講談社マンガの感想・レビュー6230件<<220221222223224>>良い意味でアニメ化してほしくなかった作品荒ぶる季節の乙女どもよ。 岡田麿里 絵本奈央sogor251話からワードのインパクトが強くて、性というものがテーマの物語かと思っていたけど、途中から徐々に、主要5人のキャラクターそれぞれの恋愛に対する感情(それは性愛もあれば情愛もあり、一言では言い表せないような感情もあり)をいろんな方向から描いている、そんなように感じ始めた。 そしてそこに友情関係としての情の気持ちも絡めて大きく物語が動き始めた6巻。序盤から性についての話題を振ってたのはこの展開をさせたかったからなのではと思う。はたしてこの後5人それぞれはどういう方向に結論を出すのか、すごく楽しみ。 この作品に関して、アニメの脚本をメインに活動されている岡田麿里さんが敢えてマンガという表現方法を選んだ理由はわからないけど、個人的にはアニメや実写よりもマンガのほうが適していると思っていた。マンガ読み、特にBLとかTLに手を出してる人だと、セックスだとか勃つ勃たないみたいなワードにはさほどインパクトを感じなくて、だからマンガという媒体でこそ素直にこの物語を楽しめるのではないかなと。 なのでアニメ化が決定したことは素直に嬉しいことではあるんだけど、それによって視聴者層がよりマスになり、言葉のインパクトだけが先行して変な盛り上がり方をしなければいいな、とそれだけを願っている。 6巻まで読了。はたして巨人の星となることが幸せだったのか巨人の星 梶原一騎 川崎のぼる名無し※ネタバレを含むクチコミです。宇宙で映画を上映するためにロケットを打ち上げる、アフタヌーン新連載我らコンタクティ 森田るいハリネズミモモンガ※ネタバレを含むクチコミです。イスラム女子とアメリカでルームシェアサトコとナダ 西森マリー ユペチカ 西森マリー名無しアメリカの大学に留学をしたサトコのルームメイト、サウジアラビア出身の女の子ナダとの生活を描いた4コママンガ。 異文化交流がコミカルなタッチで描かれていて、とても面白かったのでおすすめ。 ナダを通してリアルなイスラム文化が知ることができた。アメリカのライフスタイルの話も興味深かった。 イスラム文化と日本文化、そしてアメリカの文化がひとつの作品の中で入り混じっていて、それぞれ文化の違いはあっても、みんな楽しく暮らしている様子が節々から伝わってくる。 よかったよかった;パーフェクトワールド 有賀リエむついに結婚で読者としても純粋におめでとうといいたい。 こういうカップルが実際にいるなら赤の他人でもおめでとうと言いたい。 車椅子でタキシードの新郎に新婦がしゃがんで誓のキスするってほんと素敵な絵ですね…人の弱さを精緻に、自然に、サタニック・スイート ヤマシタトモコにわか表題作「サタニック・スイート」を含んだ六編の短編をまとめたヤマシタトモコの短編集。静かにさり気なく描写される表情や動き。六つの短編はどれも不思議な魅力に溢れている。 「妖怪」の友人だろうが、「超能力」をもった女の子だろうが、あるいは先生を手玉にとる女の子だろうが、自然と感情移入し、気がつけばヤマシタトモコの世界にどっぷりと浸かっている。なぜそうも遠い人々に感情移入させられるのだろうか。読み返すと、どの作品にも「人の弱さ」が描かれていることに気付く。つまり人の弱さを精緻に、自然に、描いている。そこでは誰もが弱さを抱えて、生きているからだ。だからヤマシタトモコの作品は面白い。サタニックスイートは、そんなことを教えてくれる貴重な短編集なのだ。雪降る日、家族からの逃避行固定編成 桃山アカネ名無しずっと雪が降っているのが印象的だった。雪が電車を止めて、雪玉をぶつけ合って、子供が言う『雪国』の引用で、救われた気分になる。家族という題材はモーニングでよく目にするけど、そのためか新鮮に思えた。 雫ちゃんがとなりの怪物くん ろびこ名無し凸凹な二人の恋を応援する感じで楽しむ作品。雫ちゃんが高校の頃好きだった女の子に似ていたから、非常に楽しめた。森泉岳土さんの作品で一番好きだ…! #読切応援リングワンデルング 森泉岳土starstarstarstarstarかしここの作品をモーニングの読み切りで読めるってすごい贅沢体験だと思う。 森泉岳土さんはずっと絵が好きで読んでいたのですが(実はとても独特な方法で描いていらっしゃいます)、これはストーリーもド直球で好みだった…。 市川崑監督の映画とか好きな人はたまらんと思う。 美麗な画面とスリリングな展開…はぁ、単行本でたら絶対買わないと。夭逝の天才・青山景の遺作よいこの黙示録 青山景mampuku もう7年以上も前になります。32歳という若さもあり、ショッキングな事件でした。 「SWWEEET―スウィート―」「ストロボライト」「チャイナガール」を経て、イブニングで連載されていた本作。徐々に知名度を上げながら着実に階段を駆け上り、「このマン」上位進出も有望視された中での急逝……当然ながらこの「よいこの黙示録」は既刊2巻で未完となりました(厳密には、既に連載されていた分と第6話のネームおよび下絵、設定画などが第2巻としてまとめられ翌年刊行されました。) 内容に関しては、永遠に未完となってしまったことが悔やまれるほど素晴らしいもので、続きが気になる、というより結末が気になる複雑怪奇なストーリーでした。クラスを言葉巧みに操る一人の天才的少年の手によって、新任教師・湯島朝子をも巻き込んだ新興宗教「神童教」が誕生していく様子が描かれている。一人称主人公であり唯一の大人であるはずの朝子が、無意識のうちに取り込まれていくのがとても面白かったのですが、首謀者・伊勢崎少年の素性がこれから明らかになるか……といったタイミングで終了となってしまいました。 宗教という、人類社会の繁栄と密接な関係にある普遍的テーマと、小学校の教室という特殊な閉鎖環境、この奇妙な組み合わせが斬新で、緻密に練られたストーリー展開にワクワクさせられました。 2巻にはその後の展開も含めたプロットが載っていて、これがまためちゃくちゃ面白く、この内容が漫画化される日はこないという残酷な現実に絶望させられます。(プロット案によると朝子は伊勢崎によって完全に手籠めにされてしまうようです。ショタおね大好きなのでこれ是非は見たかった……!!) どんな失敗も受け止めてくれるやさしい世界「ぶっカフェ!」ぶっカフェ! 小林ロクたか表紙を見て「なんだ、イケメンたちにちやほやされる逆ハーものか」と思った人、ちょっと待ってください!! 微塵もハーレムじゃないです!! 3人ともお坊さんなんで! 壊滅的ドジのルリは、数々のバイトをクビになったすえ寺カフェ「喫茶去(きっさこ)」にたどり着きますが、またそこでもドジの連続。 想像を超えるドジに驚くお坊さんたち。 でも彼らはルリを見捨てません、お坊さんなんで! ドジなルリを見ていると多少苛立つかもしれませんが、むしろ逆。 こんな底抜けにおドジな子ですら包容してくれる優しい世界を知ることで、自分の心も癒やされていくんです。 またルリの恋についてですが、ルリはアルバイトを通じて仏教の世界への理解を深めていき、いつも優しく教えてくれるコウさんのことがだんだん気になりだします。なおコウさんはびっくりするほど女性に奥手でラブの進展は驚くほど遅い、そこがイイ…! 登場人物はみんなステキな人ばかりなので、嫌な気持ちになったり落ち込んだりする必要全くなし! ルリの成長&ピュアな2人のラブを見守っていると、いつのまにか仏様への理解も深まり心はまさにラブ&ピース。 優しさに包まれたい時におすすめです。 https://sai-zen-sen.jp/comics/twi4/buddhacafe/コミカライズが綺麗にハマったミステリー作品十二人の死にたい子どもたち 熊倉隆敏 冲方丁sogor25一般的にマンガという表現方法はミステリーには不向きだと言われてるけど、登場人物が多くてかつ会話劇がメイン、そして視覚情報自体が状況の理解には一役買うけども事件の伏線を示す上ではそこまで寄与しないということもあって、この作品に関してはコミカライズはかなり合ってたんじゃないかと思う。 登場人物が多いだけに掘り下げる要素も多くて、実は2巻まではかなりスローペースに感じていました。ただ最終3巻、事件の種明かしから幕引きに至るまで一気に転がっていく展開は心地よい。 全3巻読了済。これはいいパラスポーツ作品になりそうブレードガール 片脚のランナー 重松成美sogor25テーマはスポ根っぽいけどBE・LOVE連載なだけに文脈は少女マンガ寄り。義足の専門的な話などもありつつ全体的に爽やかな画作り。言ったら幾らでも重い展開に出来るようなテーマなんだけど、例えば骨肉腫で右下腿を失ったっていう設定を説明だけに留めて、画面作りを明るく、かつ純粋に走ることに対する物語を中心に展開。パラリンピックを見据えた企画だろうし、極力ポジティブな物語にしようという描き方には好感が持てる。物語が進む中で主人公の鈴がカッコよく走るようになってくれることを期待。 1巻まで読了。 1945年の日本×異形の怪物 という異色の組み合わせキヘイ戰記 原田ケンタローsogor25異形の怪物の出現により第二次大戦が休戦となった世界という設定も然ることながら、戦闘狂に見えてかなり人間味に溢れる主人公の希平のキャラも面白い。司令官の比命や希平の上官の鏡介など、主人公以外の登場人物もキャラが立ってるし、1945年の世界観にアンマッチな怪物のデザインや敵キャラの存在感もエッジが効いてる。 敵キャラの登場で大きく風呂敷を広げた形だが、ここからどう展開するか楽しみ。まだまだ表に出てない設定もありそうだし、じっくり巻数掛けて描ききってもらいたいところ。 1巻まで読了。しかしこの女騎士、ちょろい。今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いする漫画 マツモトケンゴsogor25SNS発マンガの普及で増えてきた1話8ページ前後のマンガ。取っ掛かりのアイデア1本あれば話数を重ねて面白い作品に仕上げられる、というのを体現してる作品。内容はほぼタイトル通りなんだけど、3話くらいで女騎士はもう屈してる。気がする。 面白いなあと思うのは女騎士レオに告白した魔法使いフーリーのキャラ。魔法使いとしての有能さでレオが都合よく好感を持つ理由を出しつつ、少し油断すると下心が見えてレオが反発するきっかけを与える。結果、レオが実質ほぼ落ちてるのに、ツン:デレ=2:8くらいの絶妙なバランスにギリギリ留めている。 1巻まで読了。すれ違いコメディが好きなら間違いない作品春夏冬さんに呪われるっ!? 三ノ咲コノリsogor25この作品は春夏冬さんの特徴的な目5%、萩好さんの中二病要素5%、雰囲気ホラー5%、唯一の常識人枠崇桐くん5%、そして誤解と勘違い80%でできています。 表紙がなんだかんだホラーっぽさがあるのとシリウスレーベルなので若干重めな感じに見えるけど、中身は思いっきり頭空っぽにして読めるいいコメディ作品。 1巻で春夏冬さんと萩好さんが幸か不幸かお近づきになってしまったので、2巻以降はコメディの手数や種類が増えてもっと加速していきそう。 1巻まで読了。 年上和服美人と画学生の恋夏の前日 吉田基已starstarstarstar_borderstar_borderかしこ二話目から電車の中で読めなくなるくらい急展開します。 美人なお姉さんに優しくされたり怒られたりするのも見どころですが、芸術を志す若者が青くさく悩む様も丁寧に描かれてます。ノスタルジーな雰囲気ですが現代が舞台のようです。 この作品の前に他誌で連載してた水の色 銀の月がこれの続編にあたる内容なので、作者の経歴どおりに読むと二人の恋の行方を知りながら読むことになります。どっちから読んでも面白いので両方読むのがオススメです。片脚のランナーが風を起こす!!ブレードガール 片脚のランナー 重松成美名無し単行本で読むのを楽しみに待っていた作品。 少女マンガらしくSっぽいヒーローとは偶然出会い、出会い頭にタメ口を利かれる1話の展開は安心感があっていい。 走れば体が風を感じるのは健常者にとっては何でもないことだけど、そのことを「風が吹いたんじゃない あんたが風を起こしたんだ」と言う風見のセリフがとても印象的だった。 1巻の最後の引きはズルい!!笑 続きが超気になる男と女の不条理ってよく話すよね僕と君の大切な話 ろびこにゃーあるある!笑 と友だちに話たくなるネタが満載 死んだ虫だけがいい虫だ!!田中雄一作品集 まちあわせ 田中雄一ぱにゃにゃんだーす激アツ西部劇!!!RED 村枝賢一ANAGUMAウィシャ族(インディアン)の末裔レッドが自分の部族を滅ぼした米軍「ブルー小隊」に復讐を仕掛ける物語。 西南戦争から逃げ延びた相棒の日本人イエロー、娼婦のアンジー、元ブルー小隊のゴールド、巡回牧師のグレイなど社会のはみ出し者たちがレッドとともに命を燃やす…。 全キャラシブすぎてマジで泣けてきます。 人種問題というモチーフは重厚ですが村枝賢一作品らしく読み味は爽快です。 レッドの必殺武器、巨大リボルバー「ヘイトソング」は必見!!清流のように爽やかな2人見上げると君は 小堀真たか1巻を読み終えるのが早すぎて呆気にとられた。 なにより「小さい男の子と背の高い女の子」という使い古されたテーマで、これほど夢中になれるとは嬉しい驚きだった。 もっと、もっと2人を見せてくれ…!!! どうしてこんなにもこの作品にハマってしまったのか? それはたぶん、渋木くんと高峯さんが「自分の魅力に無自覚」だから。 渋木くんはかわいいけれど、かわいさを利用してない。 高峯さんはかっこいいけど、誰かのためにかっこよく振る舞っているわけではない。 この2人が自然体でいるところが、読んでいて清々しい理由なんだと思う。 ※なお見開きの高峯さんがイケメン過ぎるので、電車の中とかで読むときは表情筋の崩壊に注意してください 1冊丸ごと豚肉についての漫画ぶぅ ラズウェル細木んzんz主人公は売れない役者の猪部勝太。「ブタ野郎!!」って罵倒するセリフが上手く言えなくていつも監督に怒られているんだが、ある日訪れた店に飾ってあった豚の絵が描かれた皿をもらったことがきっかけ?で今までは食に興味がなかったのに豚肉を食べまくる生活が始まるっていういろんな豚料理を食べる漫画。 役者業とか家族の話もあるんだけど、豚の生姜焼きの厚さはどのくらいが好きか?とかという話がほとんどで、カツカレーはどう食べるべきか?とか豚まんに何かける?みたいな豚を食べるだけじゃなくて食べ方とかも含めて丸々一冊豚肉についての漫画になっている。豚が食べたくなって豚にちょっと詳しくなれる漫画。岡田准一はイケメン過ぎた海賊とよばれた男 須本壮一 百田尚樹mampuku「日本国紀」が賛否を呼んでいる百田尚樹氏のベストセラー。「日本国紀」は未読なので言及は避けますが、議論の経緯や論点はこの記事がわかりやすかったです。 https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20181222-00108643/ 「永遠の0」では太平洋戦争を、そしてこの「海賊と呼ばれた男」は戦後の復興を描いています(どちらも同じ作家さんがコミカライズを担当しています。)どちらも単純に読み物として面白いです。 主人公・鐡造のモデルは出光興産の創業者・出光佐三氏。戦争で焼けた会社を立て直し、石油をめぐり英米と渡り合いながらイランとのシーレーンを切り開いた痛快な半生の物語です。鐡造は愛国的で厳格で、同時に封建的で古臭い人物として描かれています。昨今の働き方改革の世代とはまるで違う生き物のようです。どちらが優れているとかではなく、時代がそうさせたというか、結果的に豊かな日本を築いたのは彼ら戦前生まれの人々でした。 「日本国紀」といい、学校教育や大メディアをなぞるだけでは知ることのない不可視の歴史にスポットを当てるのが好きなようですね。「これが真実か……!」と鵜呑みにさえしなければ「永遠の0」もこれも面白い本だと思います。<<220221222223224>>
1話からワードのインパクトが強くて、性というものがテーマの物語かと思っていたけど、途中から徐々に、主要5人のキャラクターそれぞれの恋愛に対する感情(それは性愛もあれば情愛もあり、一言では言い表せないような感情もあり)をいろんな方向から描いている、そんなように感じ始めた。 そしてそこに友情関係としての情の気持ちも絡めて大きく物語が動き始めた6巻。序盤から性についての話題を振ってたのはこの展開をさせたかったからなのではと思う。はたしてこの後5人それぞれはどういう方向に結論を出すのか、すごく楽しみ。 この作品に関して、アニメの脚本をメインに活動されている岡田麿里さんが敢えてマンガという表現方法を選んだ理由はわからないけど、個人的にはアニメや実写よりもマンガのほうが適していると思っていた。マンガ読み、特にBLとかTLに手を出してる人だと、セックスだとか勃つ勃たないみたいなワードにはさほどインパクトを感じなくて、だからマンガという媒体でこそ素直にこの物語を楽しめるのではないかなと。 なのでアニメ化が決定したことは素直に嬉しいことではあるんだけど、それによって視聴者層がよりマスになり、言葉のインパクトだけが先行して変な盛り上がり方をしなければいいな、とそれだけを願っている。 6巻まで読了。