天沢聖司
天沢聖司
2023/09/21
ネタバレ
ネクスト『ワタサバ』!自分が120点じゃないと許せない母親の物語
電書サイトでたまたま見つけて5話まで読んだんだけどめっっっっっっっっちゃ面白かった…! 『だってワタシ、120点だもの。』というタイトルは『ワタシってサバサバしてるから』を意識していると思いますが、作品の内容はどちらかというと『おちたらおわり』系で同じママ友同士の因縁を描いた物語。 何にでも点数を付けるマウント女子である母親・美咲は、歪んだ自己肯定感を持つ底なし承認欲求オバケ。どのくらい病的かというと、「120点の夫に抱きしめられるより『いいね』の方がホッとする」と言うレベル。 https://i.imgur.com/NYpoxwh.png そんな中、自分が小学生の頃に貧乏ぶりを見てマウンティングしていた相手・瞳とママ友として再会し、見下していた相手が自分と同じステータスにいること。瞳の娘・結愛の方が自分の娘・紬よりも頭脳・運動・観察眼で優れていること。自分はたくさん『いいね』をもらっているけど、人から憧れられるような“ホンモノ”の存在(フォロイー、アイコン)ではないこと自覚しており苦しみまくる……。 序盤の承認欲求モンスターぶりにはドン引きで、王道のレディコミだな〜と思っていたのですが、徐々に娘への愛情だけは本物だと明らかになっていき、 **「娘にだけは点数は付けない」** **「(高級な服を買い与え)たとえ不釣り合いでも身に着けることで心を守れるときがあるから」** https://i.imgur.com/biCywur.png と、真っ当な感性を持ち合わせていることがわかってきて、だんだん憎めなくなってくるのが面白い! 美咲がこんな人間になってしまった背景は幼少時代にある。 実は美咲の母親は小説家で、「(サイン会で会えたから嬉しくて)死んでもいい」と言うほどの熱烈なファンがいる“ホンモノ”。特別な才能を持った親のもと、美咲は才能を見つけるために様々な習い事をさせられるものの秀でた才能が見つかることはなく、母が「この子は何をやらせても60点なのかもしれない」と発言するのを聞いてしまう……。 瞳の娘・結愛の振る舞いが子供の頃の美咲そっっっっくりなのが、もうね…。瞳は何を考えて結愛を育てているんだろう?そして結愛が両親どちらにも似ていないことも気がかり……。 まさかと思うけど、新生児のときに取り替えたとかじゃないよね?それは怖すぎる…杞憂であってほしい。 瞳はいまのところ、表面的には友好的に振舞っているのが怖い。今後どうなっちゃうのか続きが気になる…!
天沢聖司
天沢聖司
2023/09/19
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えぇっ、そんなぁ…😭
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一時期の『ワタサバ』『エネアド』と同じくらいの勢いでバナー広告が出てるので、これは読まなきゃ損…!!と思い読んだのですが、結論から言うとズコーッでした。 でも起承転までは最ッ高に面白くて不倫復讐スカッとものとしてこれ以上ないくらいワクワクさせてくれるんです!絵も可愛いし。 でも大事な結が……😭 ストーリー全体の割合が「起承転98% 結2%」くらいで、大事な大事なスカッとパートである結の描写が全然ないまま終わってしまい、リアルにえーっ!?と叫んでしまいました。 夫とクソビッチ萌先生がギッタンギッタンにするとこをメチャクチャ期待してたのにそんな……。 カラオケで気持ちよく歌っててサビの前で演奏停止されたような肩透かしにあい、悲しい気分です……。 保護者会まで1週間しか無いなか、ママ友と連携して準備する妻の手腕に痺れたと思ったら、その後の一番美味しい部分が無いだなんて……。 漫画やストーリー自体のクオリティがとても高いだけによりいっそう悲しみは深い。 あとまだ連載中の作品だと思って合冊版を買ったのですが、実際には3話で完結している作品でした。 値段がちょうど通常の単行本と同じくらいの値段(407円)だったので、ページ数の少なさにもびっくりしてしまいました。たっけえ……。 1つ良かった点があるとしたら、「LINEをスマホとタブレット両方で使っている場合、タブレットを機内モードにすればスマホ側で既読がつかない」という知識が描かれていたところ。とても勉強になりました。 というかいま改めてバナーを見てみたら、この内容が本編の全部で草 これが全てです(マジ)
天沢聖司
天沢聖司
2023/08/31
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天才が描いた最高の青春ヘヴィメタ漫画 #読切応援
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どうやったらこんな面白い漫画がかけるの??天才すぎないか? 陰キャ・ルイルイと、彼の前に現れたヘヴィメタが好きということしかわからない謎の美少女・ミンミの物語。白黒がスッキリはっきりしたポップでかわいい作画でメタルを描くとこがまずもうお洒落でエモい…! 最小限の説明で最大限にキャラの魅力を描き出す手腕がすさまじい。ミンミ自身に説明させることなく、周囲の口さがない人間の言葉だけで彼女とおじいちゃんががどれだけ不愉快な狭い世界に生きていたのかが察せられて苦しかった。 ミンミの根無し草感…いつかフラッと居なくなってしそうな感じは、ずっと最初からしてたけどあんなふうに居なくなってしまうなんて酷すぎる。 2人の生き様は面白いことにちょうど逆になっているのがニクい。 ミンミは、おじいちゃんの葬式で願いを叶えられなかったことを通じて、「今生きている人を満足させたい」と行動するようになった。逆にルイルイはミンミの死を通じて、死んだミンミがずっと願っていた「ルイルイに葬式でヘヴィメタを歌ってもらうことで人生勝ち逃げする」という夢を叶えてあげた。 ルイルイがミンミのために書いた曲の冒頭があの有名な「ガチ恋口上」から始まってて、ルイルイがどんな想いでミンミを見ていたかすごく伝わってきてグッときた。 最悪な家族をふっとばして、自分のために書いてもらった大好きなヘヴィメタをルイルイに歌ってもらえて、こんな幸せな葬式ないと思う。 ザシマ先生何者…?マンガの星から来たマンガ星人…?あまりにも面白すぎる…。 ミンミも幸せだったと思うけど、それ以上にこの漫画を読めた自分は幸せです!!!!
天沢聖司
天沢聖司
2023/08/02
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異世界人の血を引く騎士、森に住む異世界人に出会いフォーリンラブ
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読み終わった瞬間に「はわ〜〜!」と声が出てしまうくらい素敵なコミカライズでした。はあ〜〜〜!マジで幸せすぎる…! 元々は『朝起きてベッドから攻めを蹴り落とす受けの話』というタイトルで、なろうの姉妹サイトであるBL・女性向けR18作品用サイト「ムーンライトノベルズ」に投稿された短編小説が原作。 さかしま先生といえば、「短編」で投稿するのにバチクソ文字数が多いことで長編作品大好きな私に大好評で、かつ「世界観の作り込み・魅力的なキャラクター造形・グッと来るキャラ同士の関係性」がとにかく素晴らしくて、新作が投稿されると小躍りして喜びウキウキで読んでいました(平成のオタク)。 こちらの作品も好きで読んでいたのですが、いかんせん最後に読んだのが2年前なものでほぼあらすじを忘れた状態でコミカライズ1話を読むこととなりました。 いや、最高すぎる〜〜😭 もうオタクは拝むことしかできない…。好き…ありがとう…。 もう2ページ目の忍の瞳の書き方の優しさ・美しさでこの作品の成功を革新しました。 そもそも作画の成田のもと先生は、《馬BL》こと『性悪暴君騎手と流され戦馬』でも作画を担当してくださっていて、本当に美麗な絵が素晴らしかったのですがさらに魅力が増したように感じました。 あらためて原作を読み直したい気持ちと、このまま成田先生の世界に浸っていたい気持ちで板挟みです。 1話はBL度0%と言っても過言ではないので、BL読んだことないという方にもぜひ読んでみてほしいです!
天沢聖司
天沢聖司
2023/08/02
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「表と裏」から親友を探し出す…!なりた晴ノ先生の一般作品 #読切応援
くらげバンチを見てたらなりた晴ノという文字が目に入って5度見してしまいました。『妄想ラブハラスメント』『もっと結んで、ひらいてはやく』『雑踏に遊ぶ魚 』大好きです!!😭 なんというか、なりた作品の魅力は「王道じゃないけど邪道でもない。読みやすいのに既視感がない。紋切り型のキャラじゃないずっしりした個性のあるキャラクター」だなと思っております。 エッチであることや自分の性癖を優先して執筆しがち(※個人の感想です)なBL界隈において、キラリと光る個性的な作品で大好きな作家さんなんです! そんななりた先生のお名前をまったく予想してないところで見つけたので大興奮してしまいました。 ストーリーとしては、ウロボロスやらサンクチュアリ的な「ヤクザと議員秘書」という社会の表と裏に身を置いた親友2人が、子供の頃に宗教絡みの一家心中で消えてしまったもう1人の親友を探し出すという内容。 前後編で見事にまとまっていますが「連載で読みたい!!」と思わされるヒリヒリする内容でした。 「個性がずっしりしている」と書きましたが、本作の主人公ら3人は事情を抱えた家庭に生まれ、社会から疎外されて生きてきた「親ガチャ失敗三銃士」という境遇。 本当にこの3人の物語を長編で読んでみたいです!!