講談社マンガの感想・レビュー6230件<<171172173174175>>まさに「世にも奇妙な」でした。世にも奇妙なスーパーマーケット 嶽まいこnyae基本はなにも考えずに気軽に読めますが、話によっては結末を知るのがちょっと怖いものもあって、読みながら「これ世にも奇妙な物語っぽいな」と思ったんですけど、タイトルがそもそもそうなってることに途中で気付きました。なにも考えなさすぎた。 店長のコバヤシの態度が不躾でタメ口なんだけど誰も怒らないのがいい。あまりにもゆる過ぎるくまえもん 海野つなみ名無し色々あって、くまの編みぐるみに寄生?した宇宙人のくまえもんから見た日本のいろいろ。 「くまえもん」は海野さんご本人たっての希望で企画した話だったみたいですが、なかなか連載が実現せず、やっとウェブ媒体での連載が決まったの思ったら他の連載との掛け持ちで第一話から間に合わないという、珍しいタイプの漫画でした。なので初っ端からくまえもんが写真で登場。最初はなんだこの漫画はと思いましたが、二話目からちゃんとした漫画が始まるのでご安心を。 写真でくまえもんが出てくるのは一話だけではなく、講談社漫画賞授賞式にお邪魔する回もあります。その様子をレポートする中で東村アキコ、ひうらさとる、萩尾望都(敬称略)が登場するなど、ある意味この漫画の一番の見どころになってました。いつだって本気。勝負師・魚紳、復活。バーサス魚紳さん! 矢口高雄 立沢克美名無し※ネタバレを含むクチコミです。すべての熱を100mに捧げる男たちひゃくえむ。 魚豊starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)熱と才能と凡才、執着を描くのがめちゃくちゃ上手い。 ページをどんどんめくらされていく感覚になる。 生まれつき足が速いトガシ、100mで1位になる、それだけで他は何も要らない、全てがひっくり返るからだ。彼には才能があった。 そんなとき目の前に現れたのは一切の才能を感じさせないコミヤだったが…。 そんな二人の話。 才能に安堵し、才能に苦しみ、才能に囚われ、いつしか才能を失い、最後は胸の奥の奥、熱い気持ちだけが身体を支え、背中を押し、足を前に出させるのだ。 少年期から始まり大人に至るまでのすべてを100m陸上に捧げた男たちを描くこの話には痺れた。 全体を通して対比を描くのがとても上手い。 希望と絶望。 才能と凡才。 自分に対してついてしまう嘘と否応なくつきつけられる真実。 諦念と覚醒。 実際のスポーツの理論は分からないが、とにかく気持ちの側面を強く描いた漫画なので万人の心が揺れるはず。 4巻についていた過去の読切も面白かった。 主人公になるべくしてなった男とそうじゃないモブキャラ。 それでもモブキャラは諦めない、自分と積み重ねてきたものだけは自分を裏切りたくないからだ。 周囲の評価とか目線なんて関係ない、自分がどうしたいかだ。 テニスの漫画、素晴らしかった。 そしてもう一本の読切「執刀」もコメディとして抜群だった。 テニスの方でも感じた漫画の素晴らしいテンポ感がギャグでも生きていた。 いまから次回作が楽しみだ。 ナースの成長日誌天使になりたい ひなのナース日誌 愛本みずほ名無し2002年に「看護婦」という名称が正式に「看護師」となる少し前の時代になるナース物語。ナースを目指して頑張るひなの姿が、とても一生懸命なものに感じられました。ハードな実習や難しい試験など、一人前になるまでの苦労を明るいタッチで描いています。ちょっとドジなとこはありますが、患者に寄り添い、向き合ってくれるひなのような看護婦は、まさに天使に見える瞬間がありました。トグサ!!!攻殻機動隊 THE HUMAN ALGORITHM 藤咲淳一 吉本祐樹さいろくトグサが主人公(?)っぽいので大喜び。 ”眠らない眼”の男バトーももちろん、9課のお話。 素子を知らない新人女子もいたりして設定がこれまでの攻殻機動隊とはちょっと違うけどコミカルなタッチがあったりして読みやすい。 素子の義体がカラスに漁られているシーンから始まる新しい攻殻機動隊、あんまり長くはならなそうだけど期待。振り返ってみると羊の木 いがらしみきお 山上たつひこstarstarstarstarstar_borderさいろくやっぱ町おこしには無理があるって。一回なんかあっただけで悪い話題で持ち切りになるというのに、ヤバい受刑者を迎え入れる街が上手くいく気がしないもん。。。 起きるハプニング(受刑者の住民たちのトラブルという名のサガのようなもの)はゾッとするし、怖い。恐ろしい。 世の中本当にいろんな人間がいると思うけど、他人っていうのは軽く想像を飛び越えてくる。そんな中でもとびきりイカれたやつらを更生させようというのは、やっぱり、ねえ? と、思ったけど最後まで手を止めるところがない。山上たつひこも凄いんだと思うが、なんだかんだやっぱりいがらしみきおは凄い。 すぐ気絶する漫画たおれて尊し! 尾玉なみえnyae打ち切りだったのかどうかは知らないけれど、凄いヤケクソな終わり方をしてるので、そこがこの漫画の最大の魅力です。 小山鋭角というキャラがいて、小山ゆうのおれは直角が元ネタかなと思ってますが、真偽は不明です。 それにしても尾玉なみえ先生は今何をしていらっしゃるのか…新作はもう読めないんだろうか。なにか情報持ってる方がいたら教えてください。幻の光として新装版 度胸星 山田芳裕(とりあえず)名無し※ネタバレを含むクチコミです。この愛は歪すぎる!! #1巻応援愛しています、キョーコさん。 藤村緋二 のざわたけし名無し最初は、彼女を異常に溺愛している男が主人公で、主従関係がある変なカップルの話だなと思って読んでいたら、実は彼女のキョーコさんの方にヤバすぎる秘密がありました。 新興宗教、かどうかはわからないけど、キョーコさんは地球滅亡を止めるため「太陽神」に捧げる生贄を10人集めないといけないという使命を背負っていることが判明します。さすがの岡田くんも「何言ってるんだこいつらは」とドン引きするも、結局はキョーコさんの為に自分が「生贄」を集めることになってしまう。 岡田くんからすると、自分はキョーコさんと2人だけで一生仲良く暮らしていければそれで良かったのに、厄介な事に巻き込まれてしまったなという思いかもしれません。ただ客観的に見れば、キョーコさんは太陽神を崇めている。そしてそのキョーコさんのことを、岡田くんは崇め奉っている(愛し方が恋人のそれとはかけ離れているように見えるので)。完全なる信仰の一方通行が出来上がっています。 これから、岡田くんはキョーコさんのために生贄を集めなければいけないわけですが、同意があったとしてもやってることは誘拐・監禁という立派な犯罪です。 どこかで我に返ってキョーコさんと縁を切る…なんてことはおそらくなさそうなので、気が済むまでキョーコさんのために突っ走って頑張ってほしいな。 一番笑ったのは、大家さんの圧倒的なパワー。2巻以降も出てきてくれるのかな。あと岡田くんの正気なのか正気じゃないのか判別の難しい表情が地味にツボ。 最強が決まるまでの興奮修羅の門 川原正敏名無し最強の男は誰か? 最強の格闘技は何か? 格闘技をする者がなりたいと思い、 見る者が見たいと思う、 「世界最強」 だが、現役格闘家は別として、 果たして、マニアが見たいのは本当に 最強の男、格闘技が決まる瞬間だろうか。 成績とか結果とか結論を知る瞬間だろうか。 そうでは無いと思う。 その結論に至るまでの過程が重要なのだ。 それが決まるまでの経過を、ドラマを見たいのだ。 極端に言えば、最強の戦士・格闘技が決定して、 勝者の手がレフリーに掴み挙げられる瞬間より、 最強候補がリングにあがって対峙してゴングがなる瞬間、 試合が決着するまでにいたる攻防、 それらを見て興奮して味わいたいのだ。 「修羅の門」はそれが判っている。 だから、神武館のオープントーナメントや ボクシングの統一戦、ブラジルでのバーリトゥード、 それらの開催に至るまでの過程や、 各試合が始まるまでのストーリーも入念に描いているし、 その話がとても面白い。 そしてそれゆえに本番の試合がまた盛り上がる。 「最強」を決定するのに必要なのは 虚飾を排除したリアルな展開かもしれないが、 それをしすぎて単なるデータの抽出提示の過程に なってしまったのでは 「世界最強」という男のロマンが無味で色あせてしまう。 だから主人公の陸奥九十九は 無謀な連戦もしたりする。 互いに万全な体調で戦いましょう、 公正明大にどちらが強いか確認しましょう、 とか必ずしもそうではない。 だから神武館のトーナメント戦でも キックボクシング、シュートボクシング、プロレス、古武道、 それぞれの最強戦士とあえて戦う立場を自ら選ぶ。 そして大会主催者も相手の選手もそれを了承する。 その流れはリアリティに徹するならありえない流れだが、 格闘リアリティと格闘ロマンの両方を損なわず増幅させてくれた。 このシーンが描かれたとき、 「あ、この漫画、絶対に面白くなる」 と思った。昭和ライダー世代必見新 仮面ライダーSPIRITS 石ノ森章太郎 村枝賢一名無し1号からZXまで、昭和ライダーの活躍が再び見られ、ライダーファンの私としては堪らない作品です。 その中で特に嬉しかったのが一文字隼人のエピソード。 改造前の物語は昔から知りたかったと思っていたので、この作品で夢が叶った感じです。 まるでテレビの特撮ドラマを観ているかのような迫力で、昭和ライダーファンなら絶対楽しめる作品だと思います。故郷を離れて頑張るふたりに起きた奇跡 #読切応援Emigrants 増村十七nyae宇宙とカナダという、物理的にとても離れたところで生活している2人の日本人女性が主人公で、設定としては壮大に見えるけど「故郷を離れて頑張る人」や「派遣社員」「移民」といった不安定な立場にいる人には非常に刺さる内容かと。 過去に少しだけ関わりがあった2人が、それぞれの事情で心が折れそうになった時に起きた奇跡がもう一度立ち上がるきっかけになるところが感動的。 初期の卍さん強すぎ無限の住人 沙村広明名無し目にも止まらぬ速さで、一瞬で相手を切り捨てまくる初期の卍さん好き。 スピード、パワー、テクニックどれを取っても逸刀流を上回ってる。 本当はもっと強いのに、凛と暮らしてる間に弱体化したんだと思う。原作者の掌で踊れ!僕たちがやりました 荒木光 金城宗幸名無し人生そこそこでいいという主人公トビオは、悪友であるパイセン達と軽い気持で隣の矢羽(ヤバ)高の事件に関わってしまうのですが、死亡者も出てしまい事態は深刻さを増していきます。 主人公や悪友達の身勝手さ、保身、金、女、そして若者ならではのモラトリアムが沼のような深く落ちていき、いつの間にか目が離せなくなります。原作者金城宗幸の掌で踊るのは主人公達ではなく私たちです。 エグいくらい人間の汚さ、欲望が表現されているのに、最後はなんだか切なくて清らかな気持ちになれる漫画です。アルコール依存の反面教師的な鹿の話 膕ひかこ名無しこのアイデアを思いついて漫画として描こう!と思ったのがそもそもすごいな、と。オチはまったく予想できなかったので驚きでした。でも離婚した元夫婦としてこれ以上ない良い終わり方なんじゃないでしょうか… ハラハラする不倫漫画スイート10 こやまゆかり名無し※ネタバレを含むクチコミです。唯一無二の腹話術ギャグスミレ17歳!! 永吉たけるstarstarstarstarstarひさぴよ可愛らしくてキュートな17歳の女子高生スミレ。実はこのスミレ、人形なのです。黒ずくめの怪しい中年男性(オヤジ)が背後から操ってます。 いっこく堂もビックリの腹話術で、スミレが本当に生きているかのように、楽しい学園生活を送ろうとするのですが…。 いざ”緊急事態”に陥ると、スミレが人形のようになり、背後でオヤジが必至にカバーリングしている様子がじつに爆笑ものです。謎の権力によって先生からは人間として扱われ、ただただ困惑するクラスメイトたちの反応がシュールで良いリアクションしてます。 スミレは活発な性格のおかげで、次第に周囲に受け入れられていきますが、一言も喋らず、黒子に徹しているオヤジも、なんだか応援したくなってくるから不思議です。何者なのかは最後まで謎でしたけど。 ちなみに、「スミレ16歳!!」というバージョンもあって、そちらは「スミレ17歳!!」のリメイク版になります。度肝を「抜かれます」デビルエクスタシー 押見修造名無し『悪の華』や『漂流ネットカフェ』で知られる押見修造氏の初期作品の一つ。 ある「トラウマ」を抱えた人間の主人公と、悪魔(サキュバス)が経営する風俗店の話。主人公はあることがきっかけで悪魔たちに追いかけられますが、悪魔でありながらも主人公の味方をする謎の女性と出会う事で物語が進んでいきます。内容はくだらないかもしれませんが、ギャグとエロを交えながらテンポよく進み読んでいてとにかく楽しかった。 ドラマチックアッパーロード 山本航暉名無しイマイチパッとしないボクサー、村松高志だが、実は本人も知らない隠れた実力の持ち主。 そんな彼に格上の相手とのビッグマッチが舞い込むことに…。 いわゆる昔懐かしの展開とは言えますが、現代のボクシング漫画としては逆に新鮮な感じがします。 ボクシングシーンも迫力満点で読み応えがあり、とても面白いです。思った以上にドロドロしてる。ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ 丘上あいPom ドラマ(3話の再放送のみで)、面白そうと思って原作漫画に辿り着きました。 ドロドロ系は好きなので、2時間くらいで読み終わって、続きが気になって仕方がない今です。笑 登場人物、皆過去に闇を持っていて、加害者も被害者もないんじゃないかと思いました。 ただ、一つ怖いなと思ったのは旦那を寝とった親友、瑠衣の豹変っぷり! 女性は怖い! 瑠衣が陥れてようとしている主人公、爽(さやか)の母親にまで手を出しそうなので、更に怖さが増すのではないかと次巻が楽しみ! ドラマも並行して楽しみたいと思います。天才だな、と思う読後感新装版 回転銀河 海野つなみ名無し銀河系に人間の恋愛関係図を見立てたようなオムニバス 読後感たまりません! 好きになってはいけない人を好きになったり、失恋して泣くその一挙一同が美しい… どの主人公にもスッと入っていけるから不思議です この物語が"フィクション"ではない人に届いてほしい #1巻応援ON THE ROAD GIRLS ISAKAsogor25そこは田舎とも都会とも言えない、でもとても"閉鎖的"な町。男は外で稼いで来るのが仕事で、共働きだろうと女が家事育児をするのが当たり前、そんな今や化石のような前時代的な考えが蔓延る町。そんな町が嫌で東京に就職し、東京のしがらみの中で疲弊してまたこの町に舞い戻ってきた38歳の女性が主人公。 現代の感覚でいうと主人公の考え方はもっともらしく見えるのだけど、それはその町の"普通"とはあまりにかけ離れていて、そこに38歳という年齢、そして一旦町の外に出たにも拘らず戻ってくることになってしまったという状況が重ね合わさって、主人公の苦悩は重くなり、しかし打開策の選択肢は少ないという息苦しさが作品全体にのしかかってくる。痛々しいまでの心理描写が心をえぐってくる、でも目が離せない作品。 この作品のテーマとなる部分はかつての少女マンガでは大きな主題として存在していたのかもしれないが、最近では直接的に扱われることが少し減ってきているように思う。"男性性・女性性"という概念のに対する閉塞感の打破がゴールだったものが、そこから一歩外へと踏み出し、"多様性"というより自由度の高い問題に触れることができるようになってきてるのではないかと感じている。 私自身にとってもこの物語は"フィクション"で、主人公に感情移入はできるものの、この町の"普通"に現実感を得ることができずにいる。でも、この主人公と同じような悩みを抱えている、この物語が"フィクション"ではない人も間違いなくいるはずで、そういう人にこそ届いてほしいと思う作品。 1巻まで読了妊娠17ヵ月妊娠17ヵ月! 40代で母になる! 坂井恵理名無し漫画家(39歳)のリアルな妊娠生活が赤裸々に描かれています。なぜ妊娠17ヶ月なのか?というと、7ヶ月目に胎児が死亡してしまうというショッキングな出来事を経験し、その後、改めて妊娠出産されているからです。 (話のネタバレしてますけど、これはあらすじの時点で書かれてる情報ですのでご勘弁を) 母親として味わいたくない出来事、気持ちが描かれていて、読んでいてこちらまで悲しい気持ちになりました。最終的には元気な赤ちゃんが生まれて本当に良かったです。<<171172173174175>>
基本はなにも考えずに気軽に読めますが、話によっては結末を知るのがちょっと怖いものもあって、読みながら「これ世にも奇妙な物語っぽいな」と思ったんですけど、タイトルがそもそもそうなってることに途中で気付きました。なにも考えなさすぎた。 店長のコバヤシの態度が不躾でタメ口なんだけど誰も怒らないのがいい。