まみこ
まみこ
1年以上前
2013年2月、漫画サンデーが休刊。すべての連載は強制的に終了します。 長期連載であった「蒼太の包丁」も、かなり強引な終わり方をしてしまったのです。 …で? 同じ座組で、同じ様な読者層である、「漫画ゴラク」にスライドできれば良かったのですが、そうは中々行かない事情があったのでしょうね。新しい主人公と舞台を用意して、新しい物語が始まりました! …え? 全然新しくないですよ。正直、主人公、春野ハルは、北丘蒼太の女体化ですし。両方、眉毛太いですよね。性格や話し方もそのままです。舞台となる居酒屋「大門」で出てくる料理も、「富み久」のまかないや、立ち飲み屋「みなと」で出す、雑駁無い料理とほぼ同じです。とは言え、グルメ漫画にも盗作やトレス疑惑が極まってきた頃なので、参考にしたレシピや料理描写も、クレジットが欄外に入っているのも良いですよね。 と言うか、そもそも、「蒼汰の包丁」の舞台、銀座と、「ハルの肴」の舞台、両国は、隅田川挟んで隣町、タクシーだと15分位なんですね。 …だから? だからこそ分かって欲しい、東京/江戸の食文化の変さ加減。 凄く手っ取り早く、漫画で理解、これは本当にありがたいですね。
まみこ
まみこ
1年以上前
破天荒な行動を突飛にとる佐治将太と、堅実かつ温厚な性格の関口将太朗、「日本の寿司を殲滅するためにやって来た」と、大胆不敵に宣告するフランスの寿司職人、ダヴィッド・デュカス、マルチ・レイシャルで大胆なアイデアと繊細な味覚を同時に備えた女性寿司職人、サヘル。この面々が作り出す料理から、世界の「SUSHI」を投影とし、日本の「寿司」とはそもそも何か、その良さとは何か?を問う物語。 …で、始まって、それで終われれば良かったのですが、悲しいかな、そうはなりませんでした。話はまとまらず、迷走して、未消化のまま終わってしまったのです。 食漫画の構造的な問題として、「話中の料理の美味しさを想像できないと、物語に没入できない」と言うのがあります。 別の漫画の名言ですが「客はな…、情報を喰っているんだ!」は、食漫画にも通じる話で、美味しさの隠し味だったり、その蘊蓄だったり、それらが納得できるのは、読む人々はある程度「分かっている」前提だからこそ、情報を食べることが出来、成立するのですね。 …で、この物語の中で、ダヴィッド・デュカスやサヘルが作るのは、「SUSHI」ですらなく、(所謂)「ヌーベルキュイジーニュ」なんです。これだと、なかなか味の想像も難しい。 一つ一つの料理の画は美味しそうなはずなんですけど、この構造を打ち崩すのは難し過ぎでした。 …とは言え、「岩寿司の親父さんと息子」「海の底にある幻の都」等々、良いエピソードもありますので、サクッと4巻読むのも良いのではないでしょうか?
破天荒な行動を突飛にとる佐治将太と、堅実かつ温厚な性格の関口将太朗、「日本の寿司を殲滅するため...