"前世が視える"女性が遭遇したのは"前世での天敵"!? #1巻応援今度は殺されたくないアザラシさん 魚住ユキコ さんかく。sogor2524歳のOL・海野まひるには"人の前世が視える"という特殊能力がありました。 ちなみに彼女の前世は「北極に住んでいたアザラシ」。 そんな彼女の職場に新人が配属されてくるのですが、その新人・北村律の前世は「まひるの前世であるアザラシを食い殺したシロクマ」だったのです。 この作品はそんな2人と周囲の人々が繰り広げるオフィスラブコメです。 登場人物の前世が見えているのはもちろん主人公のまひるだけなんですが、前世の習性が現世にも影響を及ぼしているようで、「凶暴なシロクマ」が前世の律のことをまひるは異常なまでに警戒しています。 一方、前世のことなど全く知らない律はむしろまひるに好意を抱いていて、積極的にアプローチを仕掛けていきます。 その2人の世代を越えたすれ違いのやり取りが見ていてとても楽しい作品です。 また、登場人物の背後に時々その人物の前世が描かれているのですが、そのキャラが登場人物以上に濃い表情を見せることもあり、特にまひるの前世であるアザラシが見せる表情の可愛らしさもとても魅力的な作品です。 1巻まで読了体を動かすためには"接触"しなければいけない!?ラブコメマンガ #1巻応援きみのご冥福なんていのらない 松尾あきsogor25仲はいいけども付き合っているわけではない、"友達以上恋人未満"な関係の高校生・小野と篠原。 ある日、何気ない会話の流れから小野は篠原に告白してしまうのですが、あまりに突然の告白だったために篠原はその場を逃げ出してしまいます。 次の日、小野に合わせる顔がないと思いながらも学校に向かった篠原なのですが、そこで彼女は小野が交通事故で亡くなってしまったことを知ります。 その後、悲しみに暮れていた篠原が小野の眠るお墓を訪れるのですが、そこでなぜか彼が"ゾンビ"として蘇ってしまいます。 ゾンビではあるもののちゃんと自分の意思を持って蘇った小野なんですが、どうやら一定時間が経過すると身体が動かなくなってしまうようで、再び身体を動かせるようにするには 篠原と接触して"胸を鳴らす"必要があるらしいということが判明します。 この"胸を鳴らす"という設定が絶妙で、小野が活動を続けるために必要な"身体的接触"がそのまま"恋のドキドキ"へと結びついていくという、実は最高にラブコメしてる作品です。 もちろん小野はゾンビであり、今の身体の状態がずっと続くという保証はないのですが、それはある意味では「思春期の淡い恋模様」と同じだと捉えることもできると思うので、純粋にこの2人の関係を見守っていきたい、そんな作品です。 1巻まで読了ワケありカップルと親に捨てられた姉弟との同居生活 #1巻応援僕たちが家族になるまで あさひよひsogor25恋人の姫宮と2人暮らしをしている30歳のサラリーマン・窪田旺志郎の元に、2人の子供・楽夢(らむ)と真理央(まりお)を連れた6つ上の姉が突然現れます。 たまたま姫宮は夜勤の日で、姉の言うままに3人を泊めることになる窪田。 しかし次の日、窪田が目を覚ましたときには姉の姿はなく、楽夢は彼女が自分たちを捨てて出ていったのだと言います。 このような経緯で、突然一緒に暮らすこととなった窪田とその恋人の姫宮、そして楽夢と真理央の姉弟を描く作品です。 楽夢は母親が自分たちをいつか捨てるだろうと思っていたようですが、真理央のほうはまだ幼く、母親がいなくなった事実を理解できていません。 また、窪田と姫宮のカップルも実はある秘密を抱えていて、4人の突然の同居生活を描く過程で、それぞれが抱えている問題が少しずつあぶり出されていきます。 まずは窪田の抱える心の傷、そして姫宮との秘密が描かれている1話を読んで物語の雰囲気を知ってもらいたい作品です。 1巻まで読了謙信と信玄の記憶を持つ女子高生が惹かれ合う物語 #1巻応援龍と虎 いくたはなsogor25同じ学校に通う女子高生の上杉龍と武田虎子。 実は彼女たちはそれぞれ、龍は上杉謙信の、虎子は武田信玄の記憶を持ったまま生まれた、いわば「生まれ変わり」のような女の子たちでした。 この作品はそんな2人が現代で再び出会い、そして惹かれ合う様子を描く作品です。 見た目は女子高生でちゃんと現代の知識も持っているのですが、言葉遣いや性格は武将そのもの、という龍のと虎子2人。 そのアンバランスさのなかで、武将としての勇ましさと恋をする初々しさの両方を見せながら、2人が少しずつ互いに惹かれてゆく様子に尊さが溢れています。 また、2人だけではなく、それぞれの家臣だった武将の記憶を持つ女子高生たちも登場し、歴史ネタも上手く織り交ぜながら物語が進んでいきます そのため、当主と家臣という深い関係性を引き継ぎつつ、現代で新たな関係性を紡いでいく女子高生たちの群像劇としても面白い作品です 単行本は今のところ電子書籍のみでの発売ですが、もっといろんな人に読んでほしいと思える作品です。 1巻まで読了暗殺者とそのターゲットが「家族」になる物語 #1巻応援ニーナはパパを暗殺したい 島崎無印 キトラsogor25内務省直轄機関の特殊工作員である高橋怜司は、突入したマフィアのアジトで1人取り残された少女・ニーナを発見します。 彼女はマフィアにより暗殺マシーンとして育てられていた上に「最初に自分を発見した者を殺せ」という暗示を受けており、「最初の発見者」である怜司を殺そうとします。 腕利きの工作員である怜司にとってニーナをあしらうのは容易いのですが、怜司が彼女のターゲットとなっていることから、逆に上司から「ニーナを監視するために一緒に暮らす」ことを命じられます。 という導入から始まるので、設定だけ見ると殺伐としているのですが、実際は一緒に暮らし始めた怜司とニーナが徐々に関係性を深めてゆき「家族」になっていく様子を描く作品です。 暗示により無意識に怜司を殺そうとするニーナと、そんなニーナを御しつつ 無理に暗示を解いて彼女の精神に影響を与えないよう丁寧に「普通の生活」を教え込もうとする怜司の生活は、 見ようによってはじゃれ合っている親子のようにも見えてきます。 また、途中から怜司の同僚である美緒が補佐として2人の生活に関わるようになり、本当の親子3人の日常のように見える場面が増えてきます。 一応"暗殺者とそのターゲット"という関係なのに、気づいたらちゃんと親子のような関係性を築いている、設定に反してとても心温まるホームコメディのような作品です。 1巻まで読了男子校の生徒にとって「共学化」とは"異世界転生"である #1巻応援女子高生はおはようって言う ゆめみつき ルシファー吉岡sogor25中高一貫・全寮制の男子校であった百合丘山上高等学校は、女子校との合併により共学化することが決定します。 5年間全寮制の男子校で過ごしてきた高校2年生の生徒たちにとっては「女子高生」とはもはやペガサスと同じ"空想上の生き物"。 この作品は高校の共学化により女子高生が身近に存在するという、ほとんど"異世界転生"に近い環境に身を置くことになった男子高校生4人の様子を描く作品です。 実はこの作品はピン芸人のルシファー吉岡さんが「R-1ぐらんぷり2019」で披露したコントを原案とした作品です。 元々のネタは吉岡さんが高校教師を演じる形なのですが、この作品は男子高校生4人の視点を中心に描かれていて、より「"女子高生"という未知の生物の存在に戸惑う男子高校生たち」の解像度が上がり、この状況の面白さが増しているように思います。 実は自分たちと同じ普通の人間である同級生の"女子高生"に対してどんどん不思議な考察を繰り広げていく男子高生の様子が掛け値なしに面白いコメディ作品です。 1巻まで読了全ての人の心に響きうる物語 #1巻応援怪獣になったゲイ ミナモトカズキsogor25学校でいじめられている高校生・安良城貴は、片思いをしている学校の先生・黒田への気持ちを心の支えにして日々の学校生活を耐え忍んでいました しかしある日 その黒田先生が職員室での雑談中に"同性愛への偏見"の言葉を口にしているのを偶然聞いてしまいます。 その言葉に深く傷ついた安良城は「ゲイじゃない何かになりたい」と強く願ううちに、気が付くと顔面が怪獣になってしまう、という導入の物語です。 同性愛がテーマになっている作品ではあるのですが、物語の本質は人間が誰しも持ち合わせている様々な"感情"にあると私は思っています。 安良城の顔が怪獣になってしまった要因や怪獣になった跡の安良城の感情の変化、そして彼に接する黒田先生の様子…後を引く物語の幕引きも含めて、全てが取り繕いのない"生の感情"に溢れていて、 "ゲイ"とタイトルに入ってはいますが セクシャルマイノリティとは関係なく 全ての人の心に刺さる内容だと思います。 それでいて、作品の持つ強いメッセージがストーリーにちゃんと溶け込んでいて、 ファンタジー性も合わさってとても読みやすい作品になっています。"死者の五感"を頼りに凸凹コンビが事件に挑む #1巻応援ダイロクセンス 長門知大sogor25普段から厄介仕事ばかり押し付けられている警視庁のお荷物部署・刑事部特別第六課を舞台に、怪力が特徴で正義感の強い刑事の白原スミレと彼女がある事件で出会った14歳のマジシャン・四椿ルイのコンビが数々の殺人事件を解決していく様子を描く作品。 熱血な刑事のルミレと生意気なルイという2人のバディもので、ルミレを含めた第六課の面々のキャラクターもあって事件が起こるまでの展開はポップなコメディ調で物語が進んでいきます。 しかし実はルイには「死者の五感を追体験できる」という特殊能力があり、事件の被害者の五感を追体験する様子やその後の捜査の過程など、作品の雰囲気が一気に張り詰める瞬間が現れます。 コメディシーンはテンポよく、シリアスなシーンになると一気に重厚な雰囲気を醸し出す、『ケイゾク』や『トリック』などの往年の堤幸彦ドラマのような空気感のミステリー作品です 1巻応援迫りくる"学園BLのテンプレ展開"から逃げ切れ! #1巻応援テンプレ学園の転校生 いなかしルやsogor25初等部から高等部まで一貫の男子校である私立天賦令(てんぷれ)学園。 そこに転校してきた平本マモルは転校初日にかつての同級生・山牡丹雪白と再会します。 久しぶりの再開を喜ぶマモルでしたが、そんな彼に雪白は忠告をします。 「このままじゃキミ エロ同人案件まっしぐらだよ」と 実はこの天賦令学園は同性と恋するのが当たり前の学校で、ド平凡なマモルは雪白曰く「正統派主人公受け」としてピッタリだとのこと。 この作品はそんな環境でマモルが雪白に助けられながら、「エロ同人案件」をなんとか回避していくという作品です。 BLがテーマとなっている作品ではあるのですが、どちらかというと主人公のマモルにBLでよくある"テンプレ展開"が何度も訪れてそれをなんとかくぐり抜けていくというコメディ要素の強い作品です。 設定的には『絶対BLになる世界 VS 絶対BLになりたくない男』にも近いのですが、この作品はあくまでBLマンガの中の世界ではなく現実の世界であり、しかも初手から「エロ同人案件」なんて言葉がでてくるくらいなので巻き起こる"テンプレ展開"はけっこうハード。そのため、コメディベースながらもハラハラする場面がたくさんあります。 さらに、冒頭からマモルを助けてくれていた雪白なんですが、どうやらマモルに秘密にしていることがある様子で、それを含めて今後の展開が楽しみな作品です。 1巻まで読了"ふたりぼっち"だけど"ふたりぼっちじゃない"義理の姉妹の物語 #1巻応援晴れ晴れ日和 吉村佳sogor25OLとして働く千晴と母親の再婚相手の子どもである7歳のルイが2人で暮らす様子を描く作品。 自分の考えをしっかり持った"カッコいい"振る舞いを見せるルイと、ルイのことを溺愛している千晴との2人暮らしには細やかですが多幸感に満ちた時間が流れています。 そして、それは2人の時間だけではなく、ルイが通う小学校にも伝播していきます。 周りの子どもたちよりもちょっとだけ大人びていて、彼女の"カッコいい"振る舞いが気付けばみんなを惹きつけている、そんなルイのキャラクターがとても魅力的な作品です。 1巻まで読了熱量と繊細さが詰まったeスポーツ物語 #1巻応援ケッペキゲーマー あまのsogor25本作の主人公は極度の潔癖症で5年に渡り引きこもりを続けている黒田公正。 部屋から外に出られないために自分の存在を肯定することができず、そのせいで余計に外に出づらくなっているという悪循環に陥っているような状態で、彼の本棚には「強迫性障害」についての本が並んでいます。 ある日、そんな彼の家にカウンセラーがやってくるのですが、そのカウンセラー・足立は車椅子の少女だったことに黒田は驚きます。 この作品はそんな足立とのカウンセリングの中でゲームを薦められたことをきっかけに黒田が"eスポーツの世界"へと足を踏み入れていく物語です 最近にわかに増え始めている"eスポーツ"をテーマにした作品なのですが、第三者から見える世界と極度の潔癖症である黒田に見えている世界、そして"ゲームの中の世界"が全く異なる描かれ方をしていて、マンガの表現として異質な雰囲気を帯びている作品です。 さらに 、強迫性障害の描写や足立の"普通とは違う"ゲームのプレイの様子など インパクトのある描写が多く見られるのですが、それ以上に、自身の現状をなんとか変えようとする黒田がeスポーツにのめり込んでいく、その過程に強烈な熱量を秘めています。 障害というものを扱っている作品ではあるのですが、それを感じさせないほど 物語にのめり込ませてしまうエネルギーを持っている作品です。 1巻まで読了"彼氏の前でだけ"ポンコツになる優等生の女の子 #1巻応援君と一緒じゃままならない しをたひろみちsogor25容姿端麗で成績優秀、スポーツも万能で学級委員長として信頼も厚い、そんな誰もが羨む完璧な少女・奈見さん。 でも実は彼女には周りには内緒で付き合っている同級生の彼氏がいて、そしてその彼氏・久瀬くんの前でだけはポンコツなドジっ子になってしまうという性質がありました。 この作品はそんな2人の様子を描くラブコメ作品です。 クラスメイトの前ではポンコツな様子は全然見せないのに、久瀬くんの前…というより 久瀬くんのことを考えるだけでいつも通りにできなくなり、一気にドジっ子になってしまう奈見さん。 そんな感じで久瀬くんのことをメチャクチャ意識している奈見さんに対し、久瀬くんのほうは普段からクールで感情が表情にあまり出ないのですが、2人でいるときも節々に奈見さんのことを想っている様子が伺えます。 そんな2人それぞれのギャップも楽しい、甘々なラブコメ作品です。 1巻まで読了 « First ‹ Prev … 14 15 16 17 18 19 20 21 22 … Next › Last » もっとみる
"前世が視える"女性が遭遇したのは"前世での天敵"!? #1巻応援今度は殺されたくないアザラシさん 魚住ユキコ さんかく。sogor2524歳のOL・海野まひるには"人の前世が視える"という特殊能力がありました。 ちなみに彼女の前世は「北極に住んでいたアザラシ」。 そんな彼女の職場に新人が配属されてくるのですが、その新人・北村律の前世は「まひるの前世であるアザラシを食い殺したシロクマ」だったのです。 この作品はそんな2人と周囲の人々が繰り広げるオフィスラブコメです。 登場人物の前世が見えているのはもちろん主人公のまひるだけなんですが、前世の習性が現世にも影響を及ぼしているようで、「凶暴なシロクマ」が前世の律のことをまひるは異常なまでに警戒しています。 一方、前世のことなど全く知らない律はむしろまひるに好意を抱いていて、積極的にアプローチを仕掛けていきます。 その2人の世代を越えたすれ違いのやり取りが見ていてとても楽しい作品です。 また、登場人物の背後に時々その人物の前世が描かれているのですが、そのキャラが登場人物以上に濃い表情を見せることもあり、特にまひるの前世であるアザラシが見せる表情の可愛らしさもとても魅力的な作品です。 1巻まで読了体を動かすためには"接触"しなければいけない!?ラブコメマンガ #1巻応援きみのご冥福なんていのらない 松尾あきsogor25仲はいいけども付き合っているわけではない、"友達以上恋人未満"な関係の高校生・小野と篠原。 ある日、何気ない会話の流れから小野は篠原に告白してしまうのですが、あまりに突然の告白だったために篠原はその場を逃げ出してしまいます。 次の日、小野に合わせる顔がないと思いながらも学校に向かった篠原なのですが、そこで彼女は小野が交通事故で亡くなってしまったことを知ります。 その後、悲しみに暮れていた篠原が小野の眠るお墓を訪れるのですが、そこでなぜか彼が"ゾンビ"として蘇ってしまいます。 ゾンビではあるもののちゃんと自分の意思を持って蘇った小野なんですが、どうやら一定時間が経過すると身体が動かなくなってしまうようで、再び身体を動かせるようにするには 篠原と接触して"胸を鳴らす"必要があるらしいということが判明します。 この"胸を鳴らす"という設定が絶妙で、小野が活動を続けるために必要な"身体的接触"がそのまま"恋のドキドキ"へと結びついていくという、実は最高にラブコメしてる作品です。 もちろん小野はゾンビであり、今の身体の状態がずっと続くという保証はないのですが、それはある意味では「思春期の淡い恋模様」と同じだと捉えることもできると思うので、純粋にこの2人の関係を見守っていきたい、そんな作品です。 1巻まで読了ワケありカップルと親に捨てられた姉弟との同居生活 #1巻応援僕たちが家族になるまで あさひよひsogor25恋人の姫宮と2人暮らしをしている30歳のサラリーマン・窪田旺志郎の元に、2人の子供・楽夢(らむ)と真理央(まりお)を連れた6つ上の姉が突然現れます。 たまたま姫宮は夜勤の日で、姉の言うままに3人を泊めることになる窪田。 しかし次の日、窪田が目を覚ましたときには姉の姿はなく、楽夢は彼女が自分たちを捨てて出ていったのだと言います。 このような経緯で、突然一緒に暮らすこととなった窪田とその恋人の姫宮、そして楽夢と真理央の姉弟を描く作品です。 楽夢は母親が自分たちをいつか捨てるだろうと思っていたようですが、真理央のほうはまだ幼く、母親がいなくなった事実を理解できていません。 また、窪田と姫宮のカップルも実はある秘密を抱えていて、4人の突然の同居生活を描く過程で、それぞれが抱えている問題が少しずつあぶり出されていきます。 まずは窪田の抱える心の傷、そして姫宮との秘密が描かれている1話を読んで物語の雰囲気を知ってもらいたい作品です。 1巻まで読了謙信と信玄の記憶を持つ女子高生が惹かれ合う物語 #1巻応援龍と虎 いくたはなsogor25同じ学校に通う女子高生の上杉龍と武田虎子。 実は彼女たちはそれぞれ、龍は上杉謙信の、虎子は武田信玄の記憶を持ったまま生まれた、いわば「生まれ変わり」のような女の子たちでした。 この作品はそんな2人が現代で再び出会い、そして惹かれ合う様子を描く作品です。 見た目は女子高生でちゃんと現代の知識も持っているのですが、言葉遣いや性格は武将そのもの、という龍のと虎子2人。 そのアンバランスさのなかで、武将としての勇ましさと恋をする初々しさの両方を見せながら、2人が少しずつ互いに惹かれてゆく様子に尊さが溢れています。 また、2人だけではなく、それぞれの家臣だった武将の記憶を持つ女子高生たちも登場し、歴史ネタも上手く織り交ぜながら物語が進んでいきます そのため、当主と家臣という深い関係性を引き継ぎつつ、現代で新たな関係性を紡いでいく女子高生たちの群像劇としても面白い作品です 単行本は今のところ電子書籍のみでの発売ですが、もっといろんな人に読んでほしいと思える作品です。 1巻まで読了暗殺者とそのターゲットが「家族」になる物語 #1巻応援ニーナはパパを暗殺したい 島崎無印 キトラsogor25内務省直轄機関の特殊工作員である高橋怜司は、突入したマフィアのアジトで1人取り残された少女・ニーナを発見します。 彼女はマフィアにより暗殺マシーンとして育てられていた上に「最初に自分を発見した者を殺せ」という暗示を受けており、「最初の発見者」である怜司を殺そうとします。 腕利きの工作員である怜司にとってニーナをあしらうのは容易いのですが、怜司が彼女のターゲットとなっていることから、逆に上司から「ニーナを監視するために一緒に暮らす」ことを命じられます。 という導入から始まるので、設定だけ見ると殺伐としているのですが、実際は一緒に暮らし始めた怜司とニーナが徐々に関係性を深めてゆき「家族」になっていく様子を描く作品です。 暗示により無意識に怜司を殺そうとするニーナと、そんなニーナを御しつつ 無理に暗示を解いて彼女の精神に影響を与えないよう丁寧に「普通の生活」を教え込もうとする怜司の生活は、 見ようによってはじゃれ合っている親子のようにも見えてきます。 また、途中から怜司の同僚である美緒が補佐として2人の生活に関わるようになり、本当の親子3人の日常のように見える場面が増えてきます。 一応"暗殺者とそのターゲット"という関係なのに、気づいたらちゃんと親子のような関係性を築いている、設定に反してとても心温まるホームコメディのような作品です。 1巻まで読了男子校の生徒にとって「共学化」とは"異世界転生"である #1巻応援女子高生はおはようって言う ゆめみつき ルシファー吉岡sogor25中高一貫・全寮制の男子校であった百合丘山上高等学校は、女子校との合併により共学化することが決定します。 5年間全寮制の男子校で過ごしてきた高校2年生の生徒たちにとっては「女子高生」とはもはやペガサスと同じ"空想上の生き物"。 この作品は高校の共学化により女子高生が身近に存在するという、ほとんど"異世界転生"に近い環境に身を置くことになった男子高校生4人の様子を描く作品です。 実はこの作品はピン芸人のルシファー吉岡さんが「R-1ぐらんぷり2019」で披露したコントを原案とした作品です。 元々のネタは吉岡さんが高校教師を演じる形なのですが、この作品は男子高校生4人の視点を中心に描かれていて、より「"女子高生"という未知の生物の存在に戸惑う男子高校生たち」の解像度が上がり、この状況の面白さが増しているように思います。 実は自分たちと同じ普通の人間である同級生の"女子高生"に対してどんどん不思議な考察を繰り広げていく男子高生の様子が掛け値なしに面白いコメディ作品です。 1巻まで読了全ての人の心に響きうる物語 #1巻応援怪獣になったゲイ ミナモトカズキsogor25学校でいじめられている高校生・安良城貴は、片思いをしている学校の先生・黒田への気持ちを心の支えにして日々の学校生活を耐え忍んでいました しかしある日 その黒田先生が職員室での雑談中に"同性愛への偏見"の言葉を口にしているのを偶然聞いてしまいます。 その言葉に深く傷ついた安良城は「ゲイじゃない何かになりたい」と強く願ううちに、気が付くと顔面が怪獣になってしまう、という導入の物語です。 同性愛がテーマになっている作品ではあるのですが、物語の本質は人間が誰しも持ち合わせている様々な"感情"にあると私は思っています。 安良城の顔が怪獣になってしまった要因や怪獣になった跡の安良城の感情の変化、そして彼に接する黒田先生の様子…後を引く物語の幕引きも含めて、全てが取り繕いのない"生の感情"に溢れていて、 "ゲイ"とタイトルに入ってはいますが セクシャルマイノリティとは関係なく 全ての人の心に刺さる内容だと思います。 それでいて、作品の持つ強いメッセージがストーリーにちゃんと溶け込んでいて、 ファンタジー性も合わさってとても読みやすい作品になっています。"死者の五感"を頼りに凸凹コンビが事件に挑む #1巻応援ダイロクセンス 長門知大sogor25普段から厄介仕事ばかり押し付けられている警視庁のお荷物部署・刑事部特別第六課を舞台に、怪力が特徴で正義感の強い刑事の白原スミレと彼女がある事件で出会った14歳のマジシャン・四椿ルイのコンビが数々の殺人事件を解決していく様子を描く作品。 熱血な刑事のルミレと生意気なルイという2人のバディもので、ルミレを含めた第六課の面々のキャラクターもあって事件が起こるまでの展開はポップなコメディ調で物語が進んでいきます。 しかし実はルイには「死者の五感を追体験できる」という特殊能力があり、事件の被害者の五感を追体験する様子やその後の捜査の過程など、作品の雰囲気が一気に張り詰める瞬間が現れます。 コメディシーンはテンポよく、シリアスなシーンになると一気に重厚な雰囲気を醸し出す、『ケイゾク』や『トリック』などの往年の堤幸彦ドラマのような空気感のミステリー作品です 1巻応援迫りくる"学園BLのテンプレ展開"から逃げ切れ! #1巻応援テンプレ学園の転校生 いなかしルやsogor25初等部から高等部まで一貫の男子校である私立天賦令(てんぷれ)学園。 そこに転校してきた平本マモルは転校初日にかつての同級生・山牡丹雪白と再会します。 久しぶりの再開を喜ぶマモルでしたが、そんな彼に雪白は忠告をします。 「このままじゃキミ エロ同人案件まっしぐらだよ」と 実はこの天賦令学園は同性と恋するのが当たり前の学校で、ド平凡なマモルは雪白曰く「正統派主人公受け」としてピッタリだとのこと。 この作品はそんな環境でマモルが雪白に助けられながら、「エロ同人案件」をなんとか回避していくという作品です。 BLがテーマとなっている作品ではあるのですが、どちらかというと主人公のマモルにBLでよくある"テンプレ展開"が何度も訪れてそれをなんとかくぐり抜けていくというコメディ要素の強い作品です。 設定的には『絶対BLになる世界 VS 絶対BLになりたくない男』にも近いのですが、この作品はあくまでBLマンガの中の世界ではなく現実の世界であり、しかも初手から「エロ同人案件」なんて言葉がでてくるくらいなので巻き起こる"テンプレ展開"はけっこうハード。そのため、コメディベースながらもハラハラする場面がたくさんあります。 さらに、冒頭からマモルを助けてくれていた雪白なんですが、どうやらマモルに秘密にしていることがある様子で、それを含めて今後の展開が楽しみな作品です。 1巻まで読了"ふたりぼっち"だけど"ふたりぼっちじゃない"義理の姉妹の物語 #1巻応援晴れ晴れ日和 吉村佳sogor25OLとして働く千晴と母親の再婚相手の子どもである7歳のルイが2人で暮らす様子を描く作品。 自分の考えをしっかり持った"カッコいい"振る舞いを見せるルイと、ルイのことを溺愛している千晴との2人暮らしには細やかですが多幸感に満ちた時間が流れています。 そして、それは2人の時間だけではなく、ルイが通う小学校にも伝播していきます。 周りの子どもたちよりもちょっとだけ大人びていて、彼女の"カッコいい"振る舞いが気付けばみんなを惹きつけている、そんなルイのキャラクターがとても魅力的な作品です。 1巻まで読了熱量と繊細さが詰まったeスポーツ物語 #1巻応援ケッペキゲーマー あまのsogor25本作の主人公は極度の潔癖症で5年に渡り引きこもりを続けている黒田公正。 部屋から外に出られないために自分の存在を肯定することができず、そのせいで余計に外に出づらくなっているという悪循環に陥っているような状態で、彼の本棚には「強迫性障害」についての本が並んでいます。 ある日、そんな彼の家にカウンセラーがやってくるのですが、そのカウンセラー・足立は車椅子の少女だったことに黒田は驚きます。 この作品はそんな足立とのカウンセリングの中でゲームを薦められたことをきっかけに黒田が"eスポーツの世界"へと足を踏み入れていく物語です 最近にわかに増え始めている"eスポーツ"をテーマにした作品なのですが、第三者から見える世界と極度の潔癖症である黒田に見えている世界、そして"ゲームの中の世界"が全く異なる描かれ方をしていて、マンガの表現として異質な雰囲気を帯びている作品です。 さらに 、強迫性障害の描写や足立の"普通とは違う"ゲームのプレイの様子など インパクトのある描写が多く見られるのですが、それ以上に、自身の現状をなんとか変えようとする黒田がeスポーツにのめり込んでいく、その過程に強烈な熱量を秘めています。 障害というものを扱っている作品ではあるのですが、それを感じさせないほど 物語にのめり込ませてしまうエネルギーを持っている作品です。 1巻まで読了"彼氏の前でだけ"ポンコツになる優等生の女の子 #1巻応援君と一緒じゃままならない しをたひろみちsogor25容姿端麗で成績優秀、スポーツも万能で学級委員長として信頼も厚い、そんな誰もが羨む完璧な少女・奈見さん。 でも実は彼女には周りには内緒で付き合っている同級生の彼氏がいて、そしてその彼氏・久瀬くんの前でだけはポンコツなドジっ子になってしまうという性質がありました。 この作品はそんな2人の様子を描くラブコメ作品です。 クラスメイトの前ではポンコツな様子は全然見せないのに、久瀬くんの前…というより 久瀬くんのことを考えるだけでいつも通りにできなくなり、一気にドジっ子になってしまう奈見さん。 そんな感じで久瀬くんのことをメチャクチャ意識している奈見さんに対し、久瀬くんのほうは普段からクールで感情が表情にあまり出ないのですが、2人でいるときも節々に奈見さんのことを想っている様子が伺えます。 そんな2人それぞれのギャップも楽しい、甘々なラブコメ作品です。 1巻まで読了
24歳のOL・海野まひるには"人の前世が視える"という特殊能力がありました。 ちなみに彼女の前世は「北極に住んでいたアザラシ」。 そんな彼女の職場に新人が配属されてくるのですが、その新人・北村律の前世は「まひるの前世であるアザラシを食い殺したシロクマ」だったのです。 この作品はそんな2人と周囲の人々が繰り広げるオフィスラブコメです。 登場人物の前世が見えているのはもちろん主人公のまひるだけなんですが、前世の習性が現世にも影響を及ぼしているようで、「凶暴なシロクマ」が前世の律のことをまひるは異常なまでに警戒しています。 一方、前世のことなど全く知らない律はむしろまひるに好意を抱いていて、積極的にアプローチを仕掛けていきます。 その2人の世代を越えたすれ違いのやり取りが見ていてとても楽しい作品です。 また、登場人物の背後に時々その人物の前世が描かれているのですが、そのキャラが登場人物以上に濃い表情を見せることもあり、特にまひるの前世であるアザラシが見せる表情の可愛らしさもとても魅力的な作品です。 1巻まで読了