爆宴

「男版CLAMP」な世界を渡る壮大なバトルファンタジー!

爆宴 イダタツヒコ 士貴智志
ななし
ななし

「爆宴」という簡潔ながらパワーのあるタイトルがデカデカと力強い書体で描かれ、ドラゴンと上半身裸の男が燃え盛る炎を背負っている…。こんなん絶対自分が好きなやつじゃんと直感でジャケ買いしたら、想像以上に骨太で壮大なバトルファンタジーだった。 とにかく1話がクソかっこいい…! 崩壊する世界をただ1人眺めていた少女の前に、「親方! 空から男の子が!!」っていう感じで青年が現れる…というのがもうバチボコにエモい!!! https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156763047457 どうやら青年は他の世界からやってきたようで、いくつもの世界を渡っているらしく、主人公・晶は「公孫勝」という人物からかかってきた電話の指示を頼りに新たな世界へと飛ぶ。 自分は水滸伝知らなかったので、晶が言及するまでこの漫画が水滸伝を下敷きにしてるんだと全く気付かなかった。 作品のノリが「男版CLAMP」とでもいうか、なんというか90年代のファンタジーって感じがしてとにかく最高。 実際のところ、2巻まで読んでストーリー自体がすごく面白いとか、キャラがめっちゃ立ってる漫画というわけじゃない。 なんというかこの物語の世界観、「設定そのもの」がアラサーにぶっ刺さってくる。 そして絵が無茶苦茶うまくて、全部が見せ場というかどこを切り取ってもバチクソかっこいい。 自分の心の厨ニがワクワクする素晴らしい作品なので、ひとまず1話読んで格好良さを味わってほしい。

朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート

子持ちの方もそうでない方も、男性は読んで損はない

朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート 車谷晴子
六文銭
六文銭

一番罪なのは無意識なんだなぁと思いました。 悪気はないけど、思いやる想像力もない、結果、無意識に傷つけてしまうんだと。 この話は、まさにそうでした。 話の内容としては、子供を産んだ直後、妻に別れをつげられるところからスタートして、気がつくと妊娠中の時までタイムスリップ&妻になってしまうという流れ。 主人公が妻になっているだけであって、妻と入れ替わっているわけではないのがポイント。 妻になった自分が、旦那である自分と相対する感じです。 そこで、過去に自分がやってきたことが如何にひどいかを再認識していきます。 思いやりがあって、優しいと自覚していたが、実際は迷惑でしかないし、優しさのおしつけだったりして、自分の行動にキレています。 ただ、それが結構、普通というか、あり得る感じのことなんですよね。 やっている側は無意識でも、やられるとわかるというのが業が深いです。 何気なく言ってしまう一言とか、自分にもあったなぁと読みながら反省してしまいました。 妊娠というのは男が想像する以上に大変なことなので、そういったこともありのまま描いている本作は読むべきだなと思います。 最終的に、やり直しできるのかな?