ゆゆゆ
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2024/06/17
サクッと作ったものすら宝物並みの性能
原作者さんは「ダメスキル【自動機能】が覚醒しました~あれ、ギルドのスカウトの皆さん、俺を「いらない」って言ってませんでした?~」の方と同じです。 こちらも奇想天外な展開と、読みやすいコミカライズでおもしろいです。 呪具師は、不人気な職業といっても、突き詰めたら無双できる職業だったという、まあ、よくある展開です。 無自覚な無双に加え、デザインセンス以外他者評価に対する意識が海峡の底よりも低いというアンバランスさがあります。 そして、主人公は職を突き詰めた結果、解呪しないと外れない以外、おおきなデメリットが薄い道具(デザインセンスは独特)ばかり開発しています。 変わった設定と思って読んでいたら、どうやらそれ以外でもなさそうな感じが、かつて所属していたSランクパーティから漂っています。 どうなるのかなというストーリーのおもしろさと、愛嬌のある主人公やヒロインたちが魅力的です。 よくある設定から、続きを読みたくなる作品を生み出せるのはすごいですね。
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2024/06/14
実写ドラマ版北斗の拳(1983版)撮影漫画
漫画「北斗の拳」が存在しないパラレルワールド。 もちろん、アニメも存在しない世界。 時は1983年。 実写で、あの演出を行ってしまった!! という設定。 いやはや、なかなかステキです。 我々が生きているこちらの世界では、スパイダーマンすらCGなし特撮で再現していたんですから、北斗の拳を再現した世界線もあるのかもしれません。 映画の監督や出演者による音声コメントを見ているような気持ちで、北斗の拳を再度読み直している気持ちになれます。 また、昭和を感じる、様々な演出もたまりません。 お茶の間のテレビに映る、全裸の女性。 うまいこと手で全部隠してくれています。 昭和が舞台でも令和です。 あの時代は、2時間サスペンスドラマで無駄に温泉シーン(上半身ハダカの女性が映る)とかありましたね。 登場する出演者たちが、どこか吹っ切れた人たちなのも良いです。 ケンシロウ役の橘くんの、モミを撒いた理由が独特すぎて笑ってしまいました。彼はビッグなりそうです。 原作を知らなくても楽しく読めます。そのあと原作を読めば、もっと楽しくなると思います。 おもしろいです。
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2024/06/08
あいつに恨みはあっても、その家族には恨みはない
「ハッピーファミリー」なのに、ちっともハッピーでないし、ファミリーは壊れている。 タイトルにファミリーとか、マイホームがつくとサスペンスやホラーになりやすいのはなんでだろう。 「姉妹のような親子」を望む母親でありインフルエンサーのマリちゃんに振り回される、高校生の愛理。 彼女の前に、レンタルお母さんとして現れたアイダ。 アイダさんはゆっくりゆっくり、愛理や父親を籠絡し、マリちゃんを孤立させ、母親の座を奪い取っていく。 どうやら、アイダさんの過去と、マリちゃんの過去に接点があるようで…。 アイダさんは、あの家庭の壊れ具合を認識していたんだろうか。 愛理の担当になるかわからないのに、復讐を考えていたんだろうか。 良き母親を復讐が終わっても続けられるんだろうか。 アイダさん、不明すぎて、少し怖い。 母親のマリちゃんは、我が子が親族からもらった小遣いを自分のものとしてせびる姿が衝撃的。 夫はお金を家に入れていると言っているのに、どれだけお金がかかる人なんだろう。 実家の事情が描かれたので、ああなってしまったマリちゃんを同情できるかなと思ったものの、ちっとも同情できなくて、「あるぇー??」と思ってしまった。
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2024/06/01
ネタバレ
思春期に、人と違うことについて悩む少年。
昔は半陰陽と呼んでいたけど、今は「インターセックス」とか「DSD(性分化疾患)」と呼ぶらしい。 起こると思われている変化が起きないのは、とても辛かろう。とくに、学校という閉鎖的な場。 男らしさに悩むあまり、同性である自分を好きな人がいることを受け入れられなかったのは、性別について繊細になりすぎる状況だったからだろうか。 駆け足の最終巻では、大人になっても、やはり主人公は女になるという選択肢を選んでおらず、男らしく健康にあるためとホルモン剤を打つのも体に合っていないようで、ほどほどの現状、戸籍は男性、肉体的には第三の性のような状態を受け入れているようだ。 若者がどれが自分の性別について悩むあたり、『ぜんぶきみの性』を思い出した。あちらはポンポンと性別が変わり、とちらかに固定することもできるのだけど。 ちなみに、別の方の口コミで「姉」が言及されていて、すっかり忘れていたことを思い出した。 夜も暗い時間のようだし、ホタルがいるくらい水がきれいな地域のようだし、その後は出てきた感じもないし、あの第1話しかいない人は誰なんだろう。
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2024/05/31
外国人視点の開国後日本
原作となるイザベラ・バードの本は読んだことがある。 でもこれほど情景豊かに想像はできなかったし、イザベラ・バード視点のみなので、やはり周辺情報が客観的に描かれる漫画はやはり違う。 絵があると、それがすべて本当のように引っ張られてしまうのが弱点と何かで読んだ。 でも、自分だけの想像力では描ききれない、田舎の恐ろしいほどのノミやその他虫、そして不衛生さ。 それらが日常の様子として描かれ続けているので、漫画とはすごいものだなと思い知らされた。 そもそも、バード女史、よく行ったな。肉もないのに。 また、環境だけでなく、懐からボトルに入れた筆を取り出し記録をしたためる鶴吉の一連の仕草。 大人になったことを誇りに思う女の子の表情。 細やかな当時の人々の日常が、ドラマの何気ないワンシーンのように描かれていて、今は消え失せた文化を知らされる。 ちなみに、ヨーロッパより難儀な雑草が多い日本で、バード女史が農民が勤勉に働き雑草を刈るから「雑草がない」と表現したコマに、フフとなった。 有名な場面ですね。 キリスト教的な倫理観が根付いている現代の我々が、当時の日本へ気軽にトリップできる、すてきな漫画です。
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2024/05/29
見た目は聖女、中身はおっさん。ゲスさは心のなかに。
メインヒロイン・エテルナに惚れて買ったギャルゲーが、メインヒロインがほぼ死ぬルートばかり。 そんなゲームにどハマりした、死に至る不治?の病の主人公。 ヒロインが死ぬ原因はクソオブクソの悪役偽聖女が、ヒロインが闇落ちするルートを無数に用意して消えるから。 ヒロインが救われる未来を! 二次創作ですら解消できない思いをこじらせた主人公は、なぜか夢の世界でクソオブクソの偽聖女のほうになっていた! どうや、夢の中は現実のゲームと連動しているようで…?? タイトルの酷さに興味を引かれ、読んでみて主人公の雑さ…もといエテルナラブっぷりがおもしろい。 エテルナラブ。 心の中はとても雑で、とてもゲスい。 でも大好きなヒロインに清らかな聖女の座を譲り渡すため、奮闘&まるで聖女のような言動をとっている。 すべてはエテルナを救うために。 そのギャップだけで楽しくて読み進められる。 バレないものですなあ。 主人公の介入によって、ゲーム内主人公がマッチョになっていたり、ヒロインが自身の存在を疑問に思い始めたり、いろいろ布石は敷かれている。 気づかず、ゲスい心で清らかな偽聖女を演じる主人公。 主人公は、ゲーム内主人公とエテルナのトゥルーラブルートをみることはできるのか! 乞うご期待!!
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2024/05/27
死に戻り王女の復讐劇
本作の主人公は、死に戻りする前、第1王女でありながら出自が不確かという理由で、ありとあらゆる失敗を転嫁されていた(と、処刑される前に知った)。 処刑前には民衆から、蝙蝠女だの、悪女だの言われ、家族からはスケープゴートとしての存在だったと暴露され。 死に戻ったことに気づいたとき、プッツンと何かが変わってしまう。 第一話に出てくる昔話と比べると、その後の顔つきや行動がまったく違うほど、変わってしまう。 ――悪女になった。 その後は、未来を知っていることと、死に戻り前の戦争以降、さらにひどい扱いを受けていたこと。死に戻り前は必死に守ろうとしていたものがなくなったこと。 色々重なって、とても胆力のある悪女になっている。 やることなすこと、清々しい。 行動も気高い王女から、悪女らしくなっている。 ちょっかいを出してくる奴らには、さらにあくどくやり返す。それも、さらっと。 悪女でなければ生き残れないともいえる。 環境が、昔の昼ドラくらいドロドロしている。 この後、暴君とともに、どのように復讐していくんだろう。 その前に主人公は自身の価値を示して、暴君の心を掴まなければいけないのだけど。
ゆゆゆ
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2024/05/26
ネタバレ
タイトルからハーレムものかよ、と読んでみたら
四角関係。親御さんをいれると六。 ハーレム、いや、姫である。 姫もハーレムも同じようなものなんだろうか。 ただ、主人公・結は抱える心の病気のせいで、他人に触れることが難しい。 ハーレムうはは!とならず、根暗もあって戸惑う。 やってきたキラキラ系義弟たちによって、だんだん改善していくのだけども… 結を守る丹羽ちゃんがとてもイケメンな理由、結が発症した原因、お父さんが「変わっている」と言われる理由、キラキラ系義弟が家族を大切にしすぎる理由。 いろいろ明らかになるにつれて、途中、気持ちと症状のギャップとフラッシュバックに苦しむ結の姿に、なんだかホロリときてしまった。 読み始めはタイトルの強さに押されて、「ハーレムものか」と軽く読み始めたのに。 そして、タイトルからは想像もできない、とても明るいハッピーエンド。 好きです、ハッピーエンド。 ただ、冬吾の将来の話を読んでいて、それって必須??と疑問に思ってしまった。 こだわるのは出自のヒントを得るためかと思ったら、資格が理由と言っていて、その職にそれは必須ではなく… あれば新卒就職時に有利なのかもしれないけど、ねえ、うーん。。 まあ、親友と過ごす日々を得た結の姿という、ハッピーエンドを前にすれば、些末なことなんですけどね。