君のことが好きで言えない。

現実と"ちょっとだけ違う"世界、誰にも言えない秘密の恋 #1巻応援

君のことが好きで言えない。 みかみふみ
sogor25
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主人公は幼馴染の中川歩に恋心を抱く高校1年生の高梨上総(かずさ)。 しかし彼女は"ある理由"から歩への思いを隠しながら生きていました。 なぜ上総は恋心を隠す必要があるのか それには2人が暮らす世界に秘密がありました。 実はこの作品の舞台となる世界では30年前に衝突した隕石の影響で 人が「同性しか愛せない世界」へと変わってしまっていたのです。 そんな世界で"異性愛者"だと知られると周りから白い目で見られてしまい、そしてそれは歩に対しても迷惑になってしまう、そんな理由から上総はその恋心を誰にも知られないよう過ごすしかなかったのです。 この作品はそんな、この世界と"ちょっとだけ違う世界"で繰り広げられるラブストーリーです 「同性しか愛せない」以外は私達の世界と変わらない世界が舞台なので、より一層、主人公の上総の置かれている状況の特異さが際立っていて、 1人だけ周りと違うことに思い悩む上総の姿や"異性愛者"に対する周囲の容赦のない言葉の数々、そして、 これはもしかしたら「同性しか愛せない」世界だからなのかもしれませんが"異性"である上総に対して自然と距離が近く無防備に接してくる歩の存在、それら全てが上総の恋心の切なさを加速させていく、そんな作品です。 1巻まで読了
Cocoon

表では「日本一の花魁」、裏では鬼を斬る闇組織の頭領 #1巻応援

Cocoon 見延案山子 夏原エヰジ
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舞台は江戸の世も半分を過ぎた天明、吉原遊郭の最高級の妓楼「黒羽屋」には「日本一の花魁」との呼び声の高い"瑠璃"という遊女がいました。 しかし、瑠璃の花魁としての姿は表の姿。 この世には恨みを持ったまま死んだ人間が成れ果てた"鬼"が存在し、闇夜に紛れて密かに人を殺めていました。 実は「黒羽屋」の裏の姿はそんな鬼を退治する闇組織「黒雲」であり、瑠璃は妖刀"飛雷"を携えて鬼を斬る「黒雲」の頭領でもあったのです。 この作品はそんな瑠璃を始めとする「黒雲」の暗躍を描く作品です。 江戸を舞台に"鬼"を始末する闇組織を描くという、王道の時代劇としての魅力が満載の作品であり、"鬼"の存在やその鬼を斃す妖刀や術などの描写や、さらに"鬼"とは異なる"妖"という存在の登場などファンタジー要素もふんだんに取り入れられている作品でもあります。 また、「黒羽屋」には「黒雲」としての姿を知らない者もいて、瑠璃の裏の顔を知らない遊女たちが彼女を妬む様子など、遊女たちの複雑な人間関係も描かれていきます。 それら全てが表紙のとおりの美しい絵柄で描かれていて、物語の魅力が最大限に引き出されたコミカライズになっています。 1巻まで読了
塔子さんはいい大人じゃいられない

素直に応援したくなる物語 #1巻応援

塔子さんはいい大人じゃいられない たかせうみ
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デザイナーとして働いている27歳の女性・胡桃沢塔子はある日、担当していた仕事をクライアントからの要望で外されてしまいます。 職場でも能力を認められていた塔子でしたが、彼女は幼い頃から表情に乏しく「意思疎通ができていない」と思われてしまったのがその原因でした。 そこで同僚に薦められたのが「マッチングアプリ」。 相手と直接会う前のメッセージでのやり取りでワンクッションを挟んで、そこからコミュニケーションの経験値を積もうという提案でした。 早速アプリに登録してみた塔子は、マッチングした真崎蒼斗という男性と意気投合し、実際に会うことになるのですが、そこで蒼斗が実は18歳の高校生であることが判明する、という導入の作品です。 無表情なために仕事でもプライベートでも勘違いされやすかった塔子が高校生だけど人馴れしている蒼斗との交流によって少しずつコミュニケーションの経験を積んでいくという物語なのですが、 主人公の塔子は"表情"は薄いんですが"感情"はとても豊かで、蒼斗との出会いによりいろんな感情を見せてくれるので、塔子のことを素直に応援したくなる物語です。 蒼斗のことを頼りにしつつも彼が高校生であるため努めて"大人"として接しようとする塔子と、塔子にもっと頼ってほしそうにしている蒼斗、2人の関係が今後どのように変化していくのか楽しみな作品です。 1巻まで読了
ニューノーマル【単行本版】

マスクが"常識"となった世界の少年少女の物語 #1巻応援

ニューノーマル【単行本版】 相原瑛人
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この作品の舞台は"ある感染症"のパンデミックにより、人前でマスクをすることが常識であり文化となった世界。 そんな新しい価値観が広まった世界における思春期の少年少女を描く作品です 「マスクの着用が普通になる」という、現実に近い設定の作品のように視えるのですが、この作品が現実と大きく異なるのは、公共の場でマスクをすることが感染症対策という目的を越えた"常識"となっていること。 つまりマスクはほとんど衣服と同様の扱いになっていて、「マスクをしない時代」を知らない思春期の少年少女にとってはマスクの下の鼻や口を見られることは"恥ずかしいこと"なのです。 ただ、衣服と違ってマスクは食事のときなどには外す動作が必要なため、日常生活の中でマスクの下を見られる隙が生じるということ。 この作品では「マスクを外した状態の顔を見られる」という私達にとっては普通の出来事が、登場人物にとって極めて衝撃的でビビッドな瞬間として描かれています。 この作品は"マスクが常識となった世界"という設定で現代の情勢をSF的に組み込みつつ、その中で生きる思春期の少年少女を瑞々しく描いている、設定の新しさと思春期という普遍的なテーマの両方を兼ね備えた作品です。 1巻まで読了
今度は殺されたくないアザラシさん

"前世が視える"女性が遭遇したのは"前世での天敵"!? #1巻応援

今度は殺されたくないアザラシさん 魚住ユキコ さんかく。
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24歳のOL・海野まひるには"人の前世が視える"という特殊能力がありました。 ちなみに彼女の前世は「北極に住んでいたアザラシ」。 そんな彼女の職場に新人が配属されてくるのですが、その新人・北村律の前世は「まひるの前世であるアザラシを食い殺したシロクマ」だったのです。 この作品はそんな2人と周囲の人々が繰り広げるオフィスラブコメです。 登場人物の前世が見えているのはもちろん主人公のまひるだけなんですが、前世の習性が現世にも影響を及ぼしているようで、「凶暴なシロクマ」が前世の律のことをまひるは異常なまでに警戒しています。 一方、前世のことなど全く知らない律はむしろまひるに好意を抱いていて、積極的にアプローチを仕掛けていきます。 その2人の世代を越えたすれ違いのやり取りが見ていてとても楽しい作品です。 また、登場人物の背後に時々その人物の前世が描かれているのですが、そのキャラが登場人物以上に濃い表情を見せることもあり、特にまひるの前世であるアザラシが見せる表情の可愛らしさもとても魅力的な作品です。 1巻まで読了
きみのご冥福なんていのらない

体を動かすためには"接触"しなければいけない!?ラブコメマンガ #1巻応援

きみのご冥福なんていのらない 松尾あき
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仲はいいけども付き合っているわけではない、"友達以上恋人未満"な関係の高校生・小野と篠原。 ある日、何気ない会話の流れから小野は篠原に告白してしまうのですが、あまりに突然の告白だったために篠原はその場を逃げ出してしまいます。 次の日、小野に合わせる顔がないと思いながらも学校に向かった篠原なのですが、そこで彼女は小野が交通事故で亡くなってしまったことを知ります。 その後、悲しみに暮れていた篠原が小野の眠るお墓を訪れるのですが、そこでなぜか彼が"ゾンビ"として蘇ってしまいます。 ゾンビではあるもののちゃんと自分の意思を持って蘇った小野なんですが、どうやら一定時間が経過すると身体が動かなくなってしまうようで、再び身体を動かせるようにするには 篠原と接触して"胸を鳴らす"必要があるらしいということが判明します。 この"胸を鳴らす"という設定が絶妙で、小野が活動を続けるために必要な"身体的接触"がそのまま"恋のドキドキ"へと結びついていくという、実は最高にラブコメしてる作品です。 もちろん小野はゾンビであり、今の身体の状態がずっと続くという保証はないのですが、それはある意味では「思春期の淡い恋模様」と同じだと捉えることもできると思うので、純粋にこの2人の関係を見守っていきたい、そんな作品です。 1巻まで読了

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