nyae1年以上前『運命とか信じるきみだから』『まりすのせいなる墓あらし』『成人式』『航海』は雑誌掲載時に読んでいたんですが、あらためて単行本で読んで、こんなによかったか…!?と愕然としてしまった。とくに『まりすのせいなる墓あらし』。ビームで読んだときに面白いなーと思った記憶があるけど、2回め読んだらなんか泣きそうになっちゃった。いい話すぎて。 『運命とか信じるきみだから』も、初めて読んだとき、あんまり意味分かんないなって思ったのに、2回め読んだら良い〜〜〜〜〜!!ってなってしまった。 なんなんだこの変化は!すごい。 ほとんど売野機子さんの漫画って読んでないんで、他と比べてどうっていう感想はかけないんですけど、これは他のも読まなくてはならんなと(なにから読めばいいのやら)。 あと、これもいつもがどうなのか知らないですけど、良いあとがきを書く方ですね。読者の読みやすさとかよりも、作者が思ったこと、書きたいことをまんま書いてますという気がして、それがむしろ良かった。日記みたい。売野機子短篇劇場こんなによいとは…5わかる
せのおです( ˘ω˘ )1年以上前神に選ばれし少年たちが「天使」を目指す聖歌学校?が舞台のお話ですが、 「天使」になれた者は神に迎えられる…つまり死を迎えるという謎に包まれた世界のお話です。 けれども、少年たちがここに来た理由も様々であり、色々な事情を抱えて生活しています。 売野先生の美しい絵で描かれる世界観はとにかく圧巻でした…が、もう少し長く読みたかったですね…。MAMA「君も天使?」6わかる
兎来栄寿1年以上前売野機子さんは長編ももちろん面白いのですが、改めてこの短篇集に収録されたエッジの利いた短篇たちを読んで、やはり格別だなぁとしみじみ思いました。 最初と最後こそ、連載したかったものの企画をどこにも受け入れられなかったことでコミティアで本にすることとなったという外連味溢れるSF「ロボットシティ・オーフェンズ」でスカッと楽しいです。しかし、その間に挟まれた作品、とりわけ「痴者の街で」や「成人式」などはビターな味わいで、順風満帆でない環境で躓いてしまった人にこそ刺さるであろう作品です。 物語を楽しむ必要がないほど現実が充実している人は幸せです。そのまま、世界に笑顔を増やしていって欲しいと思います。しかし、そうでない、笑えなくなってしまった人。そういう人に寄り添うのがこうした作品であり、その意義だと感じます。 売野さんには、人生や社会の理不尽に翻弄されて傷を抱えた少女を、その少女が傷を歯を食いしばって堪えたり痛みに喘いだり、克服したり圧倒されたりしながら生きていく時の生々しい息衝きをこれからも作品に宿して欲しいです。 なお、後書きで「〜しか勝たん」という表現を売野さんが使うようになっていたところもまたエモさを感じたところです。売野機子短篇劇場売野機子のエッセンスが凝縮された短篇集2わかる
かしこ1年以上前むちゃくちゃ売野機子先生らしさ全開で大好きです。東京でネイリストとして働いてる天馬はインスタでフォローしてる韓国人のウノくんのことが好き。朝起きたらFace IDでアイフォンを起動させてウノくんのインスタをチェックする天馬。画面の中で無邪気に友達達とはしゃいで踊ってるウノくん。2人とも可愛いよー!!全体的に2023年のエモさがギュ〜ッと詰まってました。これって続編の予定はないのかな?インターネット・ラヴ!会ったことないけど君が好き4わかる
吉川きっちょむ(芸人)5ヶ月前一人の女性が、日本人女性初の宇宙飛行士の船長を任されるという快挙を成し遂げるまでを描く物語。 https://bigcomics.jp/episodes/d6a70645fb08e/ 彼女が小学校の頃に話は遡る。 みんなから人気の小学6年生、朝日田ありす。小6の終わりに転校してきて、運動神経抜群の謎の美少女転校生として周囲からはいつも噂される存在だった。 「両親を亡くしている」「帰国子女だからカタコト」「天然キャラ」「ありすはウチらの赤ちゃんなんだから」と好き放題言われていた。 そんな彼女にはある悩みがあった。それは言葉が分からないこと。 親の教育で、海外に行きバイリンガル教育を受けていたが、英語と日本語どちらの言語も中途半端になってしまった「セミリンガル」というもの。両親はそれに気づく前に亡くなってしまった。その状態で、彼女はどこに行っても目の前の話についていけないまま12年間過ごしてきたのだ。 それに気づかせてくれたのは勉強ばかりしている神童と名高い犬星くんだった。彼女が天然ではなく、そもそも言葉を分かっていないことを見抜き「おれが君を賢くする。」 と宣言し、二人で奮闘していくことになった。 これは素晴らしい…。 読んだとき、これは自分の話か?と思ったほど。 「セミリンガル」としての状態はおそらくありすほどではなかったと思うが、自分も親の仕事の都合で5歳頃までアメリカにいて、帰国後また小6~中3でベルギーに渡った。 日本にいた5歳~小6のとき、親が相当な教育ママだったせいで運がよかったのかしっかり勉強をさせられていた。いま思い出すと当時いろいろ曖昧なまま過ごしていた部分がかなりあった。それは長いこと続いたし、4つ上にいる兄は話し言葉は大丈夫だったが書く日本語は壊滅的だった。 もし、よく分かっていないまま放置されていたら…と考えると恐ろしいし、自分には親がいたようにありすが犬星に出会えたことが本当に良かったと思う。 中学に上がり、毎日放課後にありすが犬星と学んでいくことで一つ一つ言葉を獲得し、世界の解像度が明確に上がっていく過程が面白い。 彼女から見える景色がめくるめく変わっていく。 知らない事が恥ずかしくない状態になる。それがとても重要だ。 胸を張って生きていける。 売野機子先生、ありがとうございます。 これからどうなってありすが宇宙飛行士の船長にまでなっていくのか、とても楽しみです。ありす、宇宙までも一人の少女が宇宙飛行士になるまで4わかる
干し芋3ヶ月前ありすの日々の成長が、楽しい。 スポンジのようにどんどん吸収していく様が、気持ち良い。 素直って本当に素晴らしい!! 犬星君との出会いで、ありすの今まで閉ざしていた扉が開いていく。 見て見ぬふりをしていた事への新たな発見、知ることによっての発見、発見、発見の連続。 ありす自身の輝きも増してくる。 わからない事がわからなかったありすの成長物語。 これからもずっと、すっと、応援して、見守っていきたい作品。ありす、宇宙までも素直って何にも勝る!!4わかる
Nano3ヶ月前タイトルから「宇宙飛行士を目指す女の子の話かな?」と思っていたらそれだけじゃなかった…!!ありすの背景がすーっごくいい、深い。宇宙のように。 犬星くん~…1話ラストの彼の言葉にぐっときました。これがありすを導くしるべになるんだ…!ドリームクラッシャー、言い得て妙。だけど正論。小中という若さで言われるときついけど!というか本当に頭良すぎるな犬星くん…。 素直で一生懸命なありすと、知識が豊富でそれをありすに教えてくれる犬星くん。知識があるとこんなに楽しいのか!って感動しますこれ。本当にすごい…勉強苦手でしたが、今になって学びたくなりました。3話の犬星くんも良すぎる。電車のシーン、泣きそうになった。立派、かっこいい、素敵。切ない、けれど前を向いて進んでいこうとする二人が最高。どんどん続き読みたくなる。素敵な作品と出会えて嬉しいです。ありす、宇宙までも知るということ #1巻応援5わかる
六文銭1年以上前カルト宗教である「神の郷」に家族がハマってしまい、その惨劇と洗脳からの復活、そして宗教の崩壊までを描いた作品。 「神の郷」の教祖・神郷宝仙とその餌食になった城山家族を中心に物語がすすむ感じ。 そして、1巻目では、その物語の軸となる教祖・神郷宝仙の過去の話なのですが・・・これがもう衝撃的すぎて、正直、この後の展開でも彼を完全な悪者としてみることができなかったです。 彼自身もまた母親がカルト宗教によって狂わされた人間の1人なわけで、母親に対する愛情の深さや家族を失った悲しみは憐れでもあり、心から憎めなかったんですよね。 この1巻の影響が強すぎて、2巻目以降「神郷宝仙」が、信者に対して行う数々の悪行に対しても、どこかしょうがないとか思ってしまう自分がいました。 自分がツライ思いをしたから、他人を不幸にしてもいいわけではないですけど、それほど1巻が私には衝撃でした。 母親の前で泣き叫ぶシーンは子を持つ親としては胸に刺さり、悪に染まってしまう気持ちもやむ無しとか思ってしまったんですね。 とまぁ、自分はそんな感想でしたが、全体通して飽きさせない展開が多く、最後の最後まで予測がつかない展開は圧巻でした。 4巻とサクッと読めるのも魅力で、アングラ作品が好きな人にはおすすめしたい作品です。 カリスマカルト宗教に翻弄された人々を描く10わかる
かしこ1年以上前2話目がヤバい。ヤバすぎて笑っちゃうくらいヤバい。そこまでやるかってくらいバイオレンスなので読まなきゃよかったと後悔する人もいそう。2話目に比べるとそれ以降の話はストーリーとして上手くまとめてると思う。でも同じく信仰宗教をテーマにした漫画なら「祝福王」の方がより圧倒されたかな。とはいえ全4巻でわりと満足度を得られるので刺激がある漫画をお探しの人にはオススメです。カリスマなかなか刺激的でした10わかる
SS1年以上前「特撮系か〜おもしろそう読もうかな!」とかあらすじ読んで軽い気持ちで手に取ったら『掛かったな!』と殴られた気持ちです。これはガチのやつ。ある意味あらすじサギです。良い意味で。 いわゆる特撮系ヒーローを題材にした漫画は多く、トクサツカガガとかサンレッドとか怪獣8号とか『ヒーロー』をどの角度から描くかで表現方法が変わりますが、これはガチで『特撮ヒーロー』を真正面から現実のものとして解体しているように感じます。一巻巻末のコメントが芯を捉えて暴露してくれてました。 そもそもの特撮がスタートした昭和の時代が、何を経てきて何を求め、表現者たちは何を吸収して産んだのか。そしてそれを受け取る、そうではない時代の人とそれを受け継ぎ渡そうとする中でどう解釈したか。 描き手の脳内レポートのように緻密かつ素直、そして愚直で偽りないものを含有し、ストーリーが描かれていると感じます。なので、読み手として受ける場合にはなかなか気合入れて踏ん張らないと対峙しきれないかも。足腰に力が入りました。 なかなかこうして講演のように、「これは私の考えなんですけどね…」とぐつぐつ煮込んだ話を読ませてくれる漫画を出されるのも久しくなっていたので、読み応えに放心しています。岩でも飲んだかな…という感じ。 誰かれともなくおすすめは難しいのですが、人がめちゃくちゃ煮込んで作った煮凝りみたいなものを摂取したい時にいいかと思います。 今のこの時代に、この漫画がいろんな媒体で話題作として紹介されることに、死なないサブカルのひゅうひゅうとした息を感じます。おれたちはしぶといな。よかったよかった。劇光仮面現実と地続きのヒーロー15わかる