先輩の"褒め言葉のクセがすごい" #1巻応援褒めるひと 褒められるひと たけだのぞむsogor25おもちゃ会社の事務員として働く市川詠子はある日、仕事上の凡ミスを上司に叱責され 給湯室で落ち込んでいました。 そこに声を掛けてきたのが先輩の坂東。彼は市川を食事に連れ出し彼女のことを励ましてくれたのですが、そのときの彼の褒め言葉がどうにもピンとこないものばかりで、それを受ける市川も嬉しいけれどどこか腑に落ちない感じがしています。 この作品はそんな2人のやり取りを描くコメディ作品です "先輩の褒め方のクセがすごい"というシンプルな設定の作品なんですが、"褒める"という行為が起点になってコメディが展開するので、笑いの中に悪意や毒気が少なく、読むと純粋に癒やされる作品です。 また、2人以外にも何人か職場の同僚が登場するのですが、基本的にみんないい人だけどコメディとしてちゃんとキャラが立っていて、優しい世界観が続いていくのにコメディとしてしっかり面白い、誰にでも薦められる作品です。 1巻まで読了"多様性"の中で生きる教科書のような作品 #1巻応援ラストジェンダー ~何者でもない私たち~ 多喜れいsogor25"どんな人でも"受け入れる、多種多様な性自認や性的指向・嗜好の人々が集まるハプニングバー「BAR California」を舞台にしたオムニバス作品。 個々の登場人物それぞれが自分の人生に大切なことを見つけていく過程がドラマチックに描かれ、なおかつそれぞれの話が密接に関わる連作短編のような構造になっていて、全てが一連の物語のように読める作品です。 それでいて、"セクシャルマイノリティ"についての描写がとても丁寧な印象を受けました。セクシャルマイノリティはいわゆる"LGBT"だけではないし、「トランスジェンダーでレズビアン」のように複数の要素を併せ持った人もいるし、性自認・性的指向・性的嗜好などはそれぞれ異なる概念で…というベースとなる知識を押さえつつ、"セクシャルマイノリティ"という枠組みとしてではなく、"セクシャルマイノリティの特徴を持った一個人"として描いていて、まさに"多様性"、そして多様性が存在する中での"生き方"を描いた、教科書のような作品だと思います。 1巻まで読了ある意味全ての人にとって身近な"お葬式"の物語 #1巻応援お葬式にJ-POP Kimurasogor25就職活動に苦戦していた大学4年生の塩山あかりは卒業まであと2ヶ月というところで初めて内定をもらえたのは「葬儀社」でした。 この作品は、これまで一度もお葬式に参列したことのなかったあかりが応募したことすら忘れていた葬儀社で働来始める様子をフルカラーで描く作品です タイトルや表紙からはコメディチックな印象を受けるのですが、実際にはお葬式の様子や登場する家族を真摯に描いていて、ストーリーとしてはシリアスな側面も強くなっています。 それをフルカラーの作画、そして主人公・あかりの持ち前の負けん気の強さにより、作品全体が暗くなりすぎず、読みやすく仕上げている作品です もちろんこの作品で描かれているのはフィクションではあるのですが、家族や友人の死というのは誰にでもやってくる出来事であり、もしかしたら全ての人に身近になり得る作品と言えるのではないでしょうか。 そういう意味では、今までお葬式に参列したことのない、主人公のあかりのような人にこそ読んでみてほしい作品です。恋愛が書けない小説家 × 担当編集になった高校の同級生 #1巻応援蠍と乙女シリーズ 澄谷ゼニコsogor25高校生でデビューし大人気作家となった早乙女は、自身初の恋愛小説の執筆に取り掛かるものの、恋愛シーンを書くことができないためにスランプに陥り、1年間もの間新作を出すことが出来ませんでした。 そんな折、担当編集が変わるということで現担当に呼び出されたのですが、そこで新しい担当編集として紹介されたのが高校の同級生・笹反(ささそり)だった、という導入から始まる物語です。 2人は高校の頃から知り合いだっただけでなく、2人だけしか知らないある"因縁"を抱えていました。 その因縁の鍵となっているのが、早乙女が高校時代に書いた小説。 その小説は「誰かの娯楽のために書かない」というのを信条としている早乙女が唯一「笹反のために」書いた小説でした。 笹反はその小説の中ではちゃんと恋愛が書けていたと言い、スランプを脱するためにこの小説を通して過去と向き合うよう諭します。 その"過去"というのがどういうものなのか、そしてそれが現在の2人の関係にどういう影響を与えているのか、"過去"と"現在"の2人の思いがリンクして描かれていく作品です。 1巻まで読了九龍城で繰り広げられる摩訶不思議なバディストーリー #1巻応援九龍葬査回奇録 晴十ナツメグsogor25旅行で香港の九龍城を訪れた日本人の鳥居筒見は、食事中にカバンを盗まれてしまい途方に暮れている所に謎の人物・紗樂(シャラク)に声を掛けられます。 この出会いをきっかけに、鳥居が紗樂とともに九龍城で起こる"異形の存在"にまつわる事件に巻き込まれていくという物語です 紗樂は異形と対峙するときに怪しげな術を使う上に"クスリ"を使っていないと精神状態を保てないという、かなりアブナイ人物として描かれています。 当然鳥居はそんな紗樂を訝しんでいたのですが、鳥居が九龍城を訪れたのには"ある理由"があり、それを紗樂に見透かされたことをきっかけに彼に興味を持ち行動を共にするようになります。 このように凸凹だけど絶妙な距離感の2人が不思議な事件を解決していくバディものとしての面白さがあり、さらに個性の強い登場人物や九龍城の混沌とした世界観が入り乱れ、アクの強い作品になっています 1巻まで読了いじめられっ子が死んで幽霊になったら最強だった件 #1巻応援死んでから本気出す 橋本くららsogor25学校でいじめに遭っていた15歳の高井瀬奈はある日、車道に飛び出したネコを助けようとしてトラックに轢かれてしまいます。 すると次の瞬間、目の前に"霊界の案内人"と名乗る少女・ファミリアが現れて、瀬奈が死んで幽霊になったのだと追われます。 ファミリア曰く、瀬奈には人間を驚かせる"幽霊の才能"があるらしく、そこで彼女は瀬奈にあるミッションを提案します。 それが「四十九日の間に100人の人間を驚かせることができれば異世界に転生させてもらえる」というもの。 そのミッションを聞いた瀬奈は、現世と決別し異世界への転生をするために人間たちを驚かせはじめる、という物語です。 自身がいじめられてきた経験が影響しているのか、驚かせる人間は"悪人"だけと決めて瀬名は行動を始めます。 そのため、序盤では勧善懲悪的な爽快さのある展開が繰り広げられます。 このまま"最凶の幽霊"として無双する瀬奈の様子が描かれるのかと思いきや、どうやらそういうわけではなさそうです。 そこには瀬奈をいじめていた同級生に対する瀬奈自身のトラウマや、現世に遺された母親の存在などがあり、さらに1巻の最後にはこれまでの物語からは想像できない思わぬ展開が加わることで、爽快感だけじゃないストーリーの魅力が生まれている作品です。 1巻まで読了"叶わぬ恋"に囚われた2人の歪な恋愛模様 #1巻応援アクトジジョウ きゆうsogor25女子高生の春瀬清美は英語教師の成田先生に恋をしていました。 しかし成田先生には身重の奥さんがいるため、その恋は決して叶わぬもの。 想いを伝えることすら出来ずただ成田先生を思い続けている彼女は、自分に告白してきた同級生の三谷仁と"体だけの関係"を結んでいました 三谷は春瀬の成田先生への想いを全て知っており、それが「自分の想いが春瀬には届かない」ことを意味すると理解しながら彼女の想いを肯定してくれる存在。 そんな彼に対して春瀬は自身の境遇を重ねるのですが、それが逆に春瀬に三谷への歪んだ執着心を植え付けます。 同じ"叶わぬ恋"をしているはずなのに、何も得ることが出来ていない春瀬に対し、想い人の"身体だけ"は手に届くところにある三谷。そんなのは許されない。 そのような思いから、三谷を傷つけるために春瀬は彼に対して体を許します。 そんな 同じようで決定的に異なる"叶わぬ恋心"を内に秘めた2人のいびつな恋愛模様が描かれる作品です。 1巻まで読了人間社会に疲れた人々を”スカウト”するタヌキの物語 #1巻応援お前、タヌキにならねーか? 奈川トモsogor25遮断器の降りた踏切の中に入り死のうとしているOL、彼女の目の前に1匹のタヌキが現れてこう言います。 「人間やめるなら タヌキにならねーか?」 この作品はこのように人間社会に疲れた人々と、そんな人を見つけては「タヌキにならないか」とスカウトしていくタヌキのこがね丸との物語です。 スカウトした人々をタヌキに変化させて"タヌキ体験"させることで数が少なくなってしまったタヌキを増やそうとしているこがね丸。 それに対し"タヌキ体験"によって人間社会から離れることで心の疲れを癒やした人々がそれぞれの道を見つけていく、というハートフルな作品です。 結果的にこがね丸の「タヌキを増やす」という目的はあまり達成できていないのですが、その様子も含めて可愛らしい作品です。 1巻まで読了レトロな雰囲気も楽しいドタバタコメディ #1巻応援おれの星に手を出すな! 静子sogor25発明好きの高校生・飛丸工太のクラスに渋谷星子という転校生がやってきます。 ある日、星子が学校の屋上の柵の外に立っているのを見掛けた工太は慌てて屋上に向かったのですが、そこで彼女が行っていたのはUFOとの交信。 実は星子は別の星から来た宇宙人で、人類が地球にふさわしい生物なのかテストするために人間の姿をして高校に潜り込んでいたのです。 「"1年間のうちに5人が星子に危害を加えた場合"には地球で生きるには値しないと判断し人類を滅ぼす」という計画を知ってしまい、工太は地球の滅亡を防ぐため星子を守ることになる、という作品です。 何も知らずに星子に絡もうとする周囲の人々に対して、星子に危害を加えられないように奮闘する工太を描くドタバタコメディで、80年代風の絵柄で描かれていてレトロな雰囲気も楽しい作品です。 また、工太と星子以外にもたくさんの個性あふれるキャラクターが登場し、回を増すごとにドタバタ感がどんどん強くなっていく作品です。 1巻まで読了患者の"日常"に寄り添う「訪問看護」の物語 #1巻応援おとずれナース ~精神科訪問看護とこころの記録~ のまりsogor25この作品の主人公は、病院内ではなく実際に患者さんの家を訪れて看護を行う "訪問看護師"として働いている小林さんという女性です。 元々は病院の精神科で働いていた小林さんですが、病院でのある経験を経て、「もっと患者さんに寄り添いたい」という思いから訪問看護師として働き始めました。 この作品はそんな小林さんが様々な患者さんやその家族と向き合っていく様子を描く作品です。 精神科が舞台ということで、作中には様々な疾患を抱える患者さんが登場します。 そして、患者さんの家を実際に訪問する"訪問看護"では、家族も含めた患者さんの"日常"に寄り添うことになります。 ただ仕事をこなすだけではなく、患者さんや家族の気持ちを想像し、その感情に向き合い続けていく、そんな小林さんの様子が描かれていきます。 精神科ということもあり辛い描写や内容も含まれていますが、絵のタッチが柔らかく作品全体に温かい雰囲気があり、だからこそ心に響く物語になっています。 単行本のナンバリングはされていませんが、連載誌のcomicタントではまだ連載が続いているようなので、引き続き応援していきたい作品です。これまでにない"入れ替わりラブコメ" #1巻応援キョーダイシャッフル すのはら風香sogor25マンションの隣同士の部屋に住んでいる結崎家と石見家。 結崎家には兄の桐也と妹の梢、石見家には姉の真麻と弟の和馬という同い年の双子がいました。 ある日、桐也と真麻が一緒に帰っているときに真麻が「私 桐也が好き」と告白をしてきます。 しかし桐也は咄嗟にその告白を拒絶してしまいます。 なぜなら…「本当は真麻は桐也の実の妹」だったからです 実はもともとは"桐也と真麻" "梢と和馬"という組み合わせの双子だったのですが、8年前のある日を境に真麻と梢の立場がそっくりそのまま入れ替わってしまったのです。 しかもそのことに気付いているのはなぜか桐也と和馬だけ。 つまり真麻目線では"幼馴染の男の子"である桐也に告白したのですが、桐也目線では"実の妹"に告白されたという不思議なすれ違いが生まれてしまっていたのです。 桐也の中では真麻の存在は"妹"のままなのですが、入れ替わりから8年も経っており、"隣の家の子"として接している時間のほうが長くなってしまったために真麻の告白をどう受け止めればいいのか困惑してしまいます。 本来は兄であるはずの桐也に抱いた真麻の想いは本当に恋なのかどうか、 そもそも入れ替わりは桐也と和馬の妄想や思い違いではないのか、 もし入れ替わりが本当なら この入れ替わった状態がずっと続くのか。 普通の入れ替わりモノでは生まれない複雑な感情に桐也たちが悩まされる、これまでにない作品になっています。 1巻まで読了きっとこれは純粋な恋の物語 #1巻応援一人暮らし、熱を出す。恋を知る。 だーくsogor25クリスマスの夜に熱を出し、会社を休むことになってしまったサラリーマンの井上。 1人家で寝込む孤独に耐えきれず、体調不良についてSNSに投稿してしまった彼でしたが、見ず知らずのアカウントから連絡があり、朦朧としながらそのアカウントとやり取りをするうちに、そのアカウントの主であった金髪ギャル・が家に看病しに現れるという導入の作品です。 かなり変化球気味の導入から始まる作品で、その後も第1話の中だけでいろんな展開を見せるので、1話だけ読むとかなりトリッキーな作品に見えるかもしれません。 しかしながら、1巻を通して読んでみると(2人の出会いの特殊さを除けば)登場人物のすごく純粋な感情に溢れている恋物語だということが分かってきます。 万人に受け入れられる作品ではないかもしれませんが、刺さる人には刺さる内容だと思うので どういう作品か気になった人は是非単行本で読んでみてほしい作品です 1巻まで読了 « First ‹ Prev … 15 16 17 18 19 20 21 22 23 … Next › Last » もっとみる
先輩の"褒め言葉のクセがすごい" #1巻応援褒めるひと 褒められるひと たけだのぞむsogor25おもちゃ会社の事務員として働く市川詠子はある日、仕事上の凡ミスを上司に叱責され 給湯室で落ち込んでいました。 そこに声を掛けてきたのが先輩の坂東。彼は市川を食事に連れ出し彼女のことを励ましてくれたのですが、そのときの彼の褒め言葉がどうにもピンとこないものばかりで、それを受ける市川も嬉しいけれどどこか腑に落ちない感じがしています。 この作品はそんな2人のやり取りを描くコメディ作品です "先輩の褒め方のクセがすごい"というシンプルな設定の作品なんですが、"褒める"という行為が起点になってコメディが展開するので、笑いの中に悪意や毒気が少なく、読むと純粋に癒やされる作品です。 また、2人以外にも何人か職場の同僚が登場するのですが、基本的にみんないい人だけどコメディとしてちゃんとキャラが立っていて、優しい世界観が続いていくのにコメディとしてしっかり面白い、誰にでも薦められる作品です。 1巻まで読了"多様性"の中で生きる教科書のような作品 #1巻応援ラストジェンダー ~何者でもない私たち~ 多喜れいsogor25"どんな人でも"受け入れる、多種多様な性自認や性的指向・嗜好の人々が集まるハプニングバー「BAR California」を舞台にしたオムニバス作品。 個々の登場人物それぞれが自分の人生に大切なことを見つけていく過程がドラマチックに描かれ、なおかつそれぞれの話が密接に関わる連作短編のような構造になっていて、全てが一連の物語のように読める作品です。 それでいて、"セクシャルマイノリティ"についての描写がとても丁寧な印象を受けました。セクシャルマイノリティはいわゆる"LGBT"だけではないし、「トランスジェンダーでレズビアン」のように複数の要素を併せ持った人もいるし、性自認・性的指向・性的嗜好などはそれぞれ異なる概念で…というベースとなる知識を押さえつつ、"セクシャルマイノリティ"という枠組みとしてではなく、"セクシャルマイノリティの特徴を持った一個人"として描いていて、まさに"多様性"、そして多様性が存在する中での"生き方"を描いた、教科書のような作品だと思います。 1巻まで読了ある意味全ての人にとって身近な"お葬式"の物語 #1巻応援お葬式にJ-POP Kimurasogor25就職活動に苦戦していた大学4年生の塩山あかりは卒業まであと2ヶ月というところで初めて内定をもらえたのは「葬儀社」でした。 この作品は、これまで一度もお葬式に参列したことのなかったあかりが応募したことすら忘れていた葬儀社で働来始める様子をフルカラーで描く作品です タイトルや表紙からはコメディチックな印象を受けるのですが、実際にはお葬式の様子や登場する家族を真摯に描いていて、ストーリーとしてはシリアスな側面も強くなっています。 それをフルカラーの作画、そして主人公・あかりの持ち前の負けん気の強さにより、作品全体が暗くなりすぎず、読みやすく仕上げている作品です もちろんこの作品で描かれているのはフィクションではあるのですが、家族や友人の死というのは誰にでもやってくる出来事であり、もしかしたら全ての人に身近になり得る作品と言えるのではないでしょうか。 そういう意味では、今までお葬式に参列したことのない、主人公のあかりのような人にこそ読んでみてほしい作品です。恋愛が書けない小説家 × 担当編集になった高校の同級生 #1巻応援蠍と乙女シリーズ 澄谷ゼニコsogor25高校生でデビューし大人気作家となった早乙女は、自身初の恋愛小説の執筆に取り掛かるものの、恋愛シーンを書くことができないためにスランプに陥り、1年間もの間新作を出すことが出来ませんでした。 そんな折、担当編集が変わるということで現担当に呼び出されたのですが、そこで新しい担当編集として紹介されたのが高校の同級生・笹反(ささそり)だった、という導入から始まる物語です。 2人は高校の頃から知り合いだっただけでなく、2人だけしか知らないある"因縁"を抱えていました。 その因縁の鍵となっているのが、早乙女が高校時代に書いた小説。 その小説は「誰かの娯楽のために書かない」というのを信条としている早乙女が唯一「笹反のために」書いた小説でした。 笹反はその小説の中ではちゃんと恋愛が書けていたと言い、スランプを脱するためにこの小説を通して過去と向き合うよう諭します。 その"過去"というのがどういうものなのか、そしてそれが現在の2人の関係にどういう影響を与えているのか、"過去"と"現在"の2人の思いがリンクして描かれていく作品です。 1巻まで読了九龍城で繰り広げられる摩訶不思議なバディストーリー #1巻応援九龍葬査回奇録 晴十ナツメグsogor25旅行で香港の九龍城を訪れた日本人の鳥居筒見は、食事中にカバンを盗まれてしまい途方に暮れている所に謎の人物・紗樂(シャラク)に声を掛けられます。 この出会いをきっかけに、鳥居が紗樂とともに九龍城で起こる"異形の存在"にまつわる事件に巻き込まれていくという物語です 紗樂は異形と対峙するときに怪しげな術を使う上に"クスリ"を使っていないと精神状態を保てないという、かなりアブナイ人物として描かれています。 当然鳥居はそんな紗樂を訝しんでいたのですが、鳥居が九龍城を訪れたのには"ある理由"があり、それを紗樂に見透かされたことをきっかけに彼に興味を持ち行動を共にするようになります。 このように凸凹だけど絶妙な距離感の2人が不思議な事件を解決していくバディものとしての面白さがあり、さらに個性の強い登場人物や九龍城の混沌とした世界観が入り乱れ、アクの強い作品になっています 1巻まで読了いじめられっ子が死んで幽霊になったら最強だった件 #1巻応援死んでから本気出す 橋本くららsogor25学校でいじめに遭っていた15歳の高井瀬奈はある日、車道に飛び出したネコを助けようとしてトラックに轢かれてしまいます。 すると次の瞬間、目の前に"霊界の案内人"と名乗る少女・ファミリアが現れて、瀬奈が死んで幽霊になったのだと追われます。 ファミリア曰く、瀬奈には人間を驚かせる"幽霊の才能"があるらしく、そこで彼女は瀬奈にあるミッションを提案します。 それが「四十九日の間に100人の人間を驚かせることができれば異世界に転生させてもらえる」というもの。 そのミッションを聞いた瀬奈は、現世と決別し異世界への転生をするために人間たちを驚かせはじめる、という物語です。 自身がいじめられてきた経験が影響しているのか、驚かせる人間は"悪人"だけと決めて瀬名は行動を始めます。 そのため、序盤では勧善懲悪的な爽快さのある展開が繰り広げられます。 このまま"最凶の幽霊"として無双する瀬奈の様子が描かれるのかと思いきや、どうやらそういうわけではなさそうです。 そこには瀬奈をいじめていた同級生に対する瀬奈自身のトラウマや、現世に遺された母親の存在などがあり、さらに1巻の最後にはこれまでの物語からは想像できない思わぬ展開が加わることで、爽快感だけじゃないストーリーの魅力が生まれている作品です。 1巻まで読了"叶わぬ恋"に囚われた2人の歪な恋愛模様 #1巻応援アクトジジョウ きゆうsogor25女子高生の春瀬清美は英語教師の成田先生に恋をしていました。 しかし成田先生には身重の奥さんがいるため、その恋は決して叶わぬもの。 想いを伝えることすら出来ずただ成田先生を思い続けている彼女は、自分に告白してきた同級生の三谷仁と"体だけの関係"を結んでいました 三谷は春瀬の成田先生への想いを全て知っており、それが「自分の想いが春瀬には届かない」ことを意味すると理解しながら彼女の想いを肯定してくれる存在。 そんな彼に対して春瀬は自身の境遇を重ねるのですが、それが逆に春瀬に三谷への歪んだ執着心を植え付けます。 同じ"叶わぬ恋"をしているはずなのに、何も得ることが出来ていない春瀬に対し、想い人の"身体だけ"は手に届くところにある三谷。そんなのは許されない。 そのような思いから、三谷を傷つけるために春瀬は彼に対して体を許します。 そんな 同じようで決定的に異なる"叶わぬ恋心"を内に秘めた2人のいびつな恋愛模様が描かれる作品です。 1巻まで読了人間社会に疲れた人々を”スカウト”するタヌキの物語 #1巻応援お前、タヌキにならねーか? 奈川トモsogor25遮断器の降りた踏切の中に入り死のうとしているOL、彼女の目の前に1匹のタヌキが現れてこう言います。 「人間やめるなら タヌキにならねーか?」 この作品はこのように人間社会に疲れた人々と、そんな人を見つけては「タヌキにならないか」とスカウトしていくタヌキのこがね丸との物語です。 スカウトした人々をタヌキに変化させて"タヌキ体験"させることで数が少なくなってしまったタヌキを増やそうとしているこがね丸。 それに対し"タヌキ体験"によって人間社会から離れることで心の疲れを癒やした人々がそれぞれの道を見つけていく、というハートフルな作品です。 結果的にこがね丸の「タヌキを増やす」という目的はあまり達成できていないのですが、その様子も含めて可愛らしい作品です。 1巻まで読了レトロな雰囲気も楽しいドタバタコメディ #1巻応援おれの星に手を出すな! 静子sogor25発明好きの高校生・飛丸工太のクラスに渋谷星子という転校生がやってきます。 ある日、星子が学校の屋上の柵の外に立っているのを見掛けた工太は慌てて屋上に向かったのですが、そこで彼女が行っていたのはUFOとの交信。 実は星子は別の星から来た宇宙人で、人類が地球にふさわしい生物なのかテストするために人間の姿をして高校に潜り込んでいたのです。 「"1年間のうちに5人が星子に危害を加えた場合"には地球で生きるには値しないと判断し人類を滅ぼす」という計画を知ってしまい、工太は地球の滅亡を防ぐため星子を守ることになる、という作品です。 何も知らずに星子に絡もうとする周囲の人々に対して、星子に危害を加えられないように奮闘する工太を描くドタバタコメディで、80年代風の絵柄で描かれていてレトロな雰囲気も楽しい作品です。 また、工太と星子以外にもたくさんの個性あふれるキャラクターが登場し、回を増すごとにドタバタ感がどんどん強くなっていく作品です。 1巻まで読了患者の"日常"に寄り添う「訪問看護」の物語 #1巻応援おとずれナース ~精神科訪問看護とこころの記録~ のまりsogor25この作品の主人公は、病院内ではなく実際に患者さんの家を訪れて看護を行う "訪問看護師"として働いている小林さんという女性です。 元々は病院の精神科で働いていた小林さんですが、病院でのある経験を経て、「もっと患者さんに寄り添いたい」という思いから訪問看護師として働き始めました。 この作品はそんな小林さんが様々な患者さんやその家族と向き合っていく様子を描く作品です。 精神科が舞台ということで、作中には様々な疾患を抱える患者さんが登場します。 そして、患者さんの家を実際に訪問する"訪問看護"では、家族も含めた患者さんの"日常"に寄り添うことになります。 ただ仕事をこなすだけではなく、患者さんや家族の気持ちを想像し、その感情に向き合い続けていく、そんな小林さんの様子が描かれていきます。 精神科ということもあり辛い描写や内容も含まれていますが、絵のタッチが柔らかく作品全体に温かい雰囲気があり、だからこそ心に響く物語になっています。 単行本のナンバリングはされていませんが、連載誌のcomicタントではまだ連載が続いているようなので、引き続き応援していきたい作品です。これまでにない"入れ替わりラブコメ" #1巻応援キョーダイシャッフル すのはら風香sogor25マンションの隣同士の部屋に住んでいる結崎家と石見家。 結崎家には兄の桐也と妹の梢、石見家には姉の真麻と弟の和馬という同い年の双子がいました。 ある日、桐也と真麻が一緒に帰っているときに真麻が「私 桐也が好き」と告白をしてきます。 しかし桐也は咄嗟にその告白を拒絶してしまいます。 なぜなら…「本当は真麻は桐也の実の妹」だったからです 実はもともとは"桐也と真麻" "梢と和馬"という組み合わせの双子だったのですが、8年前のある日を境に真麻と梢の立場がそっくりそのまま入れ替わってしまったのです。 しかもそのことに気付いているのはなぜか桐也と和馬だけ。 つまり真麻目線では"幼馴染の男の子"である桐也に告白したのですが、桐也目線では"実の妹"に告白されたという不思議なすれ違いが生まれてしまっていたのです。 桐也の中では真麻の存在は"妹"のままなのですが、入れ替わりから8年も経っており、"隣の家の子"として接している時間のほうが長くなってしまったために真麻の告白をどう受け止めればいいのか困惑してしまいます。 本来は兄であるはずの桐也に抱いた真麻の想いは本当に恋なのかどうか、 そもそも入れ替わりは桐也と和馬の妄想や思い違いではないのか、 もし入れ替わりが本当なら この入れ替わった状態がずっと続くのか。 普通の入れ替わりモノでは生まれない複雑な感情に桐也たちが悩まされる、これまでにない作品になっています。 1巻まで読了きっとこれは純粋な恋の物語 #1巻応援一人暮らし、熱を出す。恋を知る。 だーくsogor25クリスマスの夜に熱を出し、会社を休むことになってしまったサラリーマンの井上。 1人家で寝込む孤独に耐えきれず、体調不良についてSNSに投稿してしまった彼でしたが、見ず知らずのアカウントから連絡があり、朦朧としながらそのアカウントとやり取りをするうちに、そのアカウントの主であった金髪ギャル・が家に看病しに現れるという導入の作品です。 かなり変化球気味の導入から始まる作品で、その後も第1話の中だけでいろんな展開を見せるので、1話だけ読むとかなりトリッキーな作品に見えるかもしれません。 しかしながら、1巻を通して読んでみると(2人の出会いの特殊さを除けば)登場人物のすごく純粋な感情に溢れている恋物語だということが分かってきます。 万人に受け入れられる作品ではないかもしれませんが、刺さる人には刺さる内容だと思うので どういう作品か気になった人は是非単行本で読んでみてほしい作品です 1巻まで読了
おもちゃ会社の事務員として働く市川詠子はある日、仕事上の凡ミスを上司に叱責され 給湯室で落ち込んでいました。 そこに声を掛けてきたのが先輩の坂東。彼は市川を食事に連れ出し彼女のことを励ましてくれたのですが、そのときの彼の褒め言葉がどうにもピンとこないものばかりで、それを受ける市川も嬉しいけれどどこか腑に落ちない感じがしています。 この作品はそんな2人のやり取りを描くコメディ作品です "先輩の褒め方のクセがすごい"というシンプルな設定の作品なんですが、"褒める"という行為が起点になってコメディが展開するので、笑いの中に悪意や毒気が少なく、読むと純粋に癒やされる作品です。 また、2人以外にも何人か職場の同僚が登場するのですが、基本的にみんないい人だけどコメディとしてちゃんとキャラが立っていて、優しい世界観が続いていくのにコメディとしてしっかり面白い、誰にでも薦められる作品です。 1巻まで読了