ピサ朗
ピサ朗
1年以上前
みなさん、現実に疲れていませんか? 現実って嫌ですよね、複雑に絡み合っていて、何か一つの問題を潰したと思ったら問題が3つに増えたり、悪徳だと思った事が弱者の為になっていたり、正義と思って行った事が結局自分の首を絞めたり、清廉な経歴なのに中身が真っ黒だったり… そんな時におススメしたいのがコレ!聖マッスル!! 主人公は自分の名前さえ知らない記憶喪失の若者、わかっているのは美しく強靭な筋肉と限りなく優しい心を持つという事だけ そう、真のヒーローなら背景も経歴もいらない、かぎりなく優しい心と、それを実行できる筋肉、それさえあればいいのです。 ぶっちゃけ打ち切り作品なので、崩壊した世界や主人公にラスボスの背景やらはろくに語られないまま終わるんだけど、却ってそれが物語に漂う神話・童話性やキャラクターの神秘性を高めていて、基本的にはシンプルな勧善懲悪的ストーリーだが、ふくしま政美の筆致が描くド迫力の困難と激闘、それを乗り越える筋肉がものすごい爽快感を産んでいる。 特に絵に関しては第一話で人間で作られた宮殿という、狂気の沙汰のような背景がいきなり目に入ってくるわ、地獄の全裸マラソン、3メートルはありそうな厳しくも偉大な巨人王、子への愛に狂った北の魔神とよばれる大クジラ、周倉の如く馬を背負って山を登る主人公等々… 一歩間違えばシュールな風景を大真面目に描いていて凄まじい熱量を感じる。 ずいぶん昔に読んだ時も爽快感自体は高かったのだけど、最近現実に疲れた自分を感じている時に読んだ時はあの頃の数倍の爽快感を感じた。 とにかく最近の現実に疲れている人は、この分かりやすいほどの善悪の肉のぶつかり合いをぜひ堪能して欲しい。
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
----- ★特撮好きさんへ ----- 登場人物名をご覧下さい。 ●海城あかね ●本郷苺 ●早田唯 ●芹沢博見(部長) さあ、この作品の特撮愛、伝わりましたよね?読んでみて下さい! ----- ★その他の方 ----- ここからは普通にクチコミ書きますね。 特撮作品研究部の女子高生四人が、特撮作品を作ろうと奮闘する物語。そこには様々な特撮愛があるのですが、面白いのは特撮好き同士が、必ずしも仲良しこよし、ではないところ。 造形の先輩と音響の後輩は解釈違いでいがみ合いながら、愛がある事で繋がれるケンカ百合。顧問の教師は特撮を愛するのに何故か敵対する。そこにあるのは、強すぎる拘り。 しかし初心者が受け入れられるのは良い感じ。身体能力が高い初心者は、カッコいい事をやりたいという強い思いがある。それを掬い上げる仲間達は、互いに熱を伝え合う。 制作に邁進する四人。特撮の制作や特撮愛について、熱いものが読める。絵柄のガチャガチャ感が楽しさとカッコよさを増し、そしてキックが美しい!情動がガバガバになっていく様子も熱さを増す。特撮ファンは絶対楽しいし、百合ファンとしてはちょっと変わった関係性構築が楽しめる作品です。
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
死にゆく祖父を世話しながら祖父の有機農園を守る菜々子と、彼女を手伝いながら寄り添う無職の麻衣。昆虫の挿話に託して語られる、自然と人為、そして不思議な「虫愛づる姫君」達との縁の物語。 —— 菜々子は両親に裏切られ、祖父との絆を唯一の拠り所にして生きている。農業についても、自分の意思で始めたことではない。それ故か、いつも自信がなく、失うことに怯えている。 菜々子の麻衣に対する感情は、友情を飛び越えた強力なもの。依存や崇拝といった、ちょっと危なっかしい感情にも近い。 祖父が亡くなれば、身寄りがなくなる菜々子。祖父に菜々子を託された麻衣だが、距離感に悩み、挙句、菜々子を孤独にしてしまう。そして麻衣の選ぶ、菜々子との関係は……。 —— この作品は、二人の女性の関係性の物語と並行して、二つの「自然と人為」が描かれる。 一つは「有機農業」、もう一つは「自然保護」。 有機農業は、農薬等をなるべく使わない「自然への優しさ」を謳うが、その分労力は大きい。益虫を操り、害虫を殺す日々の営み故に、菜々子は益虫にものすごく優しい一方、害虫に対してはまさに「虫を殺す目」を向ける。菜々子は「益虫を愛づる姫君」である。 一方、麻衣が偶然知り合った来夏は、ヒメギフチョウや湿原を、ボランティアで保護する女性。彼女は自然を愛し、虫という虫に満遍なく愛を注ぐ「全ての虫を愛づる姫君」。また、来夏といつも共にいる美津羽は、簡単に昆虫を呼び寄せる特技を持つ「虫を愛で、共にある姫君」。 さらに、麻衣が出会う、スナックで働く香織は、虫と「食」(人間が食べる、虫が虫を食べる等)を嗜好する「虫食を愛づる姫君」。 様々な「虫愛」の形が提示され、彼女たちから語られる虫の性質と、人間の営みがリンクし、生きることについて考えさせられる。スローライフを描きながらも、「生の実感」の生々しさが常に残る作品である。 日々の営みの繰り返しから、ゆっくりと育てた大きな感情に、いつの間にか心動かされている。麻衣と菜々子が育む、じんわりとした優しさに浸っていたい。