダックニコルソン燃える!お兄さん 佐藤正名無し食肉用アヒルとして買われたが、調理直前に逃げ出して、野良アヒルとして生活をするが実体はかぎりなくホームレスに近く、作中でホームレスに仲間と認識されているシーンもある。 アヒルだが火で暖をとる、賭け事の予想をするなど人間並みに知性を持ち、それ利用して悪行を数々を行うが子供が天敵というナイスな野良アヒル。 ダックニコルソンは主人公ではなく、主人公の悪友という立場です。 最近のジャンプ読切だと断トツ忘レ者探偵 屋宜知宏にわか『アイアンナイト』『レッドスプライト』の屋宜知宏先生の読切。連載作家ということもあってか、話をすごく綺麗にまとめている。ここ最近のジャンプの読み切りだと断トツで面白いと思う。 ミステリ、能力の魅せ方、感情の機微。どれもが噛み合っている。主人公のコミカルな表情で緩急を付けているのも技巧的。特にキャッチーだけど荒唐無稽な設定を作中でちゃんと処理していたのが良かった。すこし無理があるところも話の面白さで気にさせない力がある。文句なし乙骨の兄貴ィ…呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校 芥見下々名無し現在、ジャンプで連載中の「呪術廻戦」の前日譚的な読み切り。 本編とも世界線が繋がっており、こちらの読み切りの主人公 である乙骨が名前だけ登場している。 本編もかなり面白いが読み切りの構成が秀逸。 4話構成でサクッと読めるし、台詞回しもクサすぎず平凡すぎず好感ばかり持っちゃう。 ラストシーンの乙骨覚醒〜純愛だよまではテンション爆上げ。 「呪術廻戦」がどうかヒットし、この読み切りを読む人が少しでも増えるといいな。ちば先生の傑作プレイボール2 コージィ城倉 ちばあきおしん谷口、ガンバレ!!無数の事実としての、無数の奇跡としての・・・キングダム 原泰久影絵が趣味いよいよ『キングダム』が化けの皮を脱ぎ捨てて、その本質を剥き出しにしてきたと思うわけです。これまで毎週のようにキングダムに夢中になっていながら、どうも周囲の熱狂ぶりから一歩身を引いてしまう自分がいました、自分の夢中になるポイントがどうも周囲とはズレているように思われて仕方なかったのです。 あるいは戦術的な細かな考察であったり、あるいは将軍たちの個性をマネジメント能力や経営論の名のもとにビジネス書にまでしてしまう素っ頓狂な連中、そろそろこういったものたちに厳しくノーを突き付けなければならないような気がするのです。やれキングダムから世間を語ろうがビジネスを語ろうが何を語ろうがそれはまったくの自由だが、そうすることでキングダムというこの漫画の一頁一頁に迸っている本来の魅力をうっかり見逃してしまいはしないか、そんな危惧があるのです。キングダムの魅力は、そんなふうに何かに援用されて語られるような二義的なものではないと切に思うのです。二義的であるというのは、すなわち根本的ではないということ。上記のような援用の仕草は、無数の事象の積み重ねによる幾重もの絡まり合いから途方もない事実として現前にあらわれる「いま、ここ」にあるものを単なる何かの理由からくる結果として弄んでしまう。 世間的には支離滅裂だと不評だった犬戎戦で、「元と正せば我こそが貴様らの祖、貴様らの王である」と因果論を振りかざすロゾに対して、フィゴ王は言わなかったか。 「何が王か、何が祖か、一体何百年前の話をしているのだ貴様は 貴様ら犬戎と我ら山の民は大きく違う 貴様らはこの平地の孤島遼陽に滞まり続けたが 我らは西の大山界で覇を争い戦い続けてきた 滞まるお前たちと違い、我らはそれぞれ夢に立ち向かう者」 まずフィゴ王は犬戎と山の民の違いを指摘してみせた、それはまさしく、ひとつの因果としての捏造された物語に組み入れられることへの拒否にほかならない、つまり、お前はお前だが、俺は俺だ、勝手に一緒にしてくれるなということ。その上で「我らは"それぞれ"の夢に立ち向かう者」、つまり、我らはお前が勝手にのたまう因果の物語には生きていない、我はそれぞれの目の前に瞬間ごとに立ちはだかるこの現実をしかと見据えている、ということだと思うのです。 そして最新話、散々騒がれた隊の覚醒とは、ひとはそこに因果を探りたくもなるものだが、じっさいには単なる因果とはまるで無縁の、いや無数の一瞬一瞬からくる因果のはてに荒唐無稽と呼びうるまでになった途方もない現実の積み重ね、ほとんどそのひとつひとつが奇跡ともいえる圧倒的に現前する事実また事実の一回かぎりの繰り返し、そのたったひとつとしての士気の爆発でした。 だいたい私たちはどんな因果の物語に括られようが、じぶんにこの先いったい何が待っているのか、そんなことは誰に言われるでもなくわかっているのです。同じようにキングダムの結果だってわかっているのです、秦は中華を統一して、やがて滅び去るのです。そして、ほかでもない私たちは秦が中華を統一した後の世界に生きている、そこにどんな因果があるだろうかはひとそれぞれにしても、とにかくこの事実だけはどうしてもひっくり返りようのない途方もない奇跡のような事実なのです。 U遊☆戯☆王 カラー版 高橋和希名無し最近の遊戯王はオワコンだから昔のルールはほっこりする心動かされる最後の「選択」選択のトキ 群千キリたか※ネタバレを含むクチコミです。アメフト漫画の最高傑作!アイシールド21 稲垣理一郎 村田雄介ヤウチ小学生の頃から使いっ走りで走ること以外にとりえのなかったセナが高校アメフト界随一のランニングバックになるまでの熱血スポーツ漫画ゴシックロリータの世界に開眼したBの劇場 中村明日美子starstarstarstar_borderstar_borderかしこAが1巻でBが2巻。短編集だけどAのキャラや物語が引き続きBにも出てくる。 読み手の心を動かすのがすごい上手いな。 美しいものが好きなオトナの為のおとぎ話って感じでとっても贅沢だ。 死の床にいる娘にそっくりな人形を造るように依頼された人形師の話が一番グッときた。 球体関節人形とか興味でてきちゃったなぁ…ソビエト連邦に夢を感じる名作瞬きのソーニャ 弓月光Eight不定期連載なのが残念だけど、面白い。だれか読んでる?少女漫画のヒロインはそこらの萌え漫画より可愛い子多い説灰原くんはご機嫌ななめ 八田鮎子mampukuムスっとしていて一見冷たそうに見えるが実は思慮深く、不器用なやさしさを持つそんなイケメン灰原くんにもっと心を開いて仲良くなってほしい猪突猛進ヒロインみおちゃんの話 類型のヒーローは数多くいますが、灰原くんは冷たさとやさしさの配分がとても絶妙で気持ちいいです。 ヒロインのほうも、別マらしくとにかく可愛くて底抜けに性格が良い。ただ、いくら性格がよくても思慮が浅くて空回りしがちなので、灰原くんとは良い補完関係でナイスコンビ。 別マヒロインは花ゆめ系とは別の意味で理想が詰まってる感じでよいですね。 最初の1巻の構成が、とくに最後の数ページの畳みかけが素晴らしく、噫これぞまさしく胸キュンであるなと感動してしまいました。無敵かぁ思うたらここは今から倫理です。 雨瀬シオリ正解は越後製菓センセ、無敵かぁ思うたら あんたも人間じゃのう? 安心したデェ これから楽しみじゃ予告犯予告犯 筒井哲也名無し3巻なので一気に読んでほしい… 映画にもなった予告犯、漫画はどんなもんかと読んでみました。 めちゃくちゃ面白いしブレないし感動する… 誰もが思ってるような社会に対する鬱憤や、時事ネタ、サイバー犯罪なんだけど身近な問題を絡めてあったりして物語にすっと入っていけます。どの登場人物にも共感できます。この人は何がしたいんだ、この人の行動原理は何なんだと終始興味が湧きます。起承転結の結も予想外で本当映画一本見てるかのよう… 一気に読んでその余韻にしばらく浸ってほしい作品。少女漫画とスポ根の融合!2.43 清陰高校男子バレー部 山川あいじ 壁井ユカコ名無し壁井ユカコ先生原作の人気ジュブナイルのコミカライズ。 『バッテリー』と同じ系統の、少女漫画には珍しい正統派スポコン物。 男子バレーを少女漫画らしく、キャラのメンタルの動きを重視して丁寧に描かれており、第一話の時点で傑作の匂いが漂ってくる。人生に悩める大人のバイブルBread&Butter 芦原妃名子名無し大人になってからも夢を諦められない30代のカップルが、悩みながらも着実に人生を歩んでいく話。 とにかくエピソードが具体的というかリアルで、本当にこんな人たちがいそうだなと思っていっしょに悩んでしまう。 特にお店を始める/辞めるとか、夢だった漫画家/パン屋さんを目指すとか、そのために遠恋になるとか、すごく難しい選択肢だらけ。 仕事や結婚で悩んでいる人にオススメです!リアルな人間vsヒグマ漫画シャトゥーン~ヒグマの森~ 奥谷通教 増田俊也starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞の「シャトゥーン ヒグマの森 」を漫画化した作品。原作は読んでいないんだが、俺の好きな「増田俊也」が書いて生きたの気になって読んでみた。 凶暴なヒグマを生み出したのは生態系を破壊した人間というテーマがベースにあり回を重ねるごとに気になってた謎が解明されていき、あっという間に読んでしまった。 特にヒグマが人間を食うところがすごくて、生きたまま食いちぎるや、頭から丸かじりするなどパターンが豊富でいいし、やっぱりヒグマはすごいなと再確認できる。 ここ最近、クマがかませ犬みたいな扱いばかりされる漫画ばかり読んでいたので新鮮だった。 あとなんか見たことある絵だと思って調べたら「奥谷通教」って「奥道則」の昔の名前なんだな。漫画ゴラクでたまに掲載されている絵だから覚えていた。“夢の国”で働けなかった新入社員が田舎の遊園地に魔法をかけるふしぎの国の波平さん 小森陽一 畑優以名無し感想トピジャンプ式 平安風コズミックバトルファンタジー月華美刃 遠藤達哉mampuku 竹取物語をモチーフとし平安時代の日本のような舞台設定のファンタジーでありながら地球~月間を移動するハイテクノロジーを持つ近未来SFでもある。 月の世界の皇女であった主人公・カグヤは敵対勢力によるクーデターに巻き込まれ、皇女の証である宝剣を携え地球へと落ち延びる。その星は「穢星」と呼ばれ、月の重罪人が流される"流刑地"だった。というあらすじ。 精神的にも未熟だった主人公が幾たびの試練を乗り越えていくうちに使命に目覚めめきめきと頭角を現していくという、少年漫画としては割と王道な主人公像じゃないでしょうか(マキバオー、ナルト、東卍のタケミチなど)絵に関してはすごくジャンプの血が濃いなと感じました。デフォルメの仕方がバクマンによく似てます。 画力、世界観、キャラクター、どれを取ってもハイレベルですが、元ネタが中学古文で習う竹取物語だったり地球の重力に苦しんだりするのに一切の注釈や解説がないハイコンテクストぶり、衣服や装飾品の細やかな描き込みも含めて、週刊でなくウェブでもなくSQという雑誌に合っていたなと思います。「いとウザし」「マジあはれ」などのフレーズは中学生が喜びそうです。 絵やセンスがすごく好きな作家さんなので長編の新作が読みたいと思いながら6年が経ってしまった…<<183184185186187>>
温泉好きとしては銭湯マンガはチェックしたい…というわけで読んで見ました。まず銭湯とブラジル人女性の組み合わせの設定ずるくないですか!対極なものを結びつけると面白いんですよね。ちょっとエロくて温泉へと卓上旅行したい、みたいな人には「温泉へゆこう!」をおすすめしますが温泉(銭湯)を舞台にした面白い話が読みたいって人にはこれ! 東京下町あまり詳しくないのですがその辺出身の方はノスタルジックな気持ちになるのではないでしょうか。「昼のセント酒」も合わせて。