たか
たか
1年以上前
絵も話も圧倒的に上手い!作者はいったい何者…? 「付き合ってみたけど、思ってたのと違う」といって別れるのは思春期あるあるですが、それを暗喩を用いてここまで見事に描いているのがすごい! ・放課後小川さんと行きたかった場所 ・よくできてる海のキーホルダーを買った理由 ・映画が面白いと思った訳 小川さんと付き合い始めてから、何ひとつ言わなかった主人公・原田が、初めて自分の考えを言ったのはセックスした直後。 「別れよう」 「付き合うって自分のモノになることだと思ってたのに、気遣いばっかりでもううんざりなんだ」 うそでしょ…くそすぎる…! というのも実は、原田の部屋には「原田のゲロから生まれた小川さん」がいる。 原田とは何でも気が合い、いちいち原田と違う考えを主張し摩擦を起こす本物の小川さんとは違う、まさに「小川さんじゃない小川さん」。 ゲロ小川さんののように何でも「だよねってなれる、摩擦のない会話。摩擦のない関係」こそが、相性がいいことだと思っていた原田は、本物の原田さんと寝たあとすぐに分かれを切り出す。 その後、原田は自分の意見を持たないゲロ小川さんが「原田自身」の姿をとったことで、原田は考えを変える。 「オレは海を掴んだんだ」という自分の意見を黙って飲み飲んでいた原田が、相手に寄り添うことの大切さに気がついた瞬間にキーホルダーを手放す演出が好き。 ネットに作者の情報がなさすぎでは!? どの媒体でも構わないので、ぜひまた三ト和貴の作品を読みたいです…! (追記) 「全然情報見つからねえ〜!」と思ったら、ヤンジャンのサイトは「三ト和貴(カタカナのト)」になってて、ご本人のTwitterのお名前は「三卜和貴(占いのうら)」になってるためでした。 https://twitter.com/mitok07
絵も話も圧倒的に上手い!作者はいったい何者…?

「付き合ってみたけど、思ってたのと違う」...
mampuku
mampuku
1年以上前
 これだ!!!と叫びたくなる漫画。 「強い女性像!!ガラスの靴を叩き割れ!YEAH!!」ってな感じでハリウッドやディズニーを中心に流行っている欧米型の歪んだフェミニズムに「それって結局マチズモの焼き直しなのでは?」とモヤモヤしている人も男女問わず多いことだと思います。男ウケの悪いオルチャンメイクを「お前ら(男)のためにやってるんじゃないし」と堂々やるところまでは素晴らしい傾向だと思うのですが、だったらフリフリで可愛いスカートを自分の為に穿いてもいいじゃない!というのがこの漫画のテーマの出発点。  そして本題は、周囲に奇異の目を向けられながらも奇抜なファッションで出勤してくる同僚・小澤くんのこの言葉。 「何着てどこ行くかは自分で決めます」  常に周囲の目を気にして自身を持てず、小さな願望をひた隠しにしてきたマミは衝撃に打たれます。ひそかに憧れを抱いていたロリータファッションに恐る恐る身を包み、そしてここから自分の臆病さ、周囲の同調圧力、偏見などとの戦いが始まります。  私はずっと進学校でその手の圧力とは無縁だったのであまり共感はできませんが、マミの周囲の偏見社会には憤りを覚えます。日本の学校教育はおりこうさんを作る洗脳教育みたいなとこがあると言われてますが、偏差値が上がれば上がるほど自由になるともいわれていますね。とはいえ難しい顔して常識とやらを押し付けてくる人というのはどこへ行ってもいるものです。  経験上、小澤くんのように堂々としていれば周囲は黙ります。俗世のマウント合戦から解脱して、心の在りようによって世界が変わる、そんな「スッキリする話」がもっと増えたら素敵だなと思います。