リイド社マンガの感想・レビュー362件<<1213141516>>無人島から廃墟社会まで リアル・ロビンソン・クルーソーサバイバル さいとう・たかを名無し※ネタバレを含むクチコミです。現実がちょっと夢ある世界に見えるようになる彼女のやりかた 田所コウにわか日常生活の様々な問題を乗り越える、彼女たちのクセある「やりかた」をまとめた短編集。 面白かった。読み終わった後に「もしかしたら、あの同僚もこんなことを……」って思わせてくれる。現実世界にちょっとした夢をもたせる力がある。 個人的には自身のあられもない姿を撮り、エロ本に加工し、ボロボロの状態にして河原に置いておく、OLの話が好きだった。発想の勝利。短編集僕だけに優しい物語 田所コウ霧兵衛良かった点 ・どの短編も面白い ・この短編集の目次に載っていない1ページだけの「甲虫戦士ムシ騎士」は俺の好きな要素が入りまくってるので特にいい 総評 ・「彼女のやりかた」でこの漫画家を知ったけど、絵も内容もいいので今後も単行本が発売するたびに買いそう広く読まれてほしい江戸の人情モノワカダンナ 塩川桐子かしこリイド社といえばゴリゴリの時代劇マンガのイメージがあったのですが、こちらは映画でいえば「雨あがる」とか「たそがれ清兵衛」のような作品になります(武士は出てきませんが…)。 表紙はほんわかしているけど、キャラクターは浮世絵のような美男美女ばかりだし、ストーリーはどれも秀逸。なんせコマ割りが完璧!本当にゾッとしたし、グッとくる。名手が描く「市井の人々の暮らし」は、このうえなく素晴らしい。 死都調布、死都調布……死都調布 斎藤潤一郎影絵が趣味『死都調布』と題されたこの怪書について何か説明せよ、と言われてみたところで、きっと誰もが口どもって返答に困り果ててしまうことだろう。 本とは、ふつう、一般的に、どこぞの誰かにその内容物を読まれるために、あるいは、どこぞの誰かにその内容物を語りかけるために存在するものだと思うが、この怪書『死都調布』にはそんな内容物はいっさい存在しない、つまり、誰に語りかけることもしなければ、そうであるからして誰からも読まれることはありえない、ただただ『死都調布』としてそこに在るだけである。 頁をめくってみると、第1話、第2話……などと本らしい体裁が整えられているが騙されてはいけない。それらは『死都調布』という題をかりそめに冠せられているだけで第1話も第2話も第3話もありはしない、それらはお互いがまったく無関係に雑然としてそこに在るだけである。そればかりではなく、じっさいに第1話、第2話……と、その中身を読んでいくと、まったく出鱈目なハレンチが繰り広げられているだけで、そこには中身と呼べるようなものはいっさいない、その証拠に「いったい何が書かれているんだ」と尋ねられても、やはり誰もが口をつぐむしかないのである。それでもかろうじて読んでいられるのは、コマからコマへの連動がアクションしているからなのだと思う。アクションとは、つまり、このコマの次にはまったく未知のコマが来るという期待、あるいは期待を裏切られるということだけに関してはぜったいに期待を裏切らないということ、もっといえば、このコマと次のコマとのあいだにはいっさいの文脈がなくお互いがまったくの無関係であるということ。 『死都調布』には、どの話にもかならず風景が描かれただけのコマが挿入されるが、あるいはすべてのコマに風景だけが描かれているのかもしれない。と、するならば『死都調布』とは風景そのものなのかもしれない。風景は誰にも何も語りかけない、ただ悠然としてそこに在るだけである。ところで『死都調布』に続編が出るらしい。そのイントロダクションにはこう書かれている「姓は死都、名は調布…」。これまで『死都調布』と呼ばれるこの作品群がかろうじて『死都調布』であったのは、調布という町で繰り広げられるいかがわしい事件を扱って集めているからだと思われたが、どうやら死都調布という風景は、それ自体が丸ごと動きまわる、ひとつの生命体であったらしい。サスペンスもの漫画では傑作レネゲイド 中山昌亮霧兵衛よかった点 ・ネットの匿名性の恐怖と悪ノリがいい感じで混ざってからのあの最後は好き ・全1巻というが2巻ぐらいページがあり読み応えがある 総評 ・ちょっと古い感じもするが掲載された年を考えるとリアルだな。 ・掲載誌都合で中途半端に終わったのが残念...中学生の頃を思い出して恥ずかしさで叫びたくなる太郎は水になりたかった 大橋裕之ロマンティックいかやきもう記憶がないけど俺は高校までこんなんだった気がする。。 雑誌でよみたかった!!ニッポン夜枕ばなし 山田参助マンガトリツカレ男単行本で一気に読んでも面白いが、こういう漫画は雑誌で何気なく読む方が好きだな。 初夢の回と平田弘史の「嘘」が元ネタっぽい回が好き。 1ページ目を見た瞬間、平田弘史へのリスペクトを感じた 平田弘史の「嘘」 http://mavo.takekuma.jp/viewer.php?id=418 執着無さが故に恐怖を感じない男の話平太郎に怖いものはない スケラッコstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)※ネタバレを含むクチコミです。毒気ゼロなのにこんなに面白い蝶のみちゆき 高浜寛mampuku 江戸末期の長崎・丸山という花街を舞台に、絶世の美女と謳われた一人の花魁と、彼女を巡る悲しい純愛の物語。街並みや遊女独特の言葉遣いだけでなく、伽羅の匂いや三味線の音など、画面には表れないところまで時代の雰囲気を醸し出す細やかな描写がなされています。 同じ作者の「ニュクスの角灯」へのクチコミでも同じことを書いたのですが、人間の美しい部分、ピュアな部分を描くことに物凄く長けた作家さんだな、と感じました。読み終わると心が洗われてるんですよね。 主人公の几帳太夫が同僚に二股をかけられているのを目撃して告発する場面も、その一見派手な事件そのものよりも、敢えて傍観者である几帳や彼女の甥っ子の心情に寄り添って描いていたのが個人的にすごく印象的でした。それに加えて本書のあとがきを読むだけでも、想像力と情緒に溢れそれでいて卓越したバランス感覚も兼ね備えている作者の人柄が垣間見える気がします。 毒気がないにもかかわらず、こんなにも面白くて切なくて引き込まれる。この魅力こそ、今国内でもっと評価されてほしいなと思う作家さんです。 こういうアニメ映画が見たいんだよなぁニュクスの角灯 高浜寛mampuku 恥ずかしながら今まで高浜寛作品を読んだことがなかったのですが、最近読んでクチコミを書いた中では映画大好きポンポさんに匹敵する面白さでした。海外でも高い評価を得ているのも当然ですね。 http://to-ti.in/product/nyx ここで2話まで読めるので内容については割愛しますが、話の面白さ以外に驚いたのが「どうして女の子がこんなに可愛く見えるのか」という点でした。顔のパーツが近くなく大きくなく、頭身も高い。「女の子を可愛く描くセオリー」の真逆を行ってるのに可愛い。華奢な骨格と輪郭、柔らかい髪、身長差からくる自然な上目遣い、、、宮崎駿氏風に言うなら、人間の観察に基づいて描かれているからこれほど愛しく思えるのかもしれません。 人間の醜さダサさキモさにクローズアップして精密に描いた漫画って結構見かけるんですけど(花沢健吾とか浅野いにおとか)、愛嬌とか美しさをいっぱい描いたこういう漫画もっと増えてほしいなって思います。祝!!第20回文化庁メディア芸術祭・審査委員会推薦作品ニュクスの角灯 高浜寛片桐安十郎※ネタバレを含むクチコミです。剣術の奥義を書いた劇画剣術抄~五輪書・独行道~ とみ新蔵霧兵衛良かった点 ・帯に書いてある通りにひたすら剣術稽古に没頭する著者が孤高の剣豪・宮本武蔵の生き様を通して"武"と"心"の極致を描破の内容だった ・いつも通り剣術の理論も書いてあり面白い 総評 ・好きな剣術抄の新シリーズで内容もいつも通りの面白さだった。あとがきの剣術についての話もいい 徳川おんな系図や抜か六戦記あたりも電子書籍なってほしいな 傑作SF巨人漫画といえばこれ GOD!!(ゴーッド)デビルキング さいとう・たかをstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男マッドサイエンティストの人体実験で、巨大化した男が主人公の漫画 巨人になった主人公が最初はマッドサイエンティストの言うことを聞いていたが、 民衆の前で話しているうちに、神のような気持ちに変化していく部分は描写や見開きでGOD(ゴーッド)と言いながら登場してくるシーンがすごい 各自の思惑や陰謀も絡み読み応えがある傑作 貸本版も存在するらしいのでそっちも読んでみたい2018年1月に正月ドラマ化!風雲児たち みなもと太郎名無し「蘭学事始」を題材にした内容ということで、関が原の戦いからを正月ドラマのみで描くのはさすがに無理か。 でも三谷幸喜脚本だし、楽しみなのは間違いない。 みなもと太郎「風雲児たち」NHKでドラマ化、三谷幸喜脚本で来年1月放送 - コミックナタリー http://natalie.mu/comic/news/244972デビュー作を含む短編集大きい犬 スケラッコ名無しどれも面白かった。個人的には普段は気に留めてない、あるいはふと疑問に思うけど深くは探らないシステムの裏側を想像させるような話が印象に残っている。 10年間クリスマスケーキを売り続ける人、学校給食に熱意を燃やす人、きっとこういう人達がいるんだろうな(いて欲しい)と思わせてくれて、読んだ後に少しだけ世界が違って見えてくる。 全編通して散りばめられた神話的な要素に、科学的な解釈とはまた違った物語世界の豊かさがある。 ずっとお盆だけど毎日ちょっと違う盆の国 スケラッコ名無しずっとお盆だけど毎日ちょっと違う おしょらいさんがちょっとかわいい 絵とかも独特で、ちょっとほっこりする話とかも好き目的のためには手段を選ばない主人公だな拝札人 さいとう・たかをstarstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男紬で知られた丹阿弥の治安を守るために、斬り捨て御免の拝札人として雇われた主人公が街の中の問題を解決する。 街の中の問題だけではなく、他の国からの反物の情報を奪ったり、情報を取られないようにしたりと他の街との関わり合いから、街内部での拝札人を使った権力闘争など、色々な問題があり面白い 「風神党始末」の回が一番好きかな昔の美味そうな飯が出てくる漫画大江戸美味草紙 ラズウェル細木starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男美味そうな飯とともに、食材や行事の説明とか出て来て面白い。 これも寝る前に読むのには最高。 江戸時代のエコロジー紹介漫画大江戸食べコロジー ラズウェル細木starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男庶民が暮らす長屋に引っ越してきた、旗本の次男坊が、エコロジー生活に目覚める漫画 食漫画としてもおもしろいけど、江戸時代の流通やリサイクルなどがわかって面白い。 一話完結で寝る前に読むのにちょうどいい。気分良く寝れるタイトル通り泣きながら侍が人を斬る漫画泣く侍 中山昌亮starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男不条理なイベントが発生して泣きながら人を斬る主人公と、涙の匂いを嗅ぐことで人を斬るキャラのインパクトが強すぎる。 俺はまだ続きを待ってるよ...戦国自衛隊 + 野球なのか...戦国の長縞GB軍 日高建男 志茂田景樹マンガトリツカレ男※ネタバレを含むクチコミです。 時代劇の斬られ役で有名な福本清三の自伝漫画京都太秦行進曲 土山しげる 福本清三starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男TVの時代劇や映画の時代劇からハリウッド映画まで色々のに出演しているに出ている福本清三の自伝を土山しげるが書いている漫画 自伝漫画としても面白いけど、ちょこちょこ出てくる食い物の話が土山しげるっぽくていい 少年誌時代劇の傑作無用ノ介 さいとう・たかをstarstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男“用無し犬”と呼ばれる賞金稼ぎが主人公の無用ノ介が人助けしたり、賞金を稼いだり、人生に悩んだりする傑作 物語の始まりかたの表現とかかっこいいし、妙にポエムっぽいことを言い始めたりするところもいい 2010年ぐらいに出たさいとうたかを時代劇傑作選みたいな単行本にその後の無用ノ介が載ってたけどそれも面白かった<<1213141516>>
※ネタバレを含むクチコミです。