ANAGUMA
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2022/04/15
ネタバレ
サマータイムレンダのスピンオフ続編!主人公は…
南雲先生ことひづるちゃんと竜之介の娘・波稲!!やったーーー!!ガールズバディだーーー!! あらすじ! 相変わらず忙しそうな南雲先生は大学に通うため上京してきた波稲のひとり暮らしの部屋を探すため、ふたりで不動産屋を訪れます。そこで見つけた訳アリ格安異常好条件の奇妙な物件に興味を惹かれたふたりは持ち前の好奇心から泊まり込みで怪奇現象を検証することに…と、原作からガラッとやることを変えてきたのがまず刺激的ですね。 原作のラストからするとこの『2026』は『サマータイムレンダ』とほぼ直接の繋がりはないと言ってもいいかもしれません。影も居ない、タイムリープもない、読者が親しんだ世界とは全く別の世界なので。 そんな攻めた設定のスピンオフ・続編にもかかわらず、ふたりのキャラクターやちょっとした所作、そして何より仮説を組み立てスリリングに謎を追い詰めていく展開に『サマータイムレンダ』のエッセンスがビシバシ感じられて本当に嬉しい気持ちになりました。『2026』も確かに『サマータイムレンダ』です! …というかぜひシリーズ化してほしい!このコンビがもっと見たいよー!
ANAGUMA
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2021/10/13
遊戯王以外に読むべきカードゲームマンガ3選+1
マンバのみんなにも知ってもらいたい、この世界には『遊戯王』以外にも読むべきカードゲームマンガがあることを。 というわけでそこそこの期間カードゲームに親しんできた自分がひとまず3作品選んでみました。カードゲームに詳しくない・興味のない方でも面白がってくれそうなセレクションのつもりです。ちょっとでも興味を持って読んでいただけたら嬉しいです! 一発目はこれ。 別冊花とゆめで連載されていた少女マンガ『カードの王様』。 https://manba.co.jp/boards/26804 魔法のカードで戦うとかではなく、少女マンガで純粋にトレーディングカードゲームがテーマなのがまず珍しいし、主人公が女の子で恋愛がしっかり絡んでくるのも新鮮な衝撃がありました。 自分は寡聞にして本作以外に少女マンガでTCGを扱った作品を他に知らないので、どなたかご存知だったら教えてほしいです。 さて、作中ゲームの「CHAOS」のルールや本作の勘所については以下のクチコミに詳しく書きました。こちらも読んでみていただけると嬉しいです。審判必須のカードゲームモノってレアですよね。 https://manba.co.jp/topics/27187 試みとして、カードゲームとそのマンガにまつわる時系列を少し整理してみましょう。 世界初のトレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」が日本で広まるのは1994年から95年(初となる日本語版の発売)がひとつの契機とされています。 『遊戯王』の作品内に「マジック&ウィザーズ(M&W)」が初登場したのは1997年で、98年にはそれをメインテーマとした王国編が始動しています。一方で、カードの王様の1巻刊行は1999年。 まさに「トレーディングカードゲーム」という概念が生まれ、育ち始めた頃にほぼ並行して描かれたのが『遊戯王』と『カードの王様』だったのです。 『カードの王様』で描かれる「CHAOS」の特徴としてあげられるのが、対戦相手との対話を通じてゲームが進行することです。カードに書かれた情報をルールに則って処理する一般的なTCGというより、むしろゲームマスターとプレイヤー同士のコミュニケーションを重んじる「テーブル・トーク・ロールプレイング・ゲーム(TRPG)」に形式が近いとも言えます。 TRPGとMTG/TCGの歴史に踏み込むことはここではやめておきますが、実は遊戯王で描かれるM&Wにも当初はTRPG的な要素が多分に含まれていました。遊戯の召喚した岩石の巨兵がフィールドに存在する月を破壊したりしていたのは有名な話です。 TCGブームの萌芽の時期に描かれた2作品においてTRPG的な要素がフォーカスされていたのは、マンガというキャラクターの対話描写を重んじるメディアで、先駆的なジャンルに挑んだことの一種の必然だったのかもしれませんね。 今やカードゲームという文化の中心にどっしりと座を構える『遊戯王』(まさに王です)。実はその歴史の裏側に、「もうひとりの王」として存在していたのが『カードの王様』…なのではないでしょうか。うまいこと言いたすぎでしょうか。しかしそれくらいよくできている作品なのでもっと読まれてほしい次第です。特に遊戯王ファンのひとに。